ソフト&ウェットは、第8部『ジョジョリオン』の主人公・東方定助のスタンドです。指先や星型のアザから出すしゃぼん玉で、触れたものから音や視力を一時的に奪います。
読み進めるほど、閉じ込める・壊す・回転すると使い方が増えていきます。結局どんな能力なのか一言で言えなくなる、というのが分かりにくいところです。
この記事では、できること・できないこと、終盤の新能力「ゴー・ビヨンド」、名前の由来になった曲を巻数つきでまとめました。
この記事は定助の正体(第14巻)と、終盤の展開(第23〜27巻)に触れます(ネタバレを含みます)。
ソフト&ウェットの基本情報
ソフト&ウェットが初めて姿を見せるのは、『ジョジョリオン』第1巻です。本体・姿・ステータスを一覧にまとめました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 本体 | 東方定助(第8部の主人公) |
| 登場する部 | 第8部『ジョジョリオン』(全27巻・全110話) |
| 初登場 | 第1巻(第2〜5話) |
| 表記と読み | ソフト&ウェット(柔らかくてそして濡れている) |
| 姿 | 体の中央に碇のマークが描かれたロボットのような姿 |
| 能力の種類 | 近距離型などの分類は原作・公式サイトに記載なし |
| ステータス | 破壊力C・スピードB・射程距離D・持続力B・精密動作性C・成長性A |
| 終盤の新能力 | ゴー・ビヨンド(越えて行く)。第26巻から |
| 名前の由来 | プリンスの「Soft and Wet」(1978年) |
ステータスのアルファベットだけでは、何ができるスタンドなのかは見えてきません。実際の使い方は、次の節のしゃぼん玉の話でつかめます。
本体の定助は、震災後の杜王町にできた「壁の目」の近くで広瀬康穂に助け出された、記憶のない青年です。
「ソフトアンドウェット」と書かれていても、指しているのは同じスタンドです。曲名の日本語表記だけは、中黒の入った「ソフト・アンド・ウェット」になります。
ソフト&ウェットの能力|しゃぼん玉で「何か」を奪う
能力の芯になるのは1つだけです。しゃぼん玉が物に触れて割れると、その物から「物理的な何か」が一時的になくなります。
しゃぼん玉が出るのは、ソフト&ウェット自身のほか、定助の指先と星型のアザから。星マークが付いたものと、付いていないものの2種類があります。
大きく分けると、使い方は奪う・閉じ込める・壊すの3つです。ここからは1つずつ見ていきます。
奪う・閉じ込める・壊すの3つの使い方
奪う効果では、割れたしゃぼん玉が触れた物から、音・視力・水分・摩擦などが一時的になくなります。
閉じ込める効果では、しゃぼん玉に触れた物を中に入れて浮かせて運びます。放すのは、玉が割れた場所です。
3つ目は、触れたものを壊す使い方です。高速回転で、相手を球状に削り取ることもできます。
同じしゃぼん玉でも、奪うのか・運ぶのか・壊すのかは場面ごとに変わります。引き出しが3つあると押さえておけば、読み返すときに迷いません。
しゃぼん玉の正体は高速回転する「一本のひも」
第17巻以降、豆銑礼の観察で正体が明かされます。「一本のひも」「柔らかい線」が球状に高速回転していて、その残像が球に見えていました。
ここで出てきた「回転」が、そのまま終盤のゴー・ビヨンドにつながります。
吉良吉影と空条仗世文、2人分のスタンドが混ざっている
定助は、死んだ吉良吉影と空条仗世文が融合して生まれた存在です(第14巻)。スタンドにも、2人分の能力が混ざっています。
星マークつきのしゃぼん玉と、触れたものを壊す性質は吉影のキラークイーン由来です。星マークなしのしゃぼん玉と吸い上げる力が、仗世文のソフト&ウェット由来。
仗世文が使っていたころは、もっと日常的でした。ラーメンにこぼした胡椒を吸い上げる、切れた枝を接ぎ木する、果物を分解して口へ運ぶ。どれも暮らしの中の場面です。
引き継がれなかった力もあります。吉影のシアーハートアタックは、大きさを変えられる爆弾戦車を複数台出す能力で、定助は使えません。
第8部の吉良吉影は、第4部の同名の人物とは別人です。爆破を扱う第4部のキラークイーンと見比べると、星マークが吉影の側から来た印だと分かります。
ゴー・ビヨンドとは|左肩から出る「見えないしゃぼん玉」
ゴー・ビヨンドは、ソフト&ウェットが指からしゃぼん玉を撃つときの余波です。定助の左肩から浮き出る、見えないしゃぼん玉を指します。
このしゃぼん玉は爆発的に回転していて、厄災の条理をも越えて進みます。正式な名前は「越えて行く(ゴー・ビヨンド)」です。
新しい名前が付くので別のスタンドに見えますが、入れ替わったわけではありません。ソフト&ウェットの射撃から生まれる能力として描かれます。
ゴー・ビヨンドが生まれるまで(第23〜26巻)
きっかけは、第23巻から第26巻にかけての3つの出来事です。
第23巻、定助は院長のスタンド攻撃で深い傷を負います。一時的に目を覚ました吉良ホリーの力を借り、ロカカカ(成分薬6251)を摂取して回復しました。
その代償に、顔の左目を覆う部分が岩化します。ゴー・ビヨンドが出てくるのは、この姿になってからです。
第25巻では、病室で厄災に敗れた豆銑礼が致命傷を負います。死の間際、定助のしゃぼん玉に秘められた回転の力を言い残しました。
豆銑礼が遺した「見えないヤツ」という言葉は、第26巻の内容紹介にも出てきます(集英社)。巻のサブタイトルも、そのまま「ゴー・ビヨンド」。
ゴー・ビヨンドが透龍に届くまで(第26〜27巻)
肩から出るしゃぼん玉なので、狙い撃ちはできません。定助本人の言葉も「大体」です。
決着のとき、透龍は新ロカカカの鉢植えを持って立ち去ろうとしていました。病院にいる定助とは離れた場所です。
その距離をつないだのが、康穂のスタンド、ペイズリー・パークです。スマートフォンを介して射撃を中継し、ゴー・ビヨンドが透龍に直撃します。
透龍が死んだ後も、院長(ワンダー・オブ・U)は残っていました。駆けつけた定助がゴー・ビヨンドを撃ち込み、ここで消滅します(第27巻)。
最終決戦の順番はジョジョリオンの結末にまとめています。
ソフト&ウェットができること・できないこと
「できる」が3つ、「できない」が4つです。根拠と合わせて整理しました。
| 項目 | できる・できない | 原作での根拠 |
|---|---|---|
| 音・視力・水分・摩擦などを奪う | できる | 第1巻から描かれる基本の効果 |
| 物をしゃぼん玉に閉じ込めて運ぶ | できる | 奪う・壊すと並ぶ3つの効果の1つ |
| 触れたものを壊す・球状に削り取る | できる | 吉影から受け継いだ性質 |
| 奪った状態をずっと続ける | できない | 奪えるのは一時的 |
| シアーハートアタックを出す | できない | 定助には引き継がれていない |
| ゴー・ビヨンドを狙い撃ちする | できない | 定助本人の言葉は「大体」 |
| 離れた相手に自分だけで届かせる | できない | 康穂の中継が要った(第26〜27巻) |
表で見ると、「奪う」と「壊す」が別の系統だと分かります。決着に効いたのはそのどちらでもなく、しゃぼん玉の正体である「回転」でした。
ソフト&ウェットの元ネタはプリンスの「Soft and Wet」
「Soft and Wet」は、プリンス(Prince)が1978年4月に発表した曲です。デビュー・アルバム『For You』に収録されています。
シングルとして出たのは同年6月7日、本人の20歳の誕生日でした。Billboard Hot 100では92位、R&B/ヒップホップ・シングル・チャートでは12位まで上がりました。
名前の付け方は、荒木飛呂彦本人が語っています。Billboard JAPANのインタビューでは、原点に帰った感じと、しゃぼん玉に合う言葉から考えたと述べています。
続けて触れているのが、康穂のスタンド名です。ペイズリー・パークも実在する曲名で、「プリンスで統一しました」と話しています。
姿のほうは能力からではなく、定助の格好とセットで考えられたものです。水兵の服と、救命胴衣の浮き袋がイメージされています(『JOJOVELLER』完全限定版、2013年)。
ソフト&ウェットが登場する巻と話
読み返すときの目印に、出来事ごとの巻をまとめました。
| 出来事 | 原作の巻(話) |
|---|---|
| 初登場 | 第1巻(第2〜5話) |
| 定助の正体が判明 | 第14巻 |
| しゃぼん玉の正体が語られる | 第17巻以降 |
| 成分薬6251で回復・左目が岩化 | 第23巻 |
| 豆銑礼が回転の力を言い残す | 第25巻 |
| ゴー・ビヨンドに気づく | 第26巻(第106話「ゴー・ビヨンド」) |
| ゴー・ビヨンドが透龍に命中 | 第26〜27巻 |
| 院長にとどめを刺す | 第27巻 |
前半で押さえるのは第1巻と第14巻、終盤は第23巻から第27巻までです。ゴー・ビヨンドだけを読み直したいなら、第25巻から第27巻の3冊を開いてみてください。
『ジョジョリオン』は全27巻・全110話で、2011年5月19日から2021年8月19日まで連載されました。通し巻数でいうと105〜131巻にあたります(部ごとの巻数)。
2026年9月21日時点で、公式ポータルサイトのアニメ一覧に第8部の欄はありません。
ゲーム『ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトルR』では、東方定助の声を真殿光昭が担当しています。
関連するスタンド・人物
名前が似ていて混同されやすいのが、第4部の主人公です。第4部の東方仗助は別人で、スタンドはクレイジー・ダイヤモンド。
決着の相手になったワンダー・オブ・Uは、透龍のスタンドです。厄災の力で相手を事故や不幸に巻き込む能力で、直接の攻撃はしてきません。
射程距離のDが何を意味するのか気になる人は、スタンドの基本ルールも合わせてどうぞ。

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