マジシャンズレッドの能力と技・元ネタ|強すぎと言われる理由

マジシャンズレッド(魔術師の赤)は、第3部『スターダストクルセイダース』に登場するモハメド・アヴドゥルのスタンドです。鉄をも溶かす炎を自在に操り、炎をアンクの形にして撃つ「クロスファイヤーハリケーン」を得意技にしています。

「強すぎと言われるのに、なぜ途中で退場してしまうの?」は、第3部で引っかかりやすいところ。作者の荒木飛呂彦が炎の能力について語ったことと、技・弱点・元ネタ・登場する巻と話数をまとめました。

この記事は、アヴドゥルが一度倒れて戻る展開と最期(第26巻)に触れます(ネタバレを含みます)。

マジシャンズレッドの基本情報

本体はモハメド・アヴドゥルで、初登場は原作第13巻です。表記から声優まで、表にまとめました。

項目内容
本体モハメド・アヴドゥル(占星術師。ジョセフの友人)
登場する部第3部『スターダストクルセイダース』
漢字表記魔術師の赤
英語表記Magician’s Red
初登場(原作)第13巻「炎の魔術師」(第3部の2話目)
初登場(アニメ)第3部第1話「悪霊にとりつかれた男」(2014年4月5日)
ステータス破壊力B・スピードB・射程距離C・持続力B・精密動作性C・成長性D
本体の声優TVアニメ 三宅健太/OVA 小林清志
名前の由来タロット大アルカナ1番「魔術師」

ステータスの表が単行本に付くのは第5部からです。第3部の値は、画集『JOJO A-GO!GO!』(集英社、2000年)でさかのぼって設定されました。

第3部を読み返しても数字が見つからないのは、このためです。

評価はA(超スゴイ)からE(超ニガテ)までの5段階で、Cが「人間と同じ」。マジシャンズレッドにAの項目はなく、Bが3つ、Cが2つ、Dが1つです。

6項目の読み方は、スタンドの基本ルールをまとめた記事で確かめてください。

マジシャンズレッドの能力

姿は、猛禽類の頭をもつ人型の像(ビジョン)です。能力は「炎を出して、形も向きも思いどおりに操る」の1つだけ。

得意技も探知機も、この炎の使い方から枝分かれしています。

鉄をも溶かす炎を自在に操る

炎の温度の高さが分かるのが、第22巻のマライア戦です(アニメ第3部第31話)。磁力で線路に足を取られたアヴドゥルとジョセフは、炎で線路の下に穴を開け、迫る列車から逃れました。

射程距離Cでも炎は離れた相手に届く

射程距離は、本体からどこまで離れられるか、または攻撃の届く範囲を表す項目です。マジシャンズレッドはCですが、炎を撃ち出せるので中距離の戦いを得意とします。

近い間合いの格闘も強い

炎を撃つだけのスタンドではありません。第19巻の審判(ジャッジメント)戦(アニメ第3部第22話)が、その一例です。

カメオのスタンドは、ポルナレフとアヴドゥルを一時押さえ込みます。それでも本気を出したマジシャンズレッドには、あっけなく敗れました。

マジシャンズレッドの技

技は4つ。得意技のクロスファイヤーハリケーンと、それを分裂させたスペシャル、炎の縄、炎の探知機です。

名前は知っていても、どの戦いで出たのかは意外と分かりにくいもの。初めて使った巻と話を添えました。

技何をする技か初めて使った巻・話
クロスファイヤーハリケーン炎をアンクの形にして撃ち出す第14巻・アニメ第5話
クロスファイヤーハリケーンスペシャル炎のアンクを何体にも分けて放つ第14巻・アニメ第5話
炎の縄炎を縄のようにして相手を縛る第13巻・アニメ第1話
炎の探知機炎で生き物やエネルギーの動きを探る第26巻・アニメ第42話

アニメ公式サイトは、第5話のあらすじでクロスファイヤーハリケーンを「誇る必殺技」と紹介しています。

第14巻のポルナレフ戦(アニメ第3部第5話)では、スペシャルも続けて使われます。鎧を脱いだシルバーチャリオッツの分身をスペシャルで引きつけ、本命の炎は地面の下から浴びせました。

炎の縄が初めて出てくるのは、第13巻の留置場の場面です(アニメ第3部第1話)。アヴドゥルが出ようとしない承太郎に炎で挑み、この炎に向き合う中で承太郎のスタンドが姿を現します。

炎の探知機は、DIOの館で使われます(第26巻、アニメ第3部第42話)。館を迷路に見せていたケニーGは、アヴドゥルの炎とイギーの鼻で居場所を見破られました。

マジシャンズレッドができること・できないこと

炎で攻める・焼く・探ることは、ひととおりできます。弱点は、姿の見えない相手と、閉じた場所での戦いです。

項目できる・できない根拠(巻・話)
炎の形と向きを思いどおりに変えるできる第14巻・アニメ第5話
地面の下から相手を攻めるできる第14巻・アニメ第5話
炎で線路の下に穴を開けるできる第22巻・アニメ第31話
炎で生き物の居場所を探るできる第26巻・アニメ第42話
水たまりに映る敵と弾丸に同時に備えるできなかった第15〜16巻・アニメ第10話
姿の見えない敵の裏をかくできなかった(負傷)第20巻・アニメ第26話
暗黒空間の奇襲から逃れるできなかった第26巻・アニメ第42話

「できなかった」の3行は、どれも炎が届く前に、姿の見えない相手から攻撃を受けた場面です。

アニメ第3部第10話では、弾丸を炎で溶かそうとした瞬間に背中を刺されます。刺したのは、水たまりの反射から出たハングドマンです。

もう1つの弱点は火力の高さで、閉じた場所、特に乗り物の中での戦いには向きません。

マジシャンズレッドは強すぎる? 作者の発言と作中の扱い

鉄をも溶かす炎を操れるのに、アヴドゥルは途中で倒れて長く出てこず、最後は退場します。ここは第3部の中でも、納得しにくいところですよね。

手がかりは、作者の振り返りと敵からの扱われ方です。

作者は炎の能力を描きにくかったと振り返っている

荒木飛呂彦は、函装版『JOJONIUM』第13巻(集英社、2014年)でアヴドゥルを振り返っています。

炎を操る能力は漫画や映画でよくあるもので、ゆるく描くと力の釣り合いが崩れてしまいます。そのため描くのが難しかった、という内容です。

炎と毒は今後使わなくてもかまわない能力だ、とも述べています。

マジシャンズレッドの炎は、描く側にも扱いにくい題材だったわけです。

一度退場したのは読者を油断させないため

荒木飛呂彦は同じ振り返りで、読者を油断させないためにアヴドゥルを死んだと見せかけて外した、と述べています。

皇帝と吊られた男の戦いで、アヴドゥルはホル・ホースの弾丸に倒れます(第15〜16巻、アニメ第3部第10話)。

生きていたと分かるのは第19巻です(アニメ第3部第22話)。弾丸は頭をかすめただけで、アヴドゥルは変装して一行と別に動き、紅海の小島で合流しました。

第20巻のゲブ神戦でも傷を負い、花京院とともにアスワンの病院へ運ばれます(アニメ第3部第27話)。旅の途中でアヴドゥルが一行を離れたのは、この2回です。

敵から真っ先に狙われる

高熱の炎の怖さを知る敵は多く、戦いが始まるとまずアヴドゥルを片付けようとします。J・ガイルとホル・ホースの2人組(第15〜16巻)や、ゲブ神のンドゥール(第20巻)がその例です。

ステータスにAの項目がなくても真っ先に狙われる、と覚えておくと第3部の戦いが追いやすくなります。

マジシャンズレッドの元ネタ

名前の由来はタロット大アルカナ1番目のカード「魔術師」で、デザインの出発点は不死鳥のイメージです。

名前はタロット1番「魔術師」と色の「赤」

第3部のスタンド名は、タロットの大アルカナと色などを組み合わせたものが多くあります。「魔術師の赤」も、カードの名前に色の「赤」を足した形です。

洋楽のアーティスト名や曲名が名前の中心になるのは、第4部からです。

デザインは不死鳥のイメージ

荒木飛呂彦は『JOJOVELLER完全限定版』(2013年)で、デザインについて語っています。出発点は不死鳥のイメージで、エンキ・ビラルのキャラクターの影響も受けています。

鳥のような頭にしたのは、ほかの仲間とシルエットが重ならないようにするためでした。

クロスファイヤーハリケーンと同じ言葉が出てくる曲

ローリング・ストーンズの「Jumpin’ Jack Flash」(1968年)という曲があります。その歌い出しに、技の名前と同じ言葉が出てきます。

技の名前がこの曲から来たのかは、原作では明かされていません。

登場する巻と話数

初登場の第13巻から最後の登場の第26巻まで、主な場面を表にしました。読み返したい場面から探してみてください。

出来事原作の巻アニメの話
初登場。留置場の承太郎に炎で挑む第13巻第3部第1話
ポルナレフをクロスファイヤーハリケーンで倒す第14巻第3部第5話
ホル・ホースの弾丸に倒れる第15〜16巻第3部第10話
生きていたと分かり、審判を倒す第19巻第3部第22話
ゲブ神に策を見破られ傷を負う第20巻第3部第26話
線路の下に穴を開けて列車をかわす第22巻第3部第31話
炎の探知機を使い、ヴァニラ・アイスの奇襲で死亡第26巻第3部第42話

最期の場面はDIOの館です(第26巻)。ヴァニラ・アイスの奇襲からポルナレフとイギーをかばい、暗黒空間に飲み込まれます。

巻は第1部からの通し巻数で、第3部は第12〜28巻です。アニメ第3部の各話で何が起きるかは、第3部の話数をまとめた記事にあります。

第3部で命を落とした仲間を巻つきで見たい人は、死亡キャラと生き残りの一覧をどうぞ。

関連するスタンド・人物

マジシャンズレッドの戦いに関わる主な人物です。

  • モハメド・アヴドゥル: 本体。職業は占星術師で、生まれつきのスタンド使いです。
  • 空条承太郎: 留置場で最初に炎を向けた相手。スタンドに「スタープラチナ」と名付けたのもアヴドゥルです(スタープラチナの記事)。
  • ジャン=ピエール・ポルナレフ: 第14巻の対戦相手。その後は仲間として旅をします。
  • ホル・ホースとJ・ガイル: 第15〜16巻でアヴドゥルを倒した2人組。スタンドは皇帝(エンペラー)と吊られた男(ハングドマン)です。
  • ヴァニラ・アイス: 第26巻でアヴドゥルを暗黒空間に飲み込んだ、クリームの本体です。

参考

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