パープル・ヘイズの能力|恥知らずのパープルヘイズでの進化と登場巻

パープル・ヘイズは、第5部『黄金の風』に登場するパンナコッタ・フーゴのスタンドです。両拳のカプセルから殺人ウイルスをばらまく能力で、感染した生き物はおよそ30秒で死にます。しかもウイルスは、敵も味方も、本体のフーゴさえも区別しません。

原作でこの能力が使われるのは、第51〜52巻のイルーゾォ戦の1回だけ。進化形の「パープル・ヘイズ・ディストーション」は、小説『恥知らずのパープルヘイズ』(2011年)に出てきます。

小説は上遠野浩平が書いた第5部の後日談で、漫画とは設定が違うところがあります。混ざりやすいので、この記事では分けて整理しました。

この記事は第5部と小説『恥知らずのパープルヘイズ』の結末に触れます(ネタバレを含みます)。

パープル・ヘイズの基本情報

まずは本体とステータス、初登場の巻から。

項目内容
本体パンナコッタ・フーゴ(ブチャラティのチーム)
登場する部第5部『黄金の風』(単行本第47〜63巻)
初登場(原作)単行本第51巻
能力が描かれる回(アニメ)第5部第12〜13話(第13話の題は「マン・イン・ザ・ミラーとパープル・ヘイズ」)
能力の種類近距離パワー型
ステータス破壊力A・スピードB・射程距離C・持続力E・精密動作性E・成長性B
英語表記Purple Haze(北米版は Purple Smoke)
同じ名前の曲ジミ・ヘンドリックス「パープル・ヘイズ(紫のけむり)」(1967年)
声(TVアニメ)榎木淳弥(フーゴ役と同じ)

小説では、ステータスのうち射程距離と精密動作性の評価が入れ替わります。

第5部のほかのキャストはジョジョの声優一覧にまとめました。

パープル・ヘイズの能力は殺人ウイルス

カプセルが割れてから何が起きるのか、弱点や本体への影響も含めて順番に見ていきましょう。

拳のカプセルからウイルスをばらまく

両拳にはカプセルが3つずつ、計6つ付いています。殴って割れると中の殺人ウイルスが広がり、感染した生き物はおよそ30秒で全身が腐って死んでしまいます(第51巻)。

カプセルは拳から外れて飛ぶこともあります。イルーゾォ戦では腕を止められても、カプセルだけが飛び出しました。

壁に当たって割れたそのカプセルのウイルスが、戦いの決着をつけています(第52巻)。殴れる距離の外でも、カプセルさえ届けばウイルスは広がります。

ウイルスは光に弱い

夜でも、ライトくらいの明るさを数十秒当てればウイルスは殺菌されます(第51巻)。

暗い場所ほどウイルスが長く生き残る、と覚えておくと戦いの場面が追いやすくなります。

本体のフーゴも味方も感染する

フーゴ自身も感染すれば死に、能力を解除しても止められません。この設定が示されたのは、原作の本編ではありません。

出どころは『週刊少年ジャンプ』1998年9号のコラム「気分はJOJO 最終回SPECIAL!!〜5部Q&A〜」です。

イルーゾォ戦のジョルノは、わざとウイルスに感染したまま鏡の中へ入りました(第52巻)。鏡の中にいたイルーゾォも、それで感染しています。

小説『恥知らずのパープルヘイズ』には、フーゴが自分も感染するかを試す場面があります。ブチャラティが立ち会い、感染した部分をスティッキィ・フィンガーズで切り離しました。

スタンド自身に凶暴な自我がある

知性は低く凶暴ですが、体についた自分のよだれを拭き取るきれい好きな一面もあります(第51巻)。

姿はローマの甲冑を着た人型です(『JOJOVELLER』完全限定版の荒木飛呂彦のコメント、2013年)。顔は半透明のバイザーで覆われ、口は糸で縫われています。

アバッキオは、このスタンドをフーゴの性格を象徴するようなものだと評しました(第51巻)。

できること・できないこと

ウイルスで倒すことはできても、誰に感染させるかは選べません。根拠の巻と一緒に表にしました。

項目できる・できない根拠
殴ってカプセルを割り、ウイルスを広げるできる第51巻
カプセルだけを飛ばして割るできる第52巻
感染した相手をおよそ30秒で倒すできる第51巻
敵だけを選んで感染させるできない(味方も本体も感染)第51〜52巻/ジャンプ1998年9号
感染したあとで能力を解除して止めるできないジャンプ1998年9号
明るい場所でウイルスを長く保つできない(光で殺菌)第51巻
遠くまで届かせるできない第51巻(射程5メートル)/ステータス(射程距離C)

注意したいのは、味方がそばにいれば巻き込むことと、明るい場所ではウイルスが長く持たないことの2つです。

射程の5メートルは、原作でアバッキオが説明している数字。小説では、そこから半径1メートルほどが危険な範囲と書かれています。

パープル・ヘイズが原作で1回しか戦わない理由

フーゴ本人にも完全には制御しきれないスタンドなので、イルーゾォ戦(第51〜52巻)のあとは使われません。

そのうえフーゴは、第56巻でチームを離れます。ボスへの反逆を決めたブチャラティについて行かず、理想だけでは生き抜けないとして、ひとり組織に残りました。

作者の荒木飛呂彦は、文庫版第39巻でこの退場に触れています。初期構想では、ミスタ・ナランチャ・フーゴ・アバッキオの誰かがチームを裏切る予定でした。

この案はカットされ、フーゴの途中退場はその名残だと明かしています。文庫版で語られているのは裏切りの構想で、パープル・ヘイズの強さの話ではありません。

第5部で誰が生き残ったかはジョジョ死亡キャラ一覧と生き残りで確かめられます。

パープル・ヘイズ・ディストーション|小説での進化

ここから先は、小説『恥知らずのパープルヘイズ』の結末に触れます。

ディストーションは小説で進化した姿で、荒木飛呂彦の漫画には出てきません。

きっかけは、麻薬チームのマッシモ・ヴォルペとの戦いです。フーゴは口に忍ばせたカプセルを噛み砕き、吐いた血をマッシモに浴びせて倒しました。

この戦いを経て進化したスタンドは、原作の姿と5つの項目が違います。

項目パープル・ヘイズ(原作)ディストーション(小説)
射程距離CE
精密動作性EC
成長性B?
感染から死までおよそ30秒ほとんど一瞬
ウイルスの性質敵も味方も区別しない凶暴化し、ほかのウイルスを食い殺す

破壊力A・スピードB・持続力Eは、原作と同じです。

凶暴化したウイルスは共食いするので、全力でまくほど相手への殺傷力がなくなります。反対に、手加減するほど確実に相手を倒せるようになりました。

この逆さまの性質で、フーゴは攻撃力を自分の意志で変えられるようになります。

任務のあと、フーゴはジョルノから命令の本当の目的を明かされます。フーゴの死後にパープル・ヘイズが一人歩きして暴走しないよう、精神の成長を促して制御させることでした。

ゲーム『ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル』では、フーゴのスタンドにディストーションモードがあります。

恥知らずのパープルヘイズとは|作者・出版社・いつの話か

『恥知らずのパープルヘイズ ―ジョジョの奇妙な冒険より―』は、上遠野浩平が書いた第5部の後日談の小説です。原作は荒木飛呂彦で、2011年9月16日に集英社から発売されました。

荒木飛呂彦の執筆30周年と連載25周年を記念した企画「VS JOJO」の第1弾です。

舞台は西暦2001年、パッショーネの抗争から半年後のイタリアで、主にシチリアが出てきます。17歳のフーゴは副長のミスタに呼び出され、麻薬チームの始末を命じられます。

追跡の仲間は、ボス親衛隊のシーラEと、情報チームのカンノーロ・ムーロロ。任務を終えたフーゴは、ボスとなったジョルノに忠誠を誓います。

作中のジョルノの姿は、ジョルノ・ジョバァーナの記事でも触れています。

紙の本の版は、2011年のハードカバーから数えて3つです。

版発売日定価・ページ数
ハードカバー(四六判)2011年9月16日—
新書(JUMP j BOOKS)2014年3月19日本体780円+税・328ページ
文庫(集英社文庫)2017年6月22日880円(税込)・362ページ

新書版からは、書き下ろし短編『トリッシュ、花を手向ける』が加わりました。今から紙で読むなら、2026年9月30日時点でいちばん新しいのは2017年の文庫です。

電子版は、集英社の書誌によると2017年8月4日に発売されました。

「文庫」と付いていても、漫画の文庫版とは別のシリーズです。漫画の版ごとの巻数は単行本・文庫・カラー版の巻数対応表で確かめられます。

2026年9月30日時点で、公式ポータルサイトのアニメ一覧にこの小説は入っていません。TVアニメ『黄金の風』でもフーゴの過去は描かれますが、小説とは中身が違います。

フーゴが中心の小説は2冊

『恥知らずのパープルヘイズ』より前の2001年にも、フーゴが大きく扱われる小説が出ています。

題著者・刊行フーゴの扱い
『ジョジョの奇妙な冒険 2 ゴールデンハート/ゴールデンリング』大塚ギチ・宮昌太朗(2001年)チームの離反直後に現れる刺客のひとり
『恥知らずのパープルヘイズ』上遠野浩平(2011年)抗争から半年後の主人公

2冊は互いに影響し合わず、中身も違います。『ゴールデンハート/ゴールデンリング』では、ウイルスが本体のフーゴに影響しない設定です。

本体も感染するというジャンプのコラムの設定とは逆なので、続けて読むなら混ぜないように気をつけてください。

「パープルヘイズ・フィードバック」は同じ小説

「パープルヘイズ・フィードバック」という題を見かけたら、それも『恥知らずのパープルヘイズ』のことです。英語の題が Purple Haze Feedback なので、別の続編と勘違いしやすいところ。

パープル・ヘイズと同じ名前の曲

スタンド名と同じ「パープル・ヘイズ(紫のけむり)」という曲があります。英語の題は Purple Haze で、ジミ・ヘンドリックス(Jimi Hendrix)の2枚目のシングルです。

イギリスでは1967年3月17日、アメリカでは6月19日に発売されました。

第4部以降のスタンド名は、洋楽のアーティスト名・曲名・アルバム名から採られたものが多くあります。

北米版の名前は Purple Smoke(パープル・スモーク)なので、海外の資料で見かけたらこのスタンドのことです。

登場する巻と話数

パープル・ヘイズの出番と、その前後の出来事を表にしました。

出来事原作の巻アニメ(第5部)の話
ポンペイで、鏡の中の人影に気づく第51巻第12話
パープル・ヘイズが現れ、イルーゾォと戦う第51〜52巻第12〜13話
フーゴが反逆に加わらず、チームを離れる第56巻第21話
ディストーションに進化する小説(2011年)なし

能力をひととおり見たいなら、アニメは第12〜13話、原作は第51〜52巻で足ります。

関連するスタンド・人物

かかわりの深い5人と、そのスタンドを表にしました。

人物(スタンド)かかわり
パンナコッタ・フーゴ本体。チームのブレーン
イルーゾォ(マン・イン・ザ・ミラー)原作でただ1度の対戦相手
ジョルノ・ジョバァーナ(ゴールド・エクスペリエンス)ウイルスを鏡の中へ運ぶ/小説で任務の目的を明かす
グイード・ミスタ(セックス・ピストルズ)小説でフーゴを呼び出す副長
ブローノ・ブチャラティ(スティッキィ・フィンガーズ)小説で感染した部分を切り離す

ジョルノの能力は、ゴールド・エクスペリエンスの能力と登場巻で確かめられます。

参考

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