シアーハートアタックは、第4部『ダイヤモンドは砕けない』で吉良吉影のキラークイーンが放つ「第2の爆弾」です。見た目は小さな爆弾戦車で、左手の甲から切り離されると、体温を追って自動で相手に襲いかかります。
名前の元ネタは、クイーンの曲「シアー・ハート・アタック」(1977年)です。
「スタープラチナは効かないのに、なぜエコーズACT3は効いたの?」は、読んでいて混乱しやすいところ。この記事では、その答えのほか、できること・できないことと登場する巻・話数をまとめました。
この記事は吉良吉影の正体と、第39巻で別人の顔になって姿を消すまでの展開に触れます(ネタバレを含みます)。後半では、『ジョジョリオン』の吉良吉影の過去と、定助の能力とのつながりも扱います。
シアーハートアタックの基本情報
まずは本体・初登場・ステータスを一覧で。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 本体 | 吉良吉影(キラークイーンの「第2の爆弾」) |
| 登場する部 | 第4部『ダイヤモンドは砕けない』(第8部の吉良吉影も使う) |
| 初登場(原作) | 第38巻 第354話「シアーハートアタック その①」 |
| 初登場(アニメ) | 第4部第22話の終わり(戦いの本番は第23話から) |
| 能力の種類 | 自動操縦型(『JOJO A-GO!GO!』の分類では「B’・a型」) |
| 見た目 | ドクロを付けた丸い体に、キャタピラが付いた小さな戦車 |
| ステータス | 破壊力A/スピードC/射程距離A/持続力A/精密動作性E/成長性A |
| 声 | TVアニメは森川智之。ゲーム『オールスターバトル』『アイズオブヘブン』はカシワクラツトム |
| 元ネタ | クイーンの曲「シアー・ハート・アタック」(1977年) |
射程距離がAなのに対して、キラークイーン本体の射程距離はDです。シアーハートアタックだけを放てば、吉良は遠くに隠れたまま戦わせられます。
荒木飛呂彦は『JOJOVELLER完全限定版 STANDS』(集英社、2013年)で、見た目を解説しています。コンセプトは、どんなことをしても壊れそうにない雰囲気の小さい戦車です。
ドクロの顔はキラークイーンの顔がもとで、額の剣は暗殺者のイメージ。
第1の爆弾やバイツァ・ダストとの違いは、キラークイーンの3つの爆弾で見比べられます。
シアーハートアタックの能力
能力の中心は、熱を追って自動で爆発すること。性質を4つに分けて見ていきます。
体温を追って自動で襲いかかる
熱を感じ取ると、その熱を目がけて走ります。相手が人なら体にしばらく触れてから、炎のように熱いものなら触れる前に爆発します。
走りながら「コッチヲ見ロ」と、機械のような声を出すのも特徴です。
第38巻の第356〜357話で、承太郎は熱を追うスタンドだと見抜きます。手がかりは、最初に狙われたのが靴屋「ムカデ屋」の主人の熱いお茶だったことでした。
人以外の熱で爆発したときは「今ノ爆破ハ人間ジャネェ」と言い、次の相手を探しに行きます。狙った人間を全員爆殺するまで、動きは止まりません。
スタープラチナでも壊せない硬さ
第38巻の第355話では、スタープラチナが時を止めてまで殴っても傷がつかず、また向かってきます。
自分の爆発でも傷一つつきません。爆発そのものは大きく、第356話ではムカデ屋の店先が吹き飛びました。
第1の爆弾と違って、人を消すときの爆発には音があり、周りの物や人まで傷つけます。
吉良には周りの様子が分からない(自動操縦)
本体が操らずに動く自動操縦型なので、周りで何が起きているかは吉良に分かりません。
第356話で康一がエコーズで探したときには、吉良はもう店からずっと先にいました。
弱みが出るのは、なかなか戻ってこないときです。第357話の吉良は、時間がかかりすぎていると気にし始めます。
止めて回収するには、吉良が近くまで行くしかありません。第359話で自分で確かめに向かった吉良は、第360話(第39巻)で康一の前に姿を現します。
キラークイーンの左手とつながっている
シアーハートアタックは別のスタンドではなく、キラークイーンの左手の甲に付いた爆弾です。第39巻の第361話で、吉良自身も康一にそう説明します。
第1の爆弾は、触れたものを爆弾に変える能力です。シアーハートアタックが走っているあいだも、こちらは使えます(第39巻・第360話)。
左手とつながっていることは、あとで見る「ACT3が効いた理由」の答えにもなります。
シアーハートアタックのできること・できないこと
頑丈で射程も長い反面、動きは単純です。できること5つ、できないこと4つを、根拠の巻・話と一緒に一覧にしました。
| 項目 | できる・できない | 根拠(巻・話) |
|---|---|---|
| 体温を追って自動で襲う | できる | 第38巻(第356話) |
| 吉良が遠く離れたまま戦わせる | できる | 第38巻(第356話) |
| 第1の爆弾と同時に使う | できる | 第39巻(第360話) |
| 爆発しても壊れず、次の相手を探す | できる | 第38巻(第357話) |
| 周りを巻き込む大きな爆発を起こす | できる | 第38巻(第356話) |
| 狙った相手だけを追い続ける | できない(より熱いほうへ向かう) | 第38巻(第357〜358話) |
| 吉良が周りの様子を知る・操る | できない | 第38巻 |
| スタープラチナの拳で壊す | できない | 第38巻(第355話) |
| 離れたまま呼び戻す | できない(吉良が現場へ行く) | 第38〜39巻 |
攻略のかぎは「より熱いほうへ向かう」の行で、承太郎と康一の作戦はまずここを突いています。
シアーハートアタックの弱点|「弱点はない」はずが破られた理由
吉良は第38巻の第358話で、シアーハートアタックに「弱点はない」と言い切ります。実際には、熱の追い方が単純なことが穴になりました。
承太郎と康一の対処は、出来事の順に次の3つです。
| 誰が・何をしたか | どうなったか | 巻(話) |
|---|---|---|
| 承太郎:時を止め、2本の木で火をおこして引きつける | 爆発をかわしきれず、重傷を負う | 第38巻(第357話) |
| 康一:エコーズACT2の熱い音の文字を貼りつけて誘導する | 温まった電気コンロへ向かい、店の奥で爆発 | 第38巻(第358話) |
| 康一:生まれたばかりのACT3で殴って重くする | 重みで地面(アスファルト)にめり込み、ほとんど動けなくなる | 第38巻(第358〜359話) |
しのぐ手は「熱で引きつける」と「重くして足止めする」の2つでした。ACT3が生まれるまでの段階は、エコーズのACT1〜3の能力で追えます。
スタープラチナが効かず、エコーズACT3が効いた理由
分かれ目は、攻撃がシアーハートアタックに通ったかどうかです。
自動操縦型のスタンドは、ふつう受けたダメージが本体に返りません。シアーハートアタックはキラークイーンの一部なので、例外として吉良の左手に返ります。
3つの場面を表で比べました。
| 攻撃・出来事 | どうなったか | 巻(話) |
|---|---|---|
| スタープラチナが何度も殴る | 傷がつかず、吉良の左手にも変化なし | 第38巻(第355話) |
| エコーズACT3が殴って重くする | 地面にめり込み、カフェにいた吉良の左手も重くなってカップをつぶす | 第38巻(第359話) |
| シアーハートアタックにひびが入る | 康一は、本体がけがをしたと判断する | 第39巻(第360話) |
ダメージが返るのか返らないのか、ここがややこしいところですよね。「返る仕組みはあるが、拳は硬さで通らない」と覚えておくと、3つの場面がひと続きで読めます。
重さが効くのは、ACT3の射程(約5m)の内側だけです。第39巻の第361話では、キラークイーンに殴り飛ばされたACT3が射程の外に出て、重さが解けてしまいます。
ダメージが本体に返るふつうの決まりは、スタンドの基本ルールで確かめてみてください。
左手を切り離して逃げた吉良
承太郎に殴り倒された吉良は、第39巻の第363話で、巻き込まれた一般人のふりをします。仗助に傷を治してほしいと頼んだことで、逆にスタンド使いだと見抜かれました。
追い詰められた吉良は、シアーハートアタックの宿る左手をキラークイーンで切り離します。その手を足止めに残して、逃げていきました。
仗助はシアーハートアタックを手の甲に戻すと、その手が吉良の体へ帰っていくように直します。第4部でシアーハートアタックが出てくるのは、この第363話が最後です。
飛んでいく手を追った先が、辻彩の店でした。吉良はこの店で、辻彩に顔を入れ替えさせていました。手を追って会社員であふれる通りに出た一行は、そこで手を見失います(第39巻・第364話)。
元ネタはクイーンの曲「シアー・ハート・アタック」
キラークイーンやバイツァ・ダストと同じく、クイーン(Queen)の曲から取った名前です。クイーンはイギリスのロックバンドで、この曲は1977年に発表されました。
由来は、『集英社ジャンプリミックス ダイヤモンドは砕けない』vol.17の190ページで紹介されています。
注意したいのが、同じ名前が曲とアルバムの両方にあることです。3つの作品を表で整理しました。
| 名前 | どんな作品か | 年 |
|---|---|---|
| 曲「シアー・ハート・アタック」 | アルバム『世界に捧ぐ』(6枚目)のA面3曲目。作詞・作曲はロジャー・テイラー | 1977年 |
| アルバム『シアー・ハート・アタック』 | クイーンの3枚目のアルバム。同じ名前の曲は入っていない | 1974年 |
| 曲「キラー・クイーン」 | アルバム『シアー・ハート・アタック』のA面2曲目 | 1974年 |
曲はもともと、1974年のアルバムの表題曲として作られていました。そのときは未完成で入らず、1977年に完成して『世界に捧ぐ』に収められています。
「キラー・クイーン入りのアルバム名がシアー・ハート・アタック、同名の曲は3年後」と押さえておけば迷いません。
アルバムの題「Sheer Heart Attack」は、日本語で「突発的な心臓発作」という意味です。隠語では「暗殺者のナイフ」「心臓を一突き」の意味もあります。
デジタル・リマスター版CDの日本語解説は、隠語のほうの意味をとっています。
シアーハートアタックが登場する巻と話数
戦いは、第38巻の後半から第39巻の前半にかけて描かれます。話の題は、第354〜364話が「シアーハートアタック その①〜⑪」。第38巻は、巻の題も「シアーハートアタック」です。
| 出来事 | 原作の巻(話) | アニメの話 |
|---|---|---|
| ムカデ屋で承太郎と康一を襲う | 第38巻(第354〜356話) | 第4部第22話の終わり〜第23話 |
| 承太郎が爆発を受けて倒れる | 第38巻(第357話) | 第4部第23話 |
| エコーズACT3が生まれ、重くして足止めする | 第38巻(第358〜359話) | 第4部第23話 |
| 吉良が姿を現し、康一を痛めつける | 第39巻(第360〜361話) | 第4部第24話 |
| 承太郎の反撃で吉良が倒れる | 第39巻(第362話) | 第4部第24話 |
| 左手を切り離して逃げる(第4部で最後の登場) | 第39巻(第363話) | 第4部第24話 |
| 辻彩の店のあとで吉良を見失う | 第39巻(第364話) | 第4部第24話 |
アニメで見返すなら、第4部第22話の終わりから第24話まで。第23話「シアーハートアタック その1」と第24話「その2」が戦いの中心です。
集英社の第39巻の紹介文にある「瀕死の承太郎の一撃が吉良に炸裂」は、表の第362話の場面です。
実写映画と『ジョジョリオン』のシアーハートアタック
原作の第4部のほかに、実写映画と第8部にも出てきます。
実写映画『ダイヤモンドは砕けない 第一章』
実写映画では、形兆が死ぬ場面にシアーハートアタックが現れます。原作(第30巻)でこの場面に出てくるのは、レッド・ホット・チリ・ペッパーです。
映画のシアーハートアタックは、億泰に襲いかかったうえで形兆の命を奪います。遺体は爆破され、跡形も残りません。公開は2017年8月4日、監督は三池崇史です。
原作での初登場は第38巻なので、映画では8巻分早い場面で顔を出すことになります。映画の配役はジョジョ4部の実写映画キャスト一覧で確かめられます。
『ジョジョリオン』の吉良吉影もシアーハートアタックを使う
第8部『ジョジョリオン』の吉良吉影も、第4部とよく似た見た目の爆弾戦車を使います。第4部の吉良とは同じ名前の別人で、こちらは善人です。
第4部と第8部の違いを表にしました。
| 項目 | 第4部の吉良吉影 | 第8部の吉良吉影 |
|---|---|---|
| 数 | 作中に出てくるのは1台 | 複数台を出せる |
| 大きさ | 小さな戦車 | 手のひらからミクロまで変えられる |
| 爆発 | 熱を追って大きく爆発 | 血栓だけを壊すような精密な爆破もできる |
| 主な場面 | 承太郎と康一を襲う | 死にかけていた幼い仗世文を救う |
手のひらの大きさなら、小型ボートを木っ端みじんにする威力があります。ミクロの大きさなら、血管を傷つけずに体の中へ送り込めます。
第8部のキラークイーンは、『ジョジョリオン』第12巻の第50話「ビタミンCとキラークイーン その①」で初登場。続きの第51〜53話は第13巻に入っています。
第8部の主人公・定助のソフト&ウェットが受け継いだのは、しゃぼん玉の能力のほうです。爆弾戦車は受け継がれていません。
しゃぼん玉で何ができるかは、ソフト&ウェットの能力で解説しています。
関連するスタンド・人物
戦いにかかわったスタンドと人物、ほかの自動操縦型のスタンドです。
- 吉良吉影:本体。第4部の殺人鬼
- キラークイーン:吉良のスタンド。左手から第2の爆弾を放つ
- エコーズACT3:広瀬康一のスタンド。重くして足止めした(第38巻)
- スタープラチナ:空条承太郎のスタンド。殴っても壊せなかった(第38巻)
- クレイジー・ダイヤモンド:東方仗助のスタンド。左手を直して吉良を追った(第39巻)
- ブラック・サバス(第5部)、ヨーヨーマッ(第6部):ほかの自動操縦型のスタンド

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