スタンド(幽波紋)とは|基本ルール8つ・射程・本体へのダメージ

スタンド(幽波紋)とは、持ち主のそばに現れて能力を出す「パワーを持った像(ヴィジョン)」のことです。第3部『スターダストクルセイダース』から登場し、原則として1人につき1体、スタンド使いにしか見えません。

やっかいなのは、この「原則」にいくつも例外があること。群体型や自動操縦型が出てくるたびに、ルールが崩れたように見えて戸惑いやすいところです。

この記事では、8つの基本ルールとそれぞれの例外を、根拠の巻数つきでまとめました。

第3部から第8部までのスタンドの設定と仕組みに触れますが、各部の勝敗や結末のネタバレはありません。

スタンド(幽波紋)とは|読み方・初登場・名前の由来

スタンドは、1体ごとに固有の能力を持つ「パワーを持った像(ヴィジョン)」です。持ち主は作中で「本体」と呼ばれます。

荒木飛呂彦は、超能力に裏づけと説得力が欲しかったと述べています。画集『JoJo6251[荒木飛呂彦の世界]』(1993年)166ページでの発言です。

念じるだけで物が割れるのではなく、見えない何かが出てきて物を割る。超能力そのものに姿を持たせたものがスタンドだ、という説明です。

「幽波紋」の読み方は「スタンド」

「幽波紋」と書いて「スタンド」と読みます。漢字そのものに別の読みがあるわけではなく、当て字です。

TVアニメ第3部の公式サイトでも、第2話のあらすじに「幽波紋(スタンド)」の表記が出てきます。

字に「波紋」が入っているので、第1部・第2部の波紋と同じ力だと勘違いしやすいところ。ただし、この2つは別の力です。

波紋は呼吸法で生み出すエネルギーで、スタンドの発現とは仕組みが別です。第7部第10巻では、波紋や鉄球の技はスタンドという才能に近づくための技術だと説明されます。

波紋との違いや、どの話からスタンドが出てくるかはジョジョはどこから見るかの記事にまとめています。

スタンドが出てくるのは第3部から

原作でスタンドが初めて出てくるのは、第12巻の最後に入っている第3部の第1話です。

TVアニメなら、第3部第1話(通しで第27話)が最初です。第1部・第2部を飛ばしてスタンドから読みたい人は、第12巻から読み始めることになります。

名前の由来と「誰が名付けたのか」

「スタンド」という呼び名を誰がいつ付けたのかは、原作では明かされていません。作中には、由来にあたる説明が3つ出てきます。

第3部でジョセフは、「傍に立つ(Stand by me)」ことから名付けたと説明します。DIOが「スタンドと名付けた」と語る場面もあります(第14巻76ページ)。

第7部では、マウンテン・ティムが「立ち向かう(stand up to)」ためのものだと説明します。ティム以外の人物も、この呼び名を使います。

第6部までの世界に限ると、名付け親をひとりに決める描写はありません。

スタンド名の元ネタ|タロットカードと洋楽

第3部のスタンド名は、タロットカードの大アルカナが元ネタです。エジプト上陸後に差し向けられる刺客のうち9体は、エジプト9栄神のカードが元になっています。アヌビス神やバステト女神がその例です。

第4部以降は、洋楽のアーティスト名・曲名・アルバム名から取られることが多くなります。元ネタを調べるなら、第3部かそれ以降かを先に見分けてください。

スタンドの基本ルール8つ|原則と主な例外

全部のスタンドに共通する原則は8つです。まずは表で全体をつかんでください。

ルール(原則)中身主な例外
1人につき1体別々のスタンドを同時に複数は持たないスタンドDISCの挿入、アヌビス神などの押し付け、DIO(頭と身体が別人)
固有の能力を持つ本体の性格・願望・才能が能力の形になる本体の制約も反映される。グーグー・ドールズは本体自身を小さくできない
スタンド使いにしか見えない一般人の目には映らない物質と同化した型(ストレングス、ホウィール・オブ・フォーチュン)は誰にでも見える
触れるのはスタンドだけスタンドはスタンドでしか倒せない物質と同化した型。本体を直接狙う攻め方は通る
本体の意思で動く反映の度合いは個体差が大きい自動操縦型は大まかな命令だけ。空条ホリィのスタンドのような暴走
傷つけば本体も傷つく主に同じ部位に返る。本体が死ねばスタンドも消える群体型・自動操縦型・物理攻撃が効かない型。本体の死後も残るアヌビス神など
射程距離がある射程の長さとパワーは原則反比例自動操縦型は長射程でも力が落ちない
成長する精神の成長・矢・訓練で新しい能力に目覚める前の能力を失う例(ホワイトスネイクからC-MOON、メイド・イン・ヘブンへ)

原則を丸暗記するより、例外がどこに出るかを先に知っておくほうが、読んでいて混乱しません。

複数のヴィジョンをまとめて1体と数える群体型が増えるのは、第4部以降です。バッド・カンパニー、ハーヴェスト、セックス・ピストルズが当てはまります。

本体とスタンドのダメージ|返る場合と返らない場合

原則は、スタンドが受けた傷が本体の同じ部位に返ることです。本体が死ねばスタンドも消え、本体が意識を失えばスタンドを出せなくなります。

この原則には個別の例外がいくつもあります。返らない主な型は、群体型・自動操縦型・物理攻撃が効かない型の3つです。

群体型は、ダメージが頭数に分散します。約500体のハーヴェストは、1体壊されても本体に傷が及びません。

全6体のセックス・ピストルズなら、1体がやられても返るダメージは6分の1です。ミスタが重傷で気を失っても、ピストルズは無傷のまま動けました。

「スタンドを倒したのに本体が平気」という場面に出会ったら、頭数の多い群体型を疑ってみてください。

ザ・フールのように物理攻撃を受け付けない型には、このルールが当てはまらないことが多いです。シルバーチャリオッツの甲冑も防具として働くので、壊しただけでは本体にもスタンドにも傷が入りません。

本体が死んだあとも残るスタンドもあります。アヌビス神、ノトーリアス・B・I・G、ミラグロマンなどです。

自動操縦型のスタンドとは|本体にダメージが返らない型

自動操縦型は、本体が操らない(操れない)スタンドです。ほぼ無限に近い長射程を持ち、本体から離れても力が落ちません。

スタンドを倒しても本体は無傷なので、先に本体を見つけ出すしかありません。

弱みもあります。決まった規則や条件に沿ってしか動けず、攻撃が大雑把で無差別になります。

本体の側も状況が分からないので、途中で呼び戻せません。

例外はシアーハートアタックです。キラークイーンの一部なので、受けたダメージが本体の吉良吉影に返ります。

本体がすでにいないアヌビス神、スーパーフライ、ノトーリアス・B・I・Gは、自動操縦型とは分けて扱われます。

スタンドの射程距離|パワーと反比例する

射程距離の長さとパワーの強さは、原則として反比例します。遠くまで届くスタンドほど力が弱く、近くでしか戦えないスタンドほど力が強い、という関係です。

射程のめやすと、よく使われる呼び名の対応です。

射程のめやすよく使われる呼び名
約2メートル近距離パワー型スタープラチナ、ザ・ワールド
20メートル前後遠隔操作型ハイエロファントグリーン
50メートル以上かなり長い部類エコーズACT1(射程B)

数百キロメートルや「無限」と設定されたスタンドもあります。自動操縦型がその代表です。

同じスタンドでも、段階が変われば射程が変わります。エコーズはACT1が50メートル以上(射程B)、ACT3は5メートル(射程C)です。

注意したいのが、射程に2種類あることです。ヴィジョンが動ける範囲と、能力が効く範囲の2つが、同じ「射程距離」の欄に入っています。

公式のパラメータでも基準がそろっていないので、数字が近くても届く範囲の意味は同じではありません。

効果が時間そのものに及ぶスタンドもあります。時を消す・止める・戻すの違いはキング・クリムゾンの解説記事にまとめました。

スタンドで治せないもの・できないこと

「治す」能力にも、はっきりした限界があります。第4部の東方仗助が使うクレイジー・ダイヤモンドが分かりやすい例です。

できること・できないことを一覧にしました。

対象・場面可否補足
壊れた物・負傷した生物・スタンドできる手で触れて元の形に戻す
致命傷できる絶命しておらず、形の修復で解決する場合
砕けた物できるひとかけら残っていれば全体を戻せる
仗助自身の傷できない他人の傷や物は治せる
絶命した生物の蘇生できない遺体の損傷そのものは修復できる
内科的な病気できない流れ出た血液を体に戻すのも不可
完全に消えた部位できないザ・ハンドで削り取られた物も戻せない

「治せる」といっても、形の修復で解決する範囲に限られます。仗助が自分を治せない理由は、原作では明かされていません。

公式ファンブック『JOJOVELLER』(2013年)でのステータスは、破壊力A・射程距離Dです。手で触れて直す能力なので、遠くの壊れた物には届きません。

スタンドが発現する5つの条件|矢・隕石・DISC・土地

スタンドが発現する道筋は、原作の描写では5通りです。発現の仕方と、初めて出てきた部を表にまとめました。

発現の仕方中身初めて出てきた部
生まれつき・才能や技術がスタンド化修行や技術の極みが能力になる第3部
血縁者などの影響近しい人にスタンド使いがいると連鎖する第3部
スタンドの矢・隕石の加工物で傷つけられる死のリスクを伴う第4部
スタンドDISCを頭部に挿入される合わなければ弾き出される第6部
「悪魔の手のひら」「壁の目」など土地のエネルギー隕石の落下跡とされる場所第7部

部が進むごとに、スタンドを得る手段が増えていきます。第3部の2通りだけで考えていると、第6部のDISCや第7部の土地の話が唐突に見えます。

スタンドの正体を隕石に求める説明が出てくるのは、第5部のポルナレフのセリフです。隕石に触れた者の大半が怪死し、一部がスタンドに似た能力を発現した、という話です。

矢じりはその隕石と同じ岩石成分で作られている、とも語られます。そのうえでポルナレフは、隕石の中の未知のウイルスと共生できた者が能力を得る、という仮説を述べます。

仮説なので、「スタンドの正体は隕石」と断定できる描写は原作にありません。

穏やかすぎる性格の人がスタンドを得ると、エネルギーが本人への害になります。第3部の空条ホリィと、幼少期の東方仗助が高熱で倒れたのがその例です。

技術を極めて後天的にスタンドを得た人物もいます。第6部のケンゾーは、東洋風水の使い手です。

第7部のジャイロ・ツェペリが投げる鉄球は技術であって、スタンドではありません。

その回転が行き着いたボール・ブレイカーも、原作ではスタンドと説明されません。ファンブック『JOJOVELLER』(2013年)では、スタンド能力として扱われています。

「近距離パワー型」は公式の分類なのか

「近距離パワー型」「遠隔操作型」といった呼び名は、すべてが作中で使われているわけではありません。公式のファンブックには、これとは別の分類記号があります。

呼び名の出どころは、大きく3つに分かれます。

出どころ分け方
『JOJO A-GO!GO!』(2000年)射程で近距離(A)・遠距離(B)・特殊な遠距離(B’)、属性で戦闘(a)・非戦闘(b)シアーハートアタックは「B’・a型」、キング・クリムゾンは「A・ab型」
『JOJOVELLER』(2013年)近接タイプ・遠隔タイプ・現象タイプ、生物タイプ・非生物タイプ・その他記号ではなくタイプ名で示す
作中やファンの間の呼び名近距離パワー型・遠隔操作型・遠隔自動操縦型・群体型・独り歩き型すべてが作中の言い方ではない

どの呼び方も間違いではありませんが、出どころが違います。公式の記号を確かめたいならファンブック、会話で早く通じるのはファンの間の呼び名です。

スタンドの強さを測る6つのステータス

公式のスタンドパラメータは、破壊力・スピード・射程距離・持続力・精密動作性・成長性の6項目です。

評価はA(超スゴイ)からE(超ニガテ)までの5段階です。例外として「なし」があり、スピード・射程距離・持続力には「∞」、成長性には「完成」が使われます。

パラメータ表が単行本に載るのは第5部からです。第3部・第4部の値は、2000年の公式ファンブックでさかのぼって設定されました。

第7部・第8部は単行本での記載がなくなり、『JOJOVELLER』(2013年)に載っています。TVアニメでは、第3部から第6部までのアイキャッチで表示されます。

破壊力Aは、第3部ではスタープラチナとザ・ワールドの2体だけです。第4部でクレイジー・ダイヤモンド、キラークイーン、レッド・ホット・チリ・ペッパーの3体に増えます。

同じスタンドでも部によって値が変わります。スタープラチナの成長性は、第3部でA、第6部ではE(完成)です。

パラメータを比べるときは、同じ部の数字どうしで見てください。

よくある疑問

基本ルールと合わせてよく聞かれる4つの疑問に答えます。

スタンドが傷ついても本体が平気なのはなぜか

群体型・自動操縦型・物理攻撃が効かない型のどれかにあたるからです。

基本ルールの6番目「傷つけば本体も傷つく」は、例外がいくつもある項目です。ダメージが分散する仕組みや、本体が死んでも残るスタンドは、「本体とスタンドのダメージ」の節にまとめました。

スタンド使い同士はなぜ出会うのか

スタンド使い同士は引かれ合う、と作中では説明されています。

そのうえで、スタンド使いは基本的に能力を秘密にします。第3部のデーボは、スタンドを見せるのは「相手か自分が死ぬとき」だと語ります(第15巻)。

ラバーソールも「それはたとえ味方でも同じこと」と続けます(第15巻)。第7部のリンゴォ・ロードアゲインのように、自分から明かす人物もいます。

1人で2つのスタンドを持つことはあるのか

原則としてありません。例外は、スタンドDISCを挿し込まれた場合と、アヌビス神やチープ・トリックのように外から押し付けられた場合です。

DIOは頭と身体が別人なので、2体のスタンドを持ちます。頭のDIOがザ・ワールド、身体のジョナサン・ジョースターがハーミットパープル(仮の名)です。

第6部のフー・ファイターズでは、「1人1能力」とより厳密に説明されます。

スタンドは訓練で強くなるのか

強くなります。伸びしろはパラメータの「成長性」で表されます。

シルバーチャリオッツは、訓練でスピード・射程距離・精密動作性を伸ばしました。精神の成長で新しい能力に目覚める例もあり、第3部のスタープラチナの時間停止がそれにあたります。

矢に射抜かれてレクイエムになる道もあります。段階ごとに能力が増える例なら、タスクのACT1〜ACT4が分かりやすいです。

根拠になる原作の描写と公式資料

ここまでの答えの根拠になる描写と資料です。

描写・記載出典それが示すこと
あらすじの「幽波紋(スタンド)」表記TVアニメ第3部 公式サイト 第2話読み方は「スタンド」
超能力に裏づけと説得力が欲しかったという発言画集『JoJo6251[荒木飛呂彦の世界]』1993年166ページ作者自身の言葉によるスタンドの説明
スタンドの初登場原作第12巻/アニメ第3部第1話第3部からスタンドの物語になる
DIOが「スタンドと名付けた」と語る原作第14巻76ページ名付けの経緯は1つに定まらない
デーボ「相手か自分が死ぬとき」原作第15巻スタンド使いは能力を隠す
波紋や鉄球の技は才能に近づくための技術第7部第10巻波紋とスタンドは別の力
パラメータ6項目とA〜Eの5段階単行本第5部以降/『JOJO A-GO!GO!』2000年強さをそろえて見るための公式のめやす
近接・遠隔・現象タイプの分類『JOJOVELLER』2013年公式の分類とファンの呼び名は別物

同じ話題でも、原作の描写と公式資料のどちらに載っているかで、確かめる先が変わります。

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参考

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