ザ・フール(愚者)は、ジョジョ第3部『スターダストクルセイダース』でイギーが使うスタンドです。砂と同化して形を自由に変えるのが能力で、体が砂なので物理的な攻撃をほぼ受け付けません。
「スタンドを攻撃されているのに、なぜイギーは平気なの?」は、読んでいて引っかかりやすいところ。この記事では、できること・できないこと、名前の由来のタロット「愚者」、登場する巻と話数までまとめました。
ザ・フールが最後に使われる場面は、本体イギーの最期と重なります(第26巻、アニメ第3部第44話)。この記事はイギーの最期まで触れます(ネタバレを含みます)。
ザ・フールの基本情報
本体はイギーという犬で、ザ・フールの初登場は原作第20巻です。声優やステータスも含めて、まずは表で全体をつかんでください。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 本体 | イギー(血統書付きのボストン・テリア) |
| 本体の声優 | 福圓美里(TVアニメ) |
| 登場する部 | 第3部『スターダストクルセイダース』 |
| 初登場(原作) | 第20巻 第183話 |
| 初登場(アニメ) | アニメ第3部第25話(2015年1月10日) |
| 姿 | 後ろ足が車輪になった犬の形。羽飾りとマスク付き |
| ステータス | 破壊力B・スピードC・射程距離D・持続力C・精密動作性D・成長性C |
| 元ネタ | タロット大アルカナ0番「愚者」 |
アニメ第3部第25話では、ジョセフの頼みでヘリコプターが助っ人を運んできます。「愚者(ザ・フール)」の暗示を持つというそのスタンド使いが、スタンド犬のイギーでした。
ステータスは連載当時にはなく、のちにファンブック『JOJO A-GO!GO!』でさかのぼって付けられた値です。評価の目安は、Bが「スゴイ」、Cが「人間と同じ」、Dが「ニガテ」。
射程距離と精密動作性はDなので、遠くまで届かせることや細かい作業は得意ではありません。
ザ・フールの能力|砂と同化して形を変える
ザ・フールは砂と同化し、その砂を操って翼やドーム、DIOの姿まで作ります。体が砂なので、物理的な攻撃をほぼ無力化します(『JOJOVELLER完全限定版 STANDS』21頁)。
どの形をどの戦いで使ったのか、巻の順に見ていきましょう。
砂の翼で滑空する(ンドゥール戦・第20巻)
最初の戦いは、エジプトの砂漠でのンドゥール戦です。相手のゲブ神は水のスタンドで、4km先から操られていました。
承太郎はイギーに無理やりザ・フールを出させ、嫌がるのも構わず砂の翼にぶら下がります。そのまま本体のンドゥールの方へ滑空していきました(第20巻、アニメ第3部第26話)。
ザ・フールの翼は、グライダーのように滑空するためのものです。ただし、承太郎をぶら下げたままでは高度を長く保てませんでした。
最後はスタープラチナがイギーをンドゥールの方へ投げ、イギーはザ・フールで身を守ります。そのすきに、スタープラチナがンドゥールに一撃を入れました。
水中に砂のドームを作る(ペット・ショップ戦・第24巻)
カイロでDIOの館を見つけたイギーは、館を守るハヤブサのペット・ショップと戦います(第24巻)。下水道に逃げ込み、ザ・フールでホルス神に反撃するのがアニメ第3部第38話です。
氷柱のミサイルで足に重傷を負ったイギーは、川へ逃げ込みます。水中に砂のドームを作り、川底に身を隠そうとしました(アニメ第3部第39話)。
ペット・ショップは潜って追いかけ、地中を掘って先回りまでしてきます。イギーは崩れるドームの勢いで前へ飛び出し、ペット・ショップのくちばしにかみついて口をふさぎました。
撃つ寸前だった氷のミサイルは口の中で暴発し、ペット・ショップは死亡します。砂のドームは隠れ家になり、最後は前へ出るための勢いにもなりました。
砂でDIOの姿を作る(ヴァニラ・アイス戦・第26巻)
DIOの館には、ポルナレフ、アヴドゥル、イギーの3人で突入します(第26巻、アニメ第3部第42話)。館に迷路を作っていたケニーGは、アヴドゥルの炎とイギーの鼻で居場所を見破られました。
ケニーGはザ・フールに引っかかれ、まともに戦わないまま退場します。続くヴァニラ・アイス戦では、アヴドゥルがポルナレフとイギーを突き飛ばしてかばい、命を落としました。
イギーは砂でDIOの姿を作り、ヴァニラ・アイスを油断させて攻撃しようとします(アニメ第3部第43話)。ところが見破られ、偽物とはいえDIOを攻撃させられたことに相手は激怒しました。
ヴァニラ・アイスはスタンドを使わず、自分の足で何度もイギーを蹴りつけ、致命傷を負わせます。
アニメ第3部第44話では、瀕死のイギーが残った力でザ・フールを使い、クリームに消されかけたポルナレフを救い出します。公式あらすじによると、このときスタンドは徐々に力を失っていきました。
イギーはそのまま力尽きました(第26巻)。
ザ・フールのできること・できないこと
得意なのは、砂の体を生かした守りと、形を変える工夫です。場面ごとに、できたこととできなかったことを表にまとめました。
| 項目 | できる・できない | 根拠(巻/アニメ第3部の話・資料) |
|---|---|---|
| 砂の翼で滑空する | できる | 第20巻/第26話 |
| 承太郎をぶら下げて高度を長く保つ | できなかった | 第20巻/第26話 |
| 投げ飛ばされたイギーの身を守る | できる | 第20巻/第26話 |
| 物理的な攻撃をほぼ受け付けない | できる | 『JOJOVELLER完全限定版 STANDS』21頁 |
| 下水道でホルス神に反撃する | できる | 第24巻/第38話 |
| 水中に砂のドームを作って隠れる | できる | 第24巻/第39話 |
| 敵を引っかいて倒す | できる | 第26巻/第42話 |
| 砂でDIOの姿を作る | できる | 第26巻/第43話 |
| 砂のDIOで相手をだまし切る | できなかった | 第26巻/第43話 |
| 仲間を敵の攻撃が届かない所へ引き寄せる | できる | 第26巻/第44話 |
「できなかった」の2行は、どちらもその場面での結果です。
守りに秀でる反面、スピードはCの「人間と同じ」にとどまります。弱点として押さえておきたいのは、この点と、承太郎をぶら下げた滑空で高度を長く保てなかったことです。
スタンドを攻撃されてもイギーが無事なのはなぜ
スタンドの傷はふつう本体にも返るので、無事なイギーは決まりの例外に見えて混乱しやすいところです。
公式の資料で説明されているのは、ザ・フールの体の性質です。砂でできているため、物理的な攻撃をほぼ無力化します(『JOJOVELLER完全限定版 STANDS』21頁)。
ただし「ほぼ」無力化なので、どんな攻撃も効かないとまでは言い切れません。
生身のイギーまで砂になるわけではない点にも注意してください。ペット・ショップ戦では、氷柱のミサイルを受けたイギーが左前足を失っています(第24巻、アニメ第3部第39話)。
スタンドの傷が本体に返る決まりと、その例外はスタンド(幽波紋)の基本ルールにまとめています。
ザ・フールの元ネタはタロットの「愚者」
「愚者」は、タロットの大アルカナで0番(番号なし)にあたるカードです。第3部では、大アルカナにちなんだ名前のスタンドが次々に登場します。
同じくタロット由来の承太郎のスタンドは、スタープラチナの元ネタはタロット17番の星で扱っています。
ザ・フールの名前と姿の由来を、出典つきで表にしました。
| 要素 | 由来 | 出典 |
|---|---|---|
| スタンド名「愚者」 | タロット大アルカナ0番 | TVアニメ公式サイト STORY 第25話 |
| 姿の組み立て | 犬と車に、ネイティブ・アメリカン風のマスク | 『JOJOVELLER完全限定版 STANDS』/北米版単行本第8巻 |
| 後ろ足の車輪 | F1のレーシングカー | 函装版『JOJONIUM』第15巻 |
| 本体の名前「イギー」 | イギー・ポップ(Iggy Pop) | 『集英社ジャンプリミックス スターダストクルセイダース vol.6』132頁 |
洋楽が元ネタなのは、最後の行の本体の名前だけです。「元ネタはバンド?」と探していた人は、スタンド名はタロット、本体の名前は洋楽と覚えておくと迷いません。
荒木飛呂彦は北米版単行本の第8巻(VIZ Media、2018年)で、愚者はイギーにぴったりのカードだと述べています。同時に、「世界」を除くと最後に残ったカードで、敵に割り当てる案もあったと明かしています。
その「世界」は、DIOのスタンドの名前です。時を止める能力はザ・ワールドの能力で確かめられます。
ネイティブ・アメリカン風の要素は、砂(砂漠)から取り入れられたものです。『JOJOVELLER完全限定版 STANDS』の荒木飛呂彦のコメントに、そう書かれています。
後ろ足の車輪の理由は、荒木飛呂彦が函装版『JOJONIUM』第15巻で語っています。連載当時の『週刊少年ジャンプ』がF1チームのマクラーレンのスポンサーで、タイムリーだと思ったからです。
ザ・フールが登場する巻と話数
ザ・フールの主な出番は、原作第20巻・第24巻・第26巻に集まっています。巻数はジャンプ・コミックスの通し巻数で、第3部は第12〜28巻にあたります。
主な場面ごとの、原作の巻とアニメ第3部の話数です。
| 出来事 | 原作の巻 | アニメ第3部の話 |
|---|---|---|
| 初登場。「愚者」の暗示のスタンド使いとして合流 | 第20巻(第183話) | 第25話 |
| 砂の翼で滑空し、ンドゥールに近づく | 第20巻 | 第26話 |
| 下水道でホルス神に反撃する | 第24巻 | 第38話 |
| 砂のドームに隠れ、ペット・ショップを倒す | 第24巻 | 第39話 |
| ケニーGを引っかいて倒す | 第26巻 | 第42話 |
| 砂のDIOでヴァニラ・アイスをだまそうとする | 第26巻 | 第43話 |
| 最後の力でポルナレフを救う(第3部での最後の登場) | 第26巻 | 第44話 |
アニメで追うなら、主な出番は第25〜26話・第38〜39話・第42〜44話の3か所です。第3部アニメ全48話のどこで本筋が動くかは、第3部の話数をまとめた記事にあります。
原作で探すときの目印は、話の題。第20巻は「『愚者(ザ・フール)』のイギーと『ゲブ神』のンドゥール」の回です。
第24巻は「地獄の門番ペット・ショップ」、第26巻は「亜空の瘴気 ヴァニラ・アイス」の回にあたります。
OVAなら、Adventure 8・9(1993年)と11(1994年)でイギーの戦いが描かれます。
関連するスタンド・人物
本体のイギーと、ザ・フールが一緒に戦った仲間・戦った相手です。
- イギー:ザ・フールの本体。第3部で亡くなる仲間と根拠の巻はジョジョ死亡キャラ一覧で見られます
- 空条承太郎:ンドゥール戦で砂の翼にぶら下がった
- ンドゥール:ゲブ神の本体。ザ・フールが最初に戦った相手
- ペット・ショップ:ホルス神の本体。DIOの館を守るハヤブサ
- ケニーG:館に迷路を作ったスタンド使い
- ヴァニラ・アイス:クリームの本体。砂のDIOを見破った
- ポルナレフ:DIOの館で背中合わせに戦った相棒

コメント