ロカカカ・新ロカカカ・壁の目の違いは代償の行き先|岩人間との関係

ロカカカ・新ロカカカ・壁の目は、どれも『ジョジョリオン』に出てくる「等価交換」の仕組みです。違うのは、代償の行き先です。

ロカカカは食べた本人の体のどこかが岩になり、新ロカカカは触れた相手が代償を引き受けます。壁の目の土地では、一緒に埋めたもの同士が混ざり合います。

同じ言葉が別々の仕組みに使われるので、「定助が生まれたのはどれのせい?」と迷いやすいところ。この記事では、3つの違いと定助が生まれる順番、ロカカカを扱った岩人間のことまで、巻数つきでまとめました。

最終巻の第27巻までの展開に触れるので、ネタバレを避けたい人は注意してください。

ロカカカ・新ロカカカ・壁の目の等価交換の違い

作中で等価交換を起こすのは、ロカカカ・新ロカカカ・壁の目の土地と、第7部から来た聖なる遺体の4つです。代償を払うのが誰かで並べると、違いがはっきりします。

種類代償を払うのは原作の主な例
ロカカカ食べた本人。体のどこかが岩になって砕ける岩切厚徳の右肩が治り、歯と下顎が崩れる(第12巻)
新ロカカカ食べた人が触れた相手仗世文の肉体と引き換えに吉影の傷が癒える(第13巻)
壁の目の土地一緒に埋めた2つのもの。互いに混ざるレモンとみかんの実の小袋が入れ替わる(第4巻)
聖なる遺体世界のどこかの誰か。相手は選べない理那の病が息子ジョージへ移る(第5巻)

自分の体で払うか、他人に払わせるか、混ざり合うか。この3通りを見分けられれば、第13巻で定助が生まれる場面がすっと読めます。

4つ目の聖なる遺体は、『ジョジョリオン』では杜王町の伝承として語られます。

前提となる設定

仕組みに入る前に押さえておきたい設定は、次の5つです。

  • 東方家の「病」は、長男に代々現れる奇病。記憶が少しずつ消え、皮膚に折り紙のような線が入り、体が岩のように固くなって死に至る
  • 吉良吉影は、奇病に侵された母ホリーを救う手段を探していた。ホリーは大学病院に入院中で、康穂が会いに行くのは第4巻
  • ロカカカは「病を治す果実」として物語に出てくる。果実の名が明かされるのは第10巻(第41話)
  • ロカカカを売り買いしていたのは岩人間。最初に岩人間として登場して倒されるのは八木山夜露(第7〜8巻)
  • 「等価交換」は1つの能力の名前ではなく、代償と引き換えに何かを得る、という意味の言葉

5つ目がいちばんの落とし穴です。土地・果実・遺体が起こす等価交換は、同じ言葉でも中身が別物。「何が起こした交換か」で見分けると混乱しません。

ロカカカの実とは(自分の体で払う等価交換)

ロカカカの実を食べると、ケガや病気が治ります。欠けた体さえ元に戻るのが、この果実の力です。

代わりに、体のどこか一部が岩になって粉々に砕けます。治る部分と岩になる部分は、同じではありません。

もとはニューギニア島の高地に自生していた植物で、島の人々に「奇跡の果実」として重んじられてきました。太平洋戦争で日本軍が島を占領したのを機に、島からは消えています。

この植物を輸入し、日本で鉢植えにして育てていたのが岩人間です。1個2億円で、ひそかに売り買いしていました。

実の形はイチジクに似ていて、甘みはなく苦い味がします。正確には樹木ではなく、実のなる多年草です。

ロカカカを使った人が、何を治して何を失ったのかを一覧にしました。

使った人(巻)治ったもの代わりに失ったもの
岩切厚徳(第12巻)故障した右肩歯と下顎が岩になって崩れる
東方密葉(第19〜20巻)頭皮の病気知らずに身ごもっていた第二子
東方密葉(第19〜20巻)失ったお腹の子鼻が岩になる
東方定助(第23巻・成分薬6251)院長の能力で負った傷顔の左目を覆う部分が岩になる

表を見ると、失うものは歯や鼻のような体の一部に限りません。密葉のように、本人が気づいていないお腹の子が代償になることもあります。

岩切はプロ野球の投手で、2009年に右肩を故障しました。2010年に岩人間の大年寺山愛唱から実を2億円で買い、等価交換のリスクを承知で食べています。

TG大学病院の医師・羽伴毅は、自分のスタンドとロカカカを組み合わせて患者を治療していました(第19〜20巻)。等価交換の影響が、脳に出ないようにするためです。

ロカカカの成分薬6251

成分薬6251は、ロカカカの研究成果を薬にしたものです。薬になっても、体のどこかで代償を払う点は変わりません。

院長の明負悟は病院で講演会を開き、新薬「LOCACACA6251」による再生医療を表社会に発表します。

第23巻で、定助は院長の能力で深い傷を負います。一時的に目を覚ました吉良ホリーの力を借り、成分薬6251を摂取して回復しました。

代償として岩になったのは、顔の左目を覆う部分です。

新ロカカカとは(触れた相手に代償を押し付ける)

新ロカカカを食べた人が他人に触れると、等価交換の代償は触れた相手が引き受けます。食べた本人は、自分の体で何も払わずに治ります。

代償の流れは、食べた人から触れた相手への一方通行です。岩人間も東方常敏も、この実を狙いました。

効き目は実だけにとどまりません。第27巻では、枝から搾った樹液を飲んだ東方つるぎが、透龍とのあいだで等価交換を起こします。

新ロカカカはどうやって生まれた?

もとは、吉良吉影と空条仗世文が岩人間から盗んだ、ふつうのロカカカの枝です。

2010年の秋、2人は大年寺山愛唱の鉢植えから枝を奪います。仗世文がスタンド能力で接ぎ木をし、東方家の林に隠しました。

その枝は、接ぎ木か壁の目の土地の影響を受けて性質が変わります。10か月後、枝には新種の実が2個なりました。これが新ロカカカです。

第13巻の内容紹介にも「愛唱が持つロカカカの樹木から、密かに枝だけを奪うことにした吉良と仗世文」とあります。盗みの計画から吉良の死までが、この巻で語られます。

新ロカカカの実は2回なった

新ロカカカの実は、2011年と最終盤の2回、どちらも2個ずつなりました。

1回目の実を吉影が食べたあと、接ぎ木の枝は行方が分からなくなります。定助たちが植物鑑定人の豆銑礼と枝を探すのは、そのためです。

第19巻では、果樹園が燃える混乱のなかで、枝が東方常敏の手に渡ります。鉢植えのサボテンに接ぎ木され、第21巻では収穫まで7日に迫りました。

2回の実がそれぞれ誰の口に入ったのか、表で確かめてください。

時期実の数と食べた人巻
2011年8月19日(収穫の直前)2個。仗世文が2個とも吉影に食べさせる第13巻
最終盤(サボテンに接ぎ木した枝)2個。康穂と透龍が1個ずつ食べる第25〜27巻
最後の戦い実は残っていない。花都が枝の樹液をすべて使い切る第27巻

康穂は右腕を失ったあと、新ロカカカで腕を治します。代償を引き受けたのは東方常秀で、常秀の右腕はその後もしぼんだままです(第25巻)。

第27巻で透龍が食べたのは、2回目の実のもう1個です。最終決戦の流れはジョジョリオンの結末で順に追っています。

壁の目の等価交換とは(一緒に埋めたものが混ざる)

壁の目の周りの土地では、物と物を一緒に埋めると、それらが混ざり合います。この性質を知っているのは、ごく一部の人だけです。

第4巻(第17話)では、一緒に埋めたレモンとみかんでこの性質が示されます。皮はそのままで、中の実の小袋だけが入れ替わっていました。

壁の目そのものは、2011年3月11日の震災で突然隆起した壁です(第1巻)。場所は海岸から内陸へ数百メートルの地点で、名付けたのは町の小学生でした。

高さは1〜3m(特に高い所は15m)、幅は5〜8m。全長は10kmに及び、道路や水道、電気、ガスを断ち切っています。

ここで混乱しやすいのが、壁と土地の関係です。壁ができたのは2011年でも、土地の力そのものは東方家が代々知っていました。

東方家には、土地の力で病を移す習わしが伝わっています(第7巻)。発病したら二本松の根もとの祠へ行き、生贄の誰かと一晩過ごして病を移すというものです。

生贄の役は、代々長男の母親が務めてきました。東方憲助や常敏の病が治ったのも、この土地の力によるものです。

聖なる遺体の等価交換(第7部とつながる4つ目)

聖なる遺体の等価交換は、代償を引き受ける相手を選べません。ここがロカカカや新ロカカカとの違いです。

遺体のことが語られるのは第5巻(第22話)。ペット屋の老人が、ファンタジーとして伝わってきた話を聞かせる場面です。言い伝えなので、一部の出来事はぼかされたままです。

ジョニィ・ジョースターは、妻・理那の病を治すために第7部の「聖なる遺体」を盗み出します。病を、世界のどこかにいる誰かに引き受けさせようとしたのです。

病を引き受けたのは、皮肉にも息子のジョージでした。ジョニィはジョージを救うために自ら病を引き受け、1901年11月11日に杜王町で岩による事故に遭います。

ジョニィの1901年の出来事は、ジョニィ・ジョースターの結末で年ごとに整理しています。第7部で遺体の力が「不幸をよそへ押しつける」形で出てくるのが、D4C -ラブトレイン-です。

東方定助はどの等価交換で生まれたのか

「壁の目か、新ロカカカか」の答えは、両方です。新ロカカカの交換に、余震で壁の目の地中に埋まる出来事が重なりました(第13巻)。

起きた順に、3つの段階に分けて追います。

1. 新ロカカカで吉影と仗世文のあいだに交換が起きる

2011年8月19日、新ロカカカの収穫を目前にした2人を、岩人間の田最環と八木山夜露が襲います。吉影は肝臓と後頭部に、2つの致命傷を負いました。

仗世文は自分のすべてを差し出す覚悟で、新ロカカカ2個を吉影に食べさせます。実が2個、致命傷も2つ。代償になったのは仗世文の肉体で、吉影の傷はこの交換で癒えました。

2. 余震で2人が壁の目の地中に埋まる

そこへ余震による地形の変動が起き、2人は壁の目の地中に埋まります。一緒に埋めたもの同士を混ぜる、あの土地の性質がここで働きました。

3. 混ざり合って東方定助になる

震災から約半年後、壁の目で土に埋もれた青年を広瀬康穂が見つけます(第1巻)。これが東方定助です。

壁の目のさらに奥からは、死後3日たった吉影の遺体も見つかりました(第2巻)。

定助の眼球と舌には縦のつなぎ目があり、睾丸は4つ。星型のアザは吉影から受け継いだもので、記憶がないのは等価交換の代償です。

ウルトラジャンプの作品ページは、定助を「死んだ吉良吉影の肉体と一部融合した『空条仗世文』」と紹介しています。

定助が自分の正体を知るのは、田最環との戦いを終えた第14巻です。

交換を起こしたのが新ロカカカ、2人を混ぜたのが壁の目の土地。この順番が分かれば、「どちらのせい?」と迷わずにすみます。

定助の体の何が吉影から、何が仗世文から来たのかは東方定助の正体にまとめています。

岩人間とは(ロカカカを扱っていた種族)

岩人間は、人類を含む炭素系の生命とは別の系統にいる、珪素系の生命です。見た目は人に似ていても、寿命や眠り方は人とまるで違います。

原作に描かれた生態を、項目ごとに見てみましょう。

項目原作の記述
体皮膚を岩のように固くできる。体が欠けると出血する
寿命推定240歳
眠り一度眠ると30〜90日眠り続け、それ以外は睡眠がいらない
スタンド95%がスタンド使い。作中に出た岩人間は全員スタンド使い
暮らし方身寄りのない行方不明者の戸籍を改ざんし、その人になりすます
解説が出る巻第11巻(第46話)・第20巻(第81話)・第25巻(第99話)

町に紛れて暮らせるのは、他人の戸籍を使うからです。八木山夜露も、孤児の「八木山夜露」を消してなりすましていました。

ロカカカに関わった岩人間は、2つのグループに分かれます。1つ目は田最環をリーダーとする5人の密売団で、物語の前半で定助と戦います。

密売団は東方常敏の協力を得て、東方フルーツパーラーの名義でロカカカを密輸していました。売る相手は富裕層です。

2つ目は、物語の後半で敵になるTG大学病院の岩人間たちです。密売団はその下部組織にあたり、病院の秘密の実験室ではロカカカが栽培・研究されていました。

院長・明負悟の正体は透龍のスタンドで、透龍こそが真の院長でした。組織の狙いは、ロカカカの等価交換の技術を握り、社会の勢力図を作り変えることです。

前半は密売団、後半は病院の組織。ロカカカをめぐる敵がこう入れ替わると知っておくと、物語の筋が追いやすくなります。

よくある疑問

岩人間と柱の男・石仮面は関係あるの?

柱の男や石仮面との関係は、原作では明かされていません。

第25巻(第99話)には岩生物の生態を説明するページがあり、エンヤ婆など過去作の人物も描かれています。それでも、岩人間とのつながりは明言されていません。

同じ第25巻の内容紹介は、岩生物を「生命のもうひとつの道」と呼んでいます。柱の男のリーダーについては、カーズの記事で詳しく扱っています。

新ロカカカを食べた透龍が、なぜ逆に病を移されたの?

花都が、新ロカカカの樹液を飲ませたつるぎを透龍に触れさせたからです(第27巻)。

第27巻の内容紹介にあるとおり、瀕死の透龍は新ロカカカの実を食べ、「等価交換」で自分の傷を治そうとします。

そこへ東方花都が現れ、スタンド能力で透龍の動きを止めます。新ロカカカの接ぎ木から樹液を搾り、能力で挟み込んでいたつるぎを透龍に触れさせました。

等価交換で移ったのは、つるぎの石化病です。これがとどめになり、透龍の体は完全に崩れて死亡します。花都もこのあと厄災を受け、家族に看取られて亡くなりました。

東方家の「呪い」は新ロカカカで解けたの?

つるぎの病は、新ロカカカを使った透龍との交換で完治しました(第27巻)。この巻のサブタイトルも「全ての呪いが解けるとき」です。

新ロカカカのほうは、2個の実も枝の樹液もこの戦いまでに使い切られ、完全に失われます。

吉良ホリーを新ロカカカで治す道は、ここで閉じています。

東方常敏が新ロカカカを狙ったのはなぜ?

息子つるぎの病を治し、東方家をさらに繁栄させるためです。

常敏はもともと田最環の密売団の外部協力者で、ロカカカの闇取引の資金洗浄を担っていました。海外から帰国するのは第8巻(第33話)です。

常敏自身も子どものころに発病し、母の花都が手を汚してまで助けています。そのため、つるぎを救うためなら黒い手段も辞さない人物として描かれます。

終盤、常敏は父の憲助と対立してまで新ロカカカを守ろうとし、厄災で死亡しました(第24巻)。

根拠となる原作の描写

この記事で使った原作の場面を、巻の順に整理しました。読み返したい場面を探すときの目次にしてみてください。

描写出典(巻・話)それが示すこと
レモンとみかんを一緒に埋めて切ってみせる第4巻(第17話)壁の目の土地は、一緒に埋めたもの同士を混ぜる
ペット屋の老人が語る1901年の伝承第5巻(第22話)遺体の等価交換は相手を選べない
果実の名が「ロカカカ」と明かされる第10巻(第41話)病を治す果実の正体
岩切厚徳の右肩と下顎第12巻ロカカカの代償は食べた本人の体で払う
仗世文が吉影に新ロカカカを食べさせる第13巻新ロカカカの代償は相手が払う。定助の誕生
定助が成分薬6251を摂取する第23巻薬になっても代償は本人の体で払う
岩生物の生態の解説第25巻(第99話)珪素系の別の生命。過去作との関係は明言されない
花都がつるぎを透龍に触れさせる第27巻新ロカカカの最後の交換。つるぎの病が透龍へ

ロカカカと新ロカカカの仕組みが一度に分かるのは、吉影と仗世文の過去が語られる第12〜13巻です。

関連する記事

この記事で触れた人物・スタンドと、『ジョジョリオン』の結末の記事です。

参考

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