ハーミットパープルの能力|念写で探すスタンド・人型でない理由

ハーミットパープルは、ジョセフ・ジョースターのスタンドです。漢字では「隠者の紫」と書き、第3部『スターダストクルセイダース』と第4部『ダイヤモンドは砕けない』に登場します。

イバラを伸ばし、カメラやテレビに探し物や相手の姿を写す念写が能力の主役。戦って倒すためではなく、探すためのスタンドです。

人型のスタンドが並ぶなかでイバラの姿なのはなぜか、DIOが同じ念写をするのはなぜか。ここがいちばん引っかかるところです。原作の描写と資料本の荒木飛呂彦のコメントをもとに、できること・できないことを巻数つきでまとめました。

この記事は第3部のDIO戦の展開と、第4部・第8部の描写に触れます(ネタバレを含みます)。

ハーミットパープルの基本情報

本体はジョセフ・ジョースター。アニメ第4部の公式サイトは、この能力を「透視や調査などで対象を写す遠隔視能力」と説明しています。

資料で確かめられる項目を一覧にまとめました。

項目内容
本体ジョセフ・ジョースター
漢字・英語表記隠者の紫/Hermit Purple
登場する部第3部・第4部
初登場第3部の序盤(原作第12〜13巻/アニメ第3部第1〜3話)
外見の分類人型ではない(公式ファンブックの分類で「b・x型」)
能力の種類遠隔視・念写
ステータス破壊力D/スピードC/射程距離D/持続力A/精密動作性D/成長性E
元ネタタロット大アルカナ9番目のカード「隠者」

ステータスの6項目は資料本とアニメ第3部の表記で、単行本には載っていません。Aが付くのは持続力だけで、破壊力はDです。

数値を見比べるより、何に使うスタンドなのかを押さえたほうが早いです。

ハーミットパープルの能力は念写とイバラ

できることは、2つに分かれます。カメラやテレビを媒体にした念写と、イバラそのものを使う戦い方です。

念写と遠隔視でできること・限界

第3部の序盤では、ポラロイドカメラを叩き壊すほど強く殴らないと写せませんでした。物語が進むと、殴らずにテレビや砂を媒体にして遠くの様子や周辺の地図まで映せるようになります。

写るのは、ジョセフが思い浮かべた対象の断片的なイメージです。相手の詳しい居場所を指定して正確に写す、という使い方はできません。

位置を把握している相手なら、テレビに姿を映したり砂に地図を作ったりできます。実況のように状況を追える使い方です。

断片だけという弱点を、承太郎の目が補った場面があります。DIOを念写した写真に写り込んだハエを、スタープラチナの視力で精密に写生しました。

見分けた結果は、エジプトにしかいない種類のハエ。写真を読み解く相手がいて、初めてDIOの潜伏先が絞られました。

テレビや電線などの機械にスタンドを入り込ませて、操作したり内部を探ったりもできます。第4部で承太郎がジョセフを日本へ呼んだ理由は、この性質でした(第33巻)。

「ゲブ神」のンドゥールは、ジョセフの能力を「考えていることまで感知できる」と語っています(第20巻)。探すだけでなく、考えを読む面まで敵から警戒されていました。

イバラでできること

イバラは自分の意思で、触手のように操れます。敵を打ち据える鞭、縛り上げる縄、振り子のように移動するロープや命綱として使われました。

波紋を流せるのも、このイバラの性質です。縛った敵に波紋を流し込んだり、服の下に這わせて攻防一体の防具にしたりもします。

ジョセフは、全編を通じて波紋とスタンドの両方を使える唯一の人物です。DIO戦ではイバラに波紋を流し、DIOに直接触れさせない戦い方をしました(第27〜28巻)。

対スタンド戦のイバラは、容易に引きちぎられる程度のものでしかありません。ただし、ちぎられたあとにジョセフがダメージを受ける描写はありませんでした。

スタンドを壊されると本体にダメージが返るのが基本のルールなので、ここは例外です。射程や本体へのダメージの決まりはスタンド(幽波紋)の基本ルールで整理しています。

できること・できないこと

原作の描写で確かめられる範囲を、できる・できないに分けて整理しました。強さが気になる人は、「できない」の行から見てみてください。

項目できる・できない原作の描写
カメラを媒体に念写するできる第3部の序盤(叩き壊すほど強く殴る)
テレビや砂に遠くの様子や地図を映すできる殴らずに写せるのは序盤より後
居場所を指定して正確に写すできない写るのは断片的なイメージ
機械に入り込んで操作・内部を探るできる第4部の呼び出しの理由(第33巻)
イバラで縛る・引き剥がすできるエンプレス戦(第16巻)
イバラに波紋を流すできるDIO戦(第27〜28巻)
対スタンド戦でイバラを持たせるできない容易に引きちぎられる
イバラを壊されて本体にダメージが返るできないダメージを受ける描写がない

「できない」が付くのは、どれも戦闘に関わる項目です。探すことに強く、殴り合いで押し切る戦い方には向きません。

ハーミットパープルが人型ではない理由

人型でないのは、作者が意図してそうデザインしたからです。公式ファンブック『JOJO A-GO!GO!』の外見の分類でも、ハーミットパープルは「b・x型」に入ります。

「b」は人型でない、「x」は生物的なものという意味です。同じ分類ではスタープラチナが「a・x型」、エアロスミスが「b・y型」になります。

荒木飛呂彦は、前作の主人公だから人間的な形からは外したと述べています(『JOJOVELLER』2013年)。同じコメントで、あまり戦闘向きにならないようなデザインにしたとも語っています。

配色を紫にした理由も語られました。「紫色は高貴な色であり、年齢が高めな方にも合わせやすいから」というコメントです(函装版『JOJONIUM』第9巻)。

全身に巻きつくイバラの蔓にも、理由があります。波紋をより視覚的に表現したものだ、というのが荒木飛呂彦の説明です(函装版『JOJONIUM』の「誕生秘話」)。

イバラの姿は設定の抜けではなく、波紋使いのジョセフに合わせて選ばれた形です。

似ているのに別物のスタンド

イバラの姿をしたスタンドは、ハーミットパープルだけではありません。混同しやすいのが、空条ホリィのスタンドと第8部のジョセフのスタンドです。

ジョセフの娘の空条ホリィに発現したスタンドは、後期にハーミットパープルに似たイバラ状の姿になります。

制御できず本体の命を削るだけで、作中では能力が明かされていません。荒木飛呂彦の設定では「癒やしの能力」とされています。

第8部『ジョジョリオン』にも、よく似たイバラのスタンドを使う「ジョセフ・ジョースター」が出てきます。こちらはラッシュのときだけ人型の像があり、名称は作中で明かされていません。

この「ジョセフ」は、第7部の主人公ジョニィ・ジョースターの孫。第2部の主人公とは同姓同名の別人です(『ジョジョリオン』第27巻)。

DIOが使ったハーミットパープルに似たスタンド

第3部のごく初期にDIOが見せた念写は、ジョセフのスタンドとは別のものです。DIOは頭と身体が別人なので、スタンドを2体持っています。

頭のDIOがザ・ワールド、身体のジョナサン・ジョースターがイバラのスタンドです。このイバラのスタンドには、作中で名前も持ち主の説明も出てきません。

公式ファンブック『JOJO A-GO!GO!』は、ザ・ワールドとは別のスタンドだと説明しています。ジョナサン・ジョースターの肉体が発現させたもの、という位置づけです。

使い方にもはっきりした違いがあります。ジョセフはカメラを叩き壊すほど殴る必要がありましたが、こちらは軽く叩くだけで念写できます。

この念写が出てくるのは序盤だけで、以降は使われません。資料ごとの名前の扱いは、ジョナサン・ジョースターのスタンドに表でまとめています。

元ネタはタロットの「隠者」

スタンド名の由来は、タロットの大アルカナ9番目のカード「隠者」です。「Hermit」が隠者、「Purple」が紫で、漢字表記の「隠者の紫」はそのままの意味になります。

第3部のスタンド名は、タロットの大アルカナと色から取られているものが多いです。第4部以降は洋楽のアーティスト名や曲名が中心になるので、タロットで揃うのは第3部の特徴です。

大アルカナの枚数は22枚。荒木飛呂彦は「敵味方合わせて22人ぐらいで終わるだろうと思って描き始めた」と語っています。

登場する巻と話数

ハーミットパープルが動く場面を、原作の巻とアニメの話数で対応させました。

出来事原作の巻アニメの話
第3部に初登場。念写でDIOの復活を知る第12〜13巻第3部第1〜3話
エンプレスをイバラで引き剥がす第16巻第3部第12話
ンドゥールが能力を「感知できる」と語る第20巻第3部第25〜26話
DIO戦でイバラに波紋を流す第27〜28巻第3部第45〜47話
第4部で杜王町へ来て音石明を追う第34巻第4部第12話

表をたどると、第3部の旅は念写で行き先を決めるところから始まっています。第4部で呼ばれた理由も、電線を探れる能力でした。

アニメで見た場面を原作で読み直したいなら、この表の巻数を目印にしてください。

関連するスタンド・人物

本体のジョセフの年齢・声優・結末は、ジョセフ・ジョースターの声優とプロフィールにまとめています。

同じ第3部でタロット由来の名前を持つ承太郎のスタンドは、スタープラチナの元ネタはタロット17番の星で扱っています。

DIO本人のスタンドについてはザ・ワールドの能力にまとめているので、あわせて読んでみてください。

参考

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