ザ・ハンドは、第4部『ダイヤモンドは砕けない』に登場する虹村億泰のスタンドです。右手で掴んだ物を空間ごと削り取る能力で、物を引き寄せたり自分が瞬間移動したりもできます。
「何でも削れるのに、作中で敵をそのまま削って倒した場面がないのはなぜ?」は、読んでいて引っかかりやすいところ。答えは、右手を大きく振らないと削れないという弱点にあります。
できること・できないことを場面の巻つきで整理し、元ネタや登場する巻・話数もまとめました。
この記事は第4部の最終決戦の展開に触れます(ネタバレを含みます)。
ザ・ハンドの基本情報
本体は、第4部の主人公・東方仗助と同じぶどうヶ丘高校の1年生、虹村億泰です。基本のデータを表にしました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 本体 | 虹村億泰(アニメの声は高木渉) |
| 登場する部 | 第4部『ダイヤモンドは砕けない』(単行本第29〜47巻) |
| 初登場 | 原作は第29巻「虹村兄弟 その①」(通し第274話)、アニメは第3話「虹村兄弟 その1」 |
| 姿 | 人型のスタンド |
| 英字表記 | The Hand |
| ステータス | 破壊力B/スピードB/射程距離D/持続力C/精密動作性C/成長性C |
| 名前の由来 | ロックバンドのザ・バンド(The Band) |
ステータスは第4部の単行本には載っていません。公式の画集『JOJO A-GO!GO!』(2000年)で示された値です。
目を引くのは射程距離のD。削れるのは右手が届く範囲で、その短さを補うのが、あとで出てくる引き寄せと瞬間移動です。A〜Eの見方はスタンドの基本ルールで確かめられます。
ザ・ハンドの能力|右手で空間ごと削り取る
削るのは、右手で掴んだ物とその周りの空間です。硬さは関係なく、当てさえすればどんな物でも削れます。
削られた空間は、そのあと自然に閉じます。億泰がこの能力を自分の口で明かすのは、仗助との戦いの最中です(第30巻、アニメ第3話)。
削った物はどこへ行く? 億泰本人にも分からない
アニメ公式サイトの人物紹介には、削った物の行き先は「億泰にすらもわからない」と書かれています。原作でも、能力を明かす同じ場面で億泰本人がそう話しています(第30巻)。
では、削った物はあとで戻せるのか。答えは「戻せない」です。
触れた物を直す仗助のクレイジー・ダイヤモンドでも、ザ・ハンドが削った物は元に戻せません。ほかに直せないものは、クレイジー・ダイヤモンドの能力の記事で一覧にしています。
空間を削って引き寄せる・瞬間移動する
自分と対象のあいだの空間を削ると、空間が閉じる力で、弧を描いた軌道の上にある物が手元へ寄ってきます。逆に、弧を描いた方向へ自分が瞬間移動することもできます。
注意したいのは、狙った相手だけでなく、軌道の上にある物まで一緒に寄ってくることです。仗助との戦いでは、この性質が裏目に出ました(第30巻、アニメ第3話)。
仗助は植木鉢を背にして立ち、引き寄せを逆手に取ります。億泰は何度も空間を削るうちに植木鉢まで引き寄せ、それが自分に当たって負けました。
レッド・ホット・チリ・ペッパー戦では、自分を瞬間移動させて相手の背後に回りました(第33巻、アニメ第11話)。
最終決戦では、キラークイーンの腹部から猫草を引き寄せて奪っています。腹のシャッターが閉まっていない隙を突いた一手でした(第46巻、アニメ第38話)。
削るときの擬音は「ガオン」
第3部でヴァニラ・アイスのスタンド「クリーム」が能力を使うときにも、ザ・ハンドと同じ「ガオン」が出てきます。どちらも空間を削るスタンドで、擬音までそろっています。
効果音の「ガオン」が出たら、空間が削られた合図です。クリームとの違いは、記事の後半の表で比べています。
ザ・ハンドのできること・できないこと
何ができて何ができないのかを、場面の巻とアニメの話数つきで一覧にしました。
| 項目 | できる・できない | 場面(巻/アニメの話) |
|---|---|---|
| 掴んだ物を硬さに関係なく削る | できる | 第30巻ほか |
| 削った物を元に戻す | できない(クレイジー・ダイヤモンドでも不可) | — |
| 削った物の行き先を知る | できない(億泰にも分からない) | 第30巻/第3話 |
| 離れた物や相手を引き寄せる | できる | 第30巻(植木鉢)/第46巻(猫草) |
| 自分を瞬間移動させる | できる | 第33巻/第11話 |
| 空気弾を爆発させずに消す | できる | 第46巻/第38話 |
| 速い相手に直接当てる | 苦手(右手の大振りが要る) | 第33巻/第11話 |
| 敵を削り取って倒す | 原作に倒した場面はない | — |
| 左手で削る | 不明(公式の説明は右手だけ) | — |
空気弾を消せるのは、空間を削るだけで、そこにある物に触れるわけではないからです。仗助たちが避けて逃げるしかなかった爆弾を、爆発させずに無力化しました(第46巻)。
表の「苦手」と「倒した場面はない」の2行は、どちらも右手を当てるまでの難しさから来ています。
弱点は右手の大振り(「スローすぎる」)
空間を削るには、右手で弧を描くように大きく振る必要があります。接近戦が得意な相手や速い相手には、直接当てにくいのが弱点です。
仗助との戦いでは、右腕をクレイジー・ダイヤモンドに掴まれて止められました(第30巻)。レッド・ホット・チリ・ペッパーには攻撃をかわされ、「スローすぎる」と言われています(第33巻、アニメ第11話)。
同じ戦いの終盤、とどめを狙って振った右手が地面を削り、地下の電線を掘り出してしまいます。相手はその電線から力を取り戻し、億泰は敗れました(第33巻)。
冒頭の「なぜ敵を削って倒した場面がないのか」への答えが、この大振りです。当てるまでの動きが大きいので、掴んで止められたり、かわされたり、狙いを逆手に取られたりします。
ザ・ハンドは強い? 作中での言われ方と戦った相手
作中では、仗助や兄の形兆など複数の人物から恐ろしいスタンドだと言われています。
仗助がそれを口にするのは、億泰との戦いの決着の場面です(第30巻)。本体の頭がもっとよければ手ごわい能力だった、という意味のことを言っています。
評判とは別に、実際に戦った相手と結果も表で見ておきましょう。
| 相手 | 結果 | 巻/アニメの話 |
|---|---|---|
| クレイジー・ダイヤモンド(東方仗助) | 負け。引き寄せた植木鉢が当たる | 第30巻/第3話 |
| レッド・ホット・チリ・ペッパー(音石明) | 負け。掘り出した電線で相手が力を取り戻す | 第33巻/第11話 |
| ヘブンズ・ドアー(岸辺露伴) | 殴りかかるが、本にされる | 第35巻/第15話 |
| キラークイーン(吉良吉影) | 重傷から復帰し、空気弾を消して猫草を奪う | 第45〜46巻/第37〜38話 |
仗助と音石に負けた2戦は、どちらも億泰自身が削った結果が裏目に出たものです。
最終決戦で億泰は、猫草の空気弾を受けて重傷を負います(第45巻)。夢の中で兄の形兆に行き先は自分で決めるよう諭され、杜王町に戻ると決めて復帰します(第46巻)。
復帰した億泰に空気弾を消され、切り札の猫草も奪われた吉良は、ここから追い詰められていきます(第46巻)。
空気弾の仕組みはキラークイーンの能力に、露伴との一戦はヘブンズ・ドアーの能力にまとめています。
元ネタはザ・バンド(The Band)
スタンド名の「ハンド」と、元ネタのザ・バンドの「バンド」は、濁点ひとつの違いです。
由来の出どころは、集英社のジャンプリミックス『ダイヤモンドは砕けない vol14 ラブ・デラックス編』です。83ページの「The origin of STANDS!」part.1 で示されています。
ザ・バンドは、アメリカを拠点に活動したカナダのロックバンドです。「アメリカのバンド」と覚えていた人は注意してください。オリジナル・メンバー5人のうち、4人がカナダ人、1人がアメリカ人でした。
1968年に、ザ・ホークスからザ・バンドへ名前を改めました。1作目のアルバムは、同年7月の『ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク』。1969年9月には、バンド名と同じ2作目『ザ・バンド』を出しています。
ザ・ハンドが登場する巻と話数
第4部の原作は単行本第29〜47巻、アニメは全39話です(2016年4月〜12月放送)。ザ・ハンドの主な場面を、巻と話で対応させました。
| 出来事 | 原作の巻(通しの話) | アニメの話 |
|---|---|---|
| 億泰が初めてザ・ハンドを出す | 第29巻(第274話) | 第3話 |
| 仗助と戦い、能力を明かして敗れる | 第30巻(第275話) | 第3話 |
| レッド・ホット・チリ・ペッパーと戦う | 第33巻(第308〜310話) | 第11話 |
| 露伴の家でヘブンズ・ドアーに本にされる | 第35巻(第322話) | 第15話 |
| バイツァ・ダストで一度爆破される | 第45巻(第423話) | 第36話 |
| 吉良に挑み、空気弾で重傷を負う | 第45巻(第427話) | 第37話 |
| 復帰して空気弾を消し、猫草を奪う | 第46巻(第435話) | 第38話 |
第45巻に「爆破」と「重傷」が並んでいるのは、混乱しやすいところ。爆破のほうは、バイツァ・ダストが巻き戻す「同じ朝」の中で起きたことです。
第427話では、億泰は仗助と並んで吉良と向き合い、そこで空気弾を受けて重傷を負います。
アニメで能力を確かめたいなら、仗助と戦う第3話と、復帰する第38話を見比べてみてください。削る・引き寄せる・空気弾を消す、の3つがそろいます。
ほかの部が何巻から何巻までかは、ジョジョは何巻まで?にまとめています。
関連するスタンド・人物
本体の億泰は虹村家の次男です。兄の形兆のスタンド、バッド・カンパニーも、同じ名前のイギリスのバンドが由来です。
能力の上で深く関わるのは、仗助のクレイジー・ダイヤモンド。第30巻で戦った相手であり、最終決戦では億泰の重傷を治しています。
似た能力を持つのが、第3部のヴァニラ・アイスのスタンド、クリームです。違いを表で比べました。
| 項目 | ザ・ハンド | クリーム |
|---|---|---|
| 本体と部 | 虹村億泰(第4部) | ヴァニラ・アイス(第3部) |
| 消し方 | 右手で掴んだ物を空間ごと削る | 口の中の暗黒空間に飲み込む |
| 消えた物 | 行き先は億泰にも分からない | 霧散するように消滅する |
| 動き方 | 消した空間を使って瞬間移動する | 本体ごと口の中に隠れて移動する |
| 擬音 | ガオン | ガオン |
擬音と「消す」点は同じでも、消し方と動き方が違う、と覚えておくと見分けがつきます。


コメント