メイド・イン・ヘブンは、『ジョジョの奇妙な冒険』第6部『ストーンオーシャン』の敵、エンリコ・プッチ神父のスタンドです。生物以外の時間を無限に加速させ、宇宙を終わりまで進めてしまいます。
ステータスのスピードが「無限大」とだけ書かれている変わったスタンドで、「結局どこまでできるのか」がつかみにくいところ。この記事では、できること・できないこと、元ネタの曲、登場する巻とアニメの話数を、根拠つきでまとめました。
この記事は第6部の結末(プッチの最期と世界の一巡)に触れます(ネタバレを含みます)。
メイド・イン・ヘブンの基本情報
まずは本体・初登場・ステータスを一覧にしました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 本体 | エンリコ・プッチ(G.D.st刑務所の教誨師) |
| 登場する部 | 第6部『ストーンオーシャン』(全17巻・全158話) |
| 初登場(原作) | 第6部第17巻「メイド・イン・ヘブン その①」 |
| 初登場(アニメ) | 第6部第36話「メイド・イン・ヘブン その①」 |
| 能力 | 生物以外の時間を無限に加速させる |
| ステータス | 破壊力B/スピード無限大/射程距離C/持続力A/精密動作性C/成長性A |
| 進化の流れ | ホワイトスネイク → C-MOON(第16巻) → メイド・イン・ヘブン(第17巻) |
| 姿 | 前半身だけの馬に人の上半身。顔の中心と手の甲に時計のマーク |
| 元ネタ | フレディ・マーキュリーの曲「Made in Heaven」(1985年) |
| 雑誌掲載時の名前 | 天国への階段(STAIRWAY TO HEAVEN)。単行本で変更 |
| 北米版の名前 | Maiden Heaven |
スピードの「無限大」は、スタンドのパンチが速くなるという数字ではありません。周りの時間が加速したぶんの、相対的な速さを指しています(第17巻)。
破壊力はB、射程距離はC。腕力や間合いで押すスタンドではありません。
メイド・イン・ヘブンになったのは、プッチが「重力を最も軽減できる位置」に到達したときです(第17巻)。
ホワイトスネイクのDISCの能力も、C-MOONの重力の能力も、進化したあとには残っていません(第16〜17巻)。3つの能力を同時に使うスタンドではない、と押さえておくと戦いの流れがつかめます。
「馬」のような姿と時計のマーク
前半身だけの馬から、人の上半身が生えたような姿をしています。顔の中心と手の甲にあるのは、能力を思わせる時計のマークです。
デザインのモチーフはケンタウロスです。荒木飛呂彦は『JOJOVELLER』(集英社、2013年)で、神話的な要素とメカニカルな要素を合わせたと述べています。
時計のマークを置いたのも、「時を加速する」という理由からだと語っています。
メイド・イン・ヘブンの能力(時を加速する仕組み)
できるのは一つだけ。生物以外の時間を、無限に加速させることです(第17巻)。
加速が始まるのは、承太郎が放った銛(もり)がプッチを捉えようとした瞬間。「天国の時」が訪れ、プッチの体から光があふれて姿が消えます(第17巻/アニメ第36話)。
加速するのは生物以外の時間
加速についていけるのは、本体のプッチだけです(第17巻)。ほかの生物の目に映るのは、高速で動く周りの物とプッチの姿です。
時計は正確なまま超高速で進み、日の出や日没も速まります。非生物はすさまじい勢いで劣化し、崩れ去りました(第17巻)。
ただし、子どもが一気に老ける場面や食べ物が腐る場面も描かれます(第17巻)。生物と非生物の線引きは、原作の中でもはっきりしません。
プッチの攻撃をよけられないのは、腕力が上がったからではありません。加速についていけない生物との速度差が、そのまま攻撃力になります(第17巻)。
時を止める能力との関係(スタープラチナ・ザ・ワールド)
「時を止める」と「時を加速する」は、混同しやすいところ。時を止めるスタンドは、止まった世界の中を自分だけが動きます。
メイド・イン・ヘブンは逆で、世界の時間を速めて自分だけがその速さについていきます。
プッチはこの能力の発現前後から、スタープラチナが止めた時間を認識できるようになりました(第17巻)。承太郎が時を止めても、プッチの行動のほうがわずかに早い場面がありました(第17巻/アニメ第37話)。
止める側のスタンドについては、最長9秒だったDIOのザ・ワールドと承太郎のスタープラチナの記事にまとめています。
加速の行き着く先は宇宙の一巡
加速は止まらず、宇宙は終わりを迎えます。特異点を経て次の宇宙が生まれ、同じ歴史をたどって再び2011年が訪れます(第17巻)。
原理そのものは、第17巻のスタンドデータに短く触れられているだけ。「地球や月や全宇宙の重力を利用して、時間を少しずつ加速していっているようだ」と書かれています。
同じ欄には「詳しい原理はここでは計り知れない」ともあり、原作はそこから先に踏み込んでいません。
一巡の段取りと、一巡後の世界に誰が残るのかは、一巡の仕組みを段階ごとに追った記事にまとめています。
できること・できないこと
原作の描写で確かめられるものだけを、表にしました。
| 項目 | できる・できない | 根拠 |
|---|---|---|
| 生物以外の時間を加速させる | できる | 第17巻 |
| 加速した時間の中で動く | できる(本体のプッチだけ) | 第17巻 |
| スタープラチナが止めた時を認識する | できる | 第17巻 |
| 宇宙を終わらせて一巡させる | できる | 第17巻/アニメ第38話 |
| 生物の時間そのものを加速させる | できない(対象は非生物) | 第17巻(例外に見える描写もある) |
| ホワイトスネイクやC-MOONの能力を使う | できない(進化で引き継がれない) | 第16〜17巻 |
| 加速中に無傷でいる | できない(徐倫の抵抗で片目を失う) | 第17巻 |
| 一巡を完成させる | できなかった(2012年3月21日に開始、2011年11月で停止) | 第17巻 |
| 本体が倒れても能力が残る | できない(未完成の「天国」が崩れる) | 第17巻第158話/アニメ第38話 |
こうして見ると、弱点は能力そのものではなく本体にあると分かります。加速の最中でもプッチは傷を負い、徐倫の抵抗で片目を失っています(第17巻)。
最後にプッチを倒したのも、ただ一人生き残ったエンポリオでした(第17巻第158話/アニメ第38話)。本体が倒れたことで、完成しきらなかった「天国」も崩れます。
元ネタは1985年の曲「Made in Heaven」
元ネタは、フレディ・マーキュリー(Freddie Mercury)の曲「Made in Heaven」です。初めて世に出たのは、1985年のソロアルバム『Mr. Bad Guy』でした。
シングルはイギリスで1985年7月1日、日本で8月25日に出ています。
フレディの死から4年後の1995年、クイーン(Queen)のメンバーがアレンジ版を作りました。収録されたのは、アルバム『Made in Heaven』。
クイーン最後のスタジオアルバムで、イギリスでは1995年11月6日、日本では11月17日に発売されました。
曲が1985年、同じ題名のアルバムが1995年。10年離れているので、「クイーンのアルバム」とだけ覚えていると曲のほうが抜け落ちます。
made in heaven は「天で作られた」という英語の成句です。そこから「完璧に近い状態」「理想的なもの」を指す言い方になりました。
英語表記は Made in Heaven。北米版では Maiden Heaven(メイデン・ヘブン)に改められています。
雑誌掲載時の名前は「天国への階段」
今の「メイド・イン・ヘブン」になったのは単行本からです。『週刊少年ジャンプ』への掲載時は「天国への階段(STAIRWAY TO HEAVEN)」でした。
「Made in Heaven」を題名にした作品は、曲とスタンドのほかにもあります。1987年公開のアラン・ルドルフ監督の映画もその一つです。
検索すると映画のほうが混ざることもありますが、スタンドとは関係ありません。
登場する巻と話数
原作は第6部第17巻、アニメは第6部の第36〜38話です。
| 出来事 | 原作 | アニメ(第6部) |
|---|---|---|
| C-MOONに進化する | 第16巻 | 第33〜34話 |
| メイド・イン・ヘブンに進化する | 第17巻 | 第36話 |
| アナスイ・エルメェス・承太郎・徐倫が倒れる | 第17巻 | 第37話 |
| 宇宙が一巡する | 第17巻 | 第38話 |
| エンポリオに倒される | 第17巻第158話 | 第38話 |
出番が集中しているのは、単行本では1冊ぶん、アニメでは最後の3話だけ。第6部は全17巻(通算64〜80巻)・全158話で、第17巻が出たのは2003年7月4日です。
第17巻には第147〜158話が入っており、第149〜157話が「メイド・イン・ヘブン その①〜⑨」にあたります。
アニメで追うなら、アニメ第6部の最後の3話で起きることから確かめてみてください。
関連するスタンド・人物
- エンリコ・プッチ — 本体。G.D.st刑務所の教誨師で、アニメの声は関智一
- ホワイトスネイク — プッチの最初のスタンド。記憶や能力をDISCとして抜き取る
- C-MOON — 重力の向きを操る2段階目の姿(第16巻)
- 空条承太郎 — スタープラチナで時を止めて対抗した相手(第17巻)
- 空条徐倫 — 抵抗してプッチの片目を奪う(第17巻)
- DIOの「天国へ行く方法」 — プッチの目的の土台(天国へ行く方法の解説)
参考
- 『ジョジョの奇妙な冒険 第6部 ストーンオーシャン』第16〜17巻(集英社、2003年)
- 集英社 書誌『ジョジョの奇妙な冒険 第6部 ストーンオーシャン 17』
- 「ジョジョの奇妙な冒険」公式ポータルサイト 5th Season STORY 第36話
- Wikipedia「エンリコ・プッチ」
- Wikipedia「メイド・イン・ヘヴン (フレディ・マーキュリーの曲)」

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