スパイス・ガールの能力|殴った物を柔らかくする(ジョジョ第5部)

スパイス・ガールは、『ジョジョの奇妙な冒険』第5部『黄金の風』でトリッシュ・ウナが目覚めるスタンドです。殴った物をゴムのように柔らかくする能力で、柔らかくなった物はスパイス・ガール以外には壊せません。

「柔らかくするのに、なぜ守りに使えるの?」は、最初にピンとこないところ。この記事では、目覚める第58巻から最後の登場の第63巻まで、何を柔らかくして何が起きたのかを巻と話数つきでまとめました。

この記事は第5部の終盤(第62〜63巻)まで触れます(ネタバレを含みます)。

スパイス・ガールの基本情報(何部・本体・ステータス)

スパイス・ガールの本体はトリッシュ・ウナで、登場するのは第5部『黄金の風』です。はっきり姿を見せるのは通し第58巻の第537話、アニメでは第25話になります。

ステータスや掛け声も合わせて、表で確かめてください。

項目内容
本体トリッシュ・ウナ(TVアニメの声優は千本木彩花)
登場する部第5部『黄金の風』
目覚める巻と話第58巻 第537話(アニメ第25話)
姿自我のある女性型
ステータス破壊力A・スピードA・射程距離C・持続力B・精密動作性D・成長性C
ラッシュの掛け声WAANNABEEEEE(ワァァナビィィィー)
北米版の名前Spicy Lady(スパイシー・レディ)
名前の近いグループスパイス・ガールズ(イギリス)

ステータスはAからEの5段階で、Cが「人間と同じ」にあたります。破壊力とスピードはA(超スゴイ)、精密動作性はD(ニガテ)という並びです。

この数値は、単行本第58巻の第538話のあと、話と話の間のページに載っています。第5部と第6部のスタンドは、こうした話のつなぎ目のページでステータスが紹介されています。

スパイス・ガールの能力|殴った物を柔らかくする

柔らかくするだけの能力に見えて、実は守りにも攻めにも使えるのがスパイス・ガールです。「どこまで柔らかくなるか」「なぜ壊れないか」「戻すと何が起きるか」の3点と自我を、順に見ていきましょう。

柔らかさはゴムのような弾力から、ほぼ形のない状態まで

スパイス・ガールが殴った物は、素材を選ばず、どんな物質でも同じように柔らかくなります。

度合いは、弾力のあるゴムのような状態から、ほぼ形を留めない状態まで自由に変えられます。機内の戦いでは、座席・扉・時計・操縦室の壁が柔らかくされました(第58巻)。

柔らかくした物はスパイス・ガール以外に壊せない

柔らかい物はもろい、と思っているとここで引っかかりますよね。スパイス・ガール自身は「柔らかいという事はダイヤモンドよりも壊れない」と言っています(第58巻第538話)。

その言葉どおり、柔らかくなった物はほかの者には切ることも壊すこともできません。原作の場面で確かめると、イメージがつかみやすくなります。

トリッシュがつまずいた座席は、すでに柔らかくなっていました(第58巻第538話)。ノトーリアス・B・I・Gは座席越しに襲いかかりますが、壊せずに弾力ではね飛ばされ、自分を傷つけています。

追い詰められたトリッシュを救ったのは、スパイス・ガールが柔らかくした時計でした(第538話)。針が動き続ける時計に、動く物を狙うノトーリアスが食いつきます。

時計は壊れないおとりになり、そのすきにスパイス・ガールはノトーリアスに金属の棒を突き刺しました。柔らかくした物は「壊れない盾」にも「壊れないおとり」にもなる、と覚えておくと機内の戦いが追いやすくなります。

元に戻すと、止めた勢いもよみがえる

柔らかさは、スパイス・ガールが触れるのをやめても続きます。元に戻すのも、好きなときにできます(第58巻第538話)。

この性質が決め手になるのは、ローマでの最終盤です(第63巻第583話)。キング・クリムゾンがそらしたはずの弾丸は、柔らかくなってその手にくっついていました。

スパイス・ガールが柔らかさを解くと、弾丸は勢いを取り戻してキング・クリムゾンの手を撃ち抜きます。柔らかくして止めた物は、戻した瞬間にもう一度攻撃へ変わるわけです。

自我があり、トリッシュに話しかける

ふだんは敬語で話すのに、戦いになると口が悪くなるのがスパイス・ガール。トリッシュとは、対等な友だちのような間柄です。

はっきり姿を見せた場面では、トリッシュが小さいころからずっとそばにいた、と語っています(第58巻第537話)。この話の『週刊少年ジャンプ』掲載時の題は「イツモ アナタノ ソバニ…」でした。

トリッシュには、生まれつきスタンドの才能がありました。それでも現れなかったのは、精神的に未熟だったためです。刺客との戦いを通して成長し、ようやく姿を見せました。

スパイス・ガールにできること・できないこと(弱点)

できることが多い一方で、相手を止めきれなかった場面も原作に3つあります。それぞれの場面を、話数と一緒に表にまとめました。

項目できる・できない根拠(巻・話)
どんな物でも柔らかくするできる第58巻 第538話(座席・扉・時計)
柔らかくした物をほかの者に壊させないできる第58巻 第538話(座席・時計)
柔らかくした扉でノトーリアスを締め出すできない(扉は壊れないが、すき間から入られた)第58巻 第538話
突き刺したノトーリアス・B・I・Gを倒しきるできない(残りが機体の後ろに広がった)第58巻 第539話
機体を殴って壊すできる(操縦室を切り離す)第58巻 第539話
飛んでくる弾丸を柔らかくするできる第62巻 第575話
魂がミスタの体に入っても使うできる第62巻 第575話
柔らかくした物を戻して勢いを返すできる第63巻 第583話
同じ体に潜むキング・クリムゾンを振りほどくできない(押さえこまれ、腹を殴られる)第62巻 第581〜582話/第63巻 第583話

「できない」の3行は、どれも柔らかくした物が壊された場面ではありません。ノトーリアスは扉を壊さないまま、すき間からトリッシュのいる側へ入りこみました。

キング・クリムゾンのほうは、同じ体の内側からスパイス・ガールそのものを押さえこんでいます。

弱点を知りたいなら、見るべきは「壊されるかどうか」ではなく「相手を止めきれるかどうか」です。

スパイス・ガールはいつ目覚めた?第53巻の爪あとと第58巻の機内

スパイス・ガールがはっきり目覚めるのは第58巻、サルディニア島へ向かう飛行機の中です。その前ぶれは、第53巻に描かれています。

第53巻第499話では、トリッシュの手もとに鋭い爪の手形が残り、スタンドの姿も一瞬だけ映ります。このときの姿は、第58巻のものとは違っていました。

前ぶれと目覚めが5巻も離れているので、「いつ目覚めたの?」は追いにくいところです。第58巻で目覚めるときにも、ひじかけに同じような爪の手形が残ります(第537話)。この爪の手形を目印にすると、2つの場面がつながります。

目覚めのきっかけは、機内でのノトーリアス・B・I・Gの襲撃です(アニメ第25話)。両腕を失ったジョルノは、ブローチに生命を与えて左手を創っていました。

トリッシュはその左手を守ると決め、ブローチへ向かいます。動きを感知されて追い詰められたそのとき、スパイス・ガールが現れました。

機内の戦いを、話ごとに整理しました。4話とも第58巻に入っています。

場面スパイス・ガールがしたこと原作の話
ブーツが脱げて助かり、ひじかけに爪あと姿を見せ、トリッシュに指示を求める第537話
ジョルノの左手を取りに行き、追われる座席・扉・時計を柔らかくし、金属の棒を突き刺す。名を名乗る第538話
残ったノトーリアスが機体の後ろに広がる操縦室の壁を柔らかくし、機体を殴って操縦室を切り離す第539話
アバッキオの髪にかけらが残るブチャラティが腕に移したかけらを、腕ごと切り離す第540話

第539〜540話の題は、そのまま「スパイス・ガール その①」「その②」です。アニメでも、スパイス・ガールが発現する第25話の題は同じ「スパイス・ガール」です。

題に「スパイス・ガール」とある回を開けば、原作でもアニメでも機内の戦いにたどり着けます。

ジョルノが左手を創った力は、ゴールド・エクスペリエンスの記事で詳しく扱っています。

スパイス・ガールという名前とデザイン

名前はイギリスのグループとラッシュの掛け声に、デザインは作者のコメントに手がかりがあります。

名前の近いグループ・掛け声・北米版の名前

1994年に結成されたイギリスのグループに、スパイス・ガールズ(Spice Girls)があります。

このグループのデビュー曲は、1996年7月8日にイギリスで出た「ワナビー」(Wannabe)です。スパイス・ガールがラッシュで叫ぶのも、この「ワナビー」と同じ言葉。

第4部以降は、洋楽のアーティスト名・曲名・アルバム名から取られたスタンド名が多いのも特徴です。第5部のほかのスタンドについては、スタンドと同じ名前の曲・バンドの一覧で確かめられます。

北米版では、スタンド名が「Spicy Lady」(スパイシー・レディ)に変わっています。英語版で名前が変わるほかのスタンドは、スタンドの英語名一覧にまとめました。

デザインは猫と四則演算(作者のコメント)

デザインについては、荒木飛呂彦のコメントが残っています。『JOJOVELLER完全限定版 STANDS』(2013年)で、猫と四則演算を取り入れたと述べています。

四則演算を表すのは、体に入った記号です。プラスの記号は肩に2つ、ひじに2つ、額に1つ。眉間には割る、頭のてっぺんにはかけるの記号があります。

体の模様は、父ディアボロのスタンドであるキング・クリムゾンと似ています。親子のスタンドを見比べるなら、この模様が手がかりです。

スパイス・ガールが登場する巻と話数

スパイス・ガールが原作で出てくるのは、前ぶれの第53巻、目覚める第58巻、最終決戦の第62〜63巻です。巻はどれも、第1部から数えた通し巻数です。

出来事原作の巻・話アニメの話
爪あとと一瞬の姿(前ぶれ)第53巻 第499話—
ノトーリアス・B・I・G戦で目覚める第58巻 第537〜540話第25話
ミスタの体に入ったトリッシュが弾丸を柔らかくする第62巻 第575話第35話
同じ体に潜むディアボロに押さえこまれる第62巻 第581〜582話第36話
弾丸を戻してキング・クリムゾンの手を撃ち抜く第63巻 第583話第36話
レクイエムが壊れ、魂が元の体に戻る(最後の登場)第63巻 第584話第37話

アニメの話が「—」なのは、第499話の行だけです。前ぶれの場面は、アニメ公式サイトのあらすじに出てきません。

第62〜63巻のスパイス・ガールは、ミスタの姿をした体から出てきます。中身がトリッシュの魂だと分かっていれば、場面を追いやすくなります。

目覚めの場面なら第58巻、ローマでの攻防なら第62〜63巻を開いてみてください。魂の入れ替わりをミスタの側から見た流れは、グイード・ミスタの記事にあります。

関連するスタンド・人物

スパイス・ガールと一緒に押さえておきたいのは、本体のトリッシュ、最初の相手、父のスタンド、ミスタの弾丸の4つです。

トリッシュ・ウナ(本体)

トリッシュは、ギャング組織パッショーネのボスの実の娘で、15歳です(公式ポータルサイトの人物紹介)。組織の裏切り者から狙われ、ボスの命令でブチャラティのチームに護衛されます。

ノトーリアス・B・I・G(最初に戦った相手)

空港でミスタに撃たれた男・カルネのスタンドです。本体が死んで初めて動き出し、「動き」に反応して次々に襲いかかります(アニメ第25話の公式あらすじ)。

戦いは第57〜58巻、アニメでは第24〜25話にまたがります。目覚める前の場面から追うなら、原作は第57巻、アニメは第24話から入ると流れがつながります。

キング・クリムゾン(父ディアボロのスタンド)

最終決戦では、ディアボロの魂がトリッシュの魂とともにミスタの体に隠れていました(第62巻第581〜582話)。父と娘のスタンドが、ひとつの体の中でぶつかったわけです。

時を飛ばす能力と未来を予知するエピタフは、キング・クリムゾンの記事で詳しく追えます。

セックス・ピストルズ(ミスタの弾丸)

第62巻第575話でスパイス・ガールが柔らかくしたのは、セックス・ピストルズの弾丸です。一時的に暴走したNo.1が、弾丸をミスタのほうへはね返していました。

参考

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