ジョジョのスタンドの矢|正体・刺された結果・レクイエムの条件

『ジョジョの奇妙な冒険』のスタンドの矢は、射抜いた相手からスタンド能力を引き出す「矢」です。鏃(やじり)は隕石を加工したものですが、作った人物の名前は原作に出てきません。

「矢に刺されたらレクイエムになるの?」と混乱しやすいところですが、結果は矢が何に刺さったかで変わります。人なら素質しだいでスタンドが目覚めるか死ぬかで、レクイエムになるのはスタンドそのものを貫いたときです。

刺さった相手ごとの結果と6本の矢のその後を、巻数つきでまとめました。

この記事は第4部〜第6部の結末に触れます(ネタバレを含みます)。

スタンドの矢とは|呼び名・初登場・DIOとの関わり

作中での呼び名は「矢」、弓とセットなら「弓と矢」です。初めて話に出てくるのは、第4部『ダイヤモンドは砕けない』の第29巻。

アニメ第4部第3話のあらすじによれば、アンジェロの能力は「謎の弓と矢によって引き出されたもの」でした。同じあらすじは、その弓と矢にDIOが関わっていることもほのめかしています。

その弓と矢は、DIOのもとでエンヤ婆が持っていたものです。エンヤ婆はこれを使い、DIOをはじめ多くのスタンド使いを生み出しました(第4部)。

第3部の時点では、DIOのスタンドはジョナサンの肉体を得て身につけた能力と説明されていました。矢とのつながりは、第4部の回想で初めて明かされます。

矢について、最初に押さえておきたいのは次の6点です。

項目中身根拠(部・巻・話)
作中の呼び名「矢」「弓と矢」第4部・第5部
初めて出てくる場面アンジェロのスタンドを引き出した道具第29巻/アニメ第4部第3話
特別な力がない部分弓と、矢の胴体第4部
鏃の材料隕石と同じ岩石成分第5部
見つかった本数1986年にエジプトの遺跡で6本第61巻
DIOとの関わりDIOのもとでエンヤ婆が持っていた第4部

力を持っているのは鏃のほうです。弓は矢を飛ばす道具にすぎず、第6部『ストーンオーシャン』では鏃だけ、欠片だけでもスタンドが目覚めています。

スタンドの矢は誰が作ったのか

矢を作った人物の名前は、原作には出てきません。分かっているのは、鏃の材料と、矢がいつどこで見つかったかです。

鏃の材料を明かすのは、第5部『黄金の風』のポルナレフです。ある隕石に触れた人の大半は怪死し、一部の人だけがスタンドに似た能力を身につけた、と語ります。

鏃は、その隕石と同じ岩石成分で作られています。第5部の説明では、隕石が地球に落ちてきたのは約5万年前です。

ポルナレフはさらに、隕石の中の未知のウイルスと共生できた人が能力を得る、という仮説も述べています。あくまで仮説で、「スタンドの正体は隕石」と言い切れる描写は原作にありません。

矢が人の手に渡った経緯は、第61巻の「ほんの少し昔の物語」で描かれます。1986年、ディアボロはエジプトの遺跡発掘にアルバイトで加わり、矢を6本見つけて盗み出しました。

6本のうち5本はエンヤ婆に高値で売り、残る1本は組織を大きくするために手元に置きます。作った人は分からなくても、「誰が掘り出し、誰に売ったか」までは原作で追えるわけです。

小説には、この6本とは別の矢も出てきます。乙一の『The Book』にはヨーロッパの骨董屋にあった矢、真藤順丈の『無限の王』には南米の矢が登場します。

どちらも荒木飛呂彦ではない作家が書いた小説の設定なので、原作の6本とは分けて考えてください。

スタンドの矢に刺されるとどうなるか

素質がある人ならスタンドが目覚め、ない人は死にます(第4部)。ただし、刺さった相手が人か、動物か、スタンドかで結果は変わります。

刺さった相手ごとに、起きたことを表にまとめました。

刺さった相手起きたこと例と巻
素質のある人スタンドが目覚めるアンジェロ(第29巻)
素質のない人死ぬ虹村形兆に射抜かれた町の人(第29〜30巻)、ブラック・サバスに貫かれた清掃員(第48巻)
致命傷を負い、治された人スタンドが目覚める広瀬康一(第29〜30巻)
鏃の欠片に触れた人スタンドが目覚める空条徐倫(第6部第1巻)
動物スタンドが目覚める音石明が射たネズミ2匹(第35巻)、吉良吉廣が射た猫(第42巻)
すでにスタンド使いの本体新しい能力が加わる吉良吉影のバイツァ・ダスト(第45巻)
スタンドそのものレクイエムになるシルバーチャリオッツ(第62巻)、ゴールド・エクスペリエンス(第63巻)
刺された人の双子の弟同時にスタンドが目覚めるプッチの弟ウェス(第6部第15巻)

素質のない人には命取りになる一方、すでにスタンドを持つ人には、吉良吉影のように新しい力が加わることもあります。この違いを押さえると、第4部と第5部の矢の場面がひと続きに読めます。

形兆の矢で射抜かれた町の人と康一

虹村形兆は、第4部の1組目の弓と矢で町の人を次々と射抜き、素質のない人を何人も死なせてきました(第29〜30巻)。

広瀬康一も、形兆の矢で射抜かれた一人です(第29巻)。素質がなく致命傷でしたが、仗助のクレイジー・ダイヤモンドに傷を治されてスタンド使いになりました(第30巻)。

アニメで見るなら第4部第4話で、あらすじにも「弓と矢で射られ瀕死の重傷を負った康一」とあります。

射抜かれなくても、傷や欠片で目覚めることがある

矢に射抜かれず、傷つけられただけでも高い熱が出ます。その熱を生き延びれば、スタンド使いになります(第4部)。

徐倫は、承太郎から届いたペンダントの中の矢の欠片に触れて、スタンドに目覚めました(第6部第1巻)。集英社の紹介文にも「不思議なペンダントを手にした徐倫に変化が!?」とあります。

欠片はそのあとエルメェスが拾い、グェスもエルメェスから買い取って、2人ともスタンド使いになります(第6部の序盤)。1つの欠片から、3人のスタンド使いが生まれたことになります。

矢が素質のある人を選ぶように動く

第4部の2組目、吉良吉廣の矢は、まるで意思があるように動きます。スタンドの素質を持つ人を選んで、指し示すのです。

吉廣はこの矢で、第40〜44巻に出てくる大柳賢、噴上裕也、猫草、宮本輝之輔、乙雅三をスタンド使いにしました。

最後には矢がひとりでに動き出し、追い詰められた吉良吉影を貫きます(第45巻)。アニメ第4部第35話のあらすじにも「突如、吉廣の持っていた矢が川尻を突き刺して」とあります。

ここでの「川尻」は、川尻浩作の顔で暮らしていた吉良のことです。

血のつながった人にも及ぶ

第6部のエンリコ・プッチは15歳のとき、かくまったDIOから礼として矢の鏃を受け取りました。のちに絶望の中で鏃が突き刺さり、ホワイトスネイクに目覚めます(第6部第15巻)。

同じとき、生き別れていた双子の弟ウェスもウェザー・リポートに目覚めました。弟には鏃が刺さっておらず、双子だったために兄と一緒に能力が引き出されています。

DIOとの出会いの場面は、アニメ第6部第31話「ヘビー・ウェザー その②」のあらすじにも書かれています。

レクイエムが生まれる条件とレクイエムの矢

レクイエムは、矢でスタンドそのものを貫いたときに生まれます。原作で描かれたのは2例だけで、どちらもポルナレフが持っていた同じ1本の矢でした。

「矢に刺されればレクイエムになる」と覚えていると、ここで話が合わなくなります。第45巻の吉良吉影も、第48〜49巻でポルポの矢と戦ったジョルノも、レクイエムにはなっていません。

矢がスタンドを貫いた2つの場面

矢はもともと人のスタンドを引き出す道具です。レクイエムになるのは、すでにあるスタンドをもう一度矢で射抜いたときです。

アニメ第5部第34話のあらすじによれば、ポルナレフの「シルバーチャリオッツ」が「矢」に貫かれました。第38話のあらすじでは、ジョルノが「ゴールド・エクスペリエンスを矢で貫いた」と書かれています。

こうして生まれたのが、チャリオッツ・レクイエムとGER(ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム)です。

原作の2体はどちらもポルナレフの矢から

レクイエムを生んだのは、ポルナレフがエジプトで手に入れた、虫の形をした鏃の矢です。車椅子で隠れ住むあいだに、ポルナレフはこの矢に隠されたスタンドの秘密を知りました。

第61巻には、「『矢』のさらに先に存在(ある)もの」という題の話が入っています。第62巻の紹介文によると、ディアボロはポルナレフを倒しますが、「『矢』は不思議な力を発現」します。

ブチャラティたちがつないだ矢を、最後に受け取ったのはジョルノでした。第63巻の紹介文にも「ついに『矢』はジョルノの手中に」とあります。

レクイエムの2例と、矢に刺されてもレクイエムにならなかった吉良の例を、表で比べます。

例矢が刺さった先使われた矢と結果
ポルナレフ(第62巻)シルバーチャリオッツ(スタンド)ポルナレフの矢/チャリオッツ・レクイエム
ジョルノ(第63巻)ゴールド・エクスペリエンス(スタンド)同じ矢/GER
吉良吉影(第45巻)本体の左腕吉廣の矢/バイツァ・ダスト(レクイエムとは呼ばれない)

レクイエムになった2例と吉良の違いは、刺さった先がスタンドか本体か、使われた矢が同じか別か、の2点です。

矢の種類がレクイエムに関わるかどうかは、原作では語られていません。はっきり違いとして見えるのは、「何に刺さったか」のほうです。

使い手が力を出し切れないと暴走する

レクイエムは、生まれれば必ず使いこなせるものではありません。アニメ第5部第35話のあらすじには、ポルナレフの次の言葉が載っています。

「力のある者が『矢』を使えば、その者はすべての生き物の精神を支配する力を持つことになる」(TVアニメ『黄金の風』公式サイト 第35話あらすじ)

ポルナレフ自身は、強いスタンド使いでなければレクイエムの本当の力には届かない、と考えていました。実際、戦えない体だった彼のチャリオッツ・レクイエムは、制御できずに暴走します(第62巻)。

チャリオッツ・レクイエムの能力は、シルバーチャリオッツとチャリオッツ・レクイエムの違いで詳しく扱っています。ジョルノの側はゴールド・エクスペリエンス・レクイエムの2つの能力にまとめました。

スタンドの矢は何本ある?6本の行方

ディアボロがエジプトで見つけた矢は6本です。ただ、原作で行方をはっきり追えるのは、そのうちの一部だけです。

「矢」を1本だと思っていると、ここで混乱しやすくなります。第4部には弓と矢が2組、第5部にはポルポの矢とポルナレフの矢という別々の矢が出てきます。

原作に出てくる矢と鏃を、持ち主の移り変わりで整理しました。

矢持ち主の移り変わりその後と巻
ディアボロが残した1本ディアボロ→ポルポ(ブラック・サバスの口の中)ポルポの死とともに壊れる(第49巻)
第4部の1組目(形兆の弓と矢)エンヤ婆の遺物→形兆→音石明承太郎とスピードワゴン財団が回収(第34巻)
第4部の2組目(吉廣の弓と矢)エンヤ婆→吉良吉廣吉影を再び貫く(第45巻)。その後は明かされていない
ポルナレフの矢(虫型の鏃)ポルナレフ→ディアボロとの奪い合い→ジョルノジョルノの手に(第63巻)
プッチの鏃DIO→プッチプッチに刺さる(第6部第15巻)
ペンダントの欠片承太郎→徐倫→エルメェス→グェス3人がスタンド使いに(第6部第1巻〜)

持ち主ごとに分けて読めば、ポルポの矢とレクイエムを生んだ矢を取り違えずに済みます。

分からないことも残っています。プッチの鏃とポルナレフの矢が同じものか、徐倫の欠片がどの矢のものかは、原作では明かされていません。

吉廣の弓と矢が第45巻のあとどうなったか、エンヤ婆が買った5本の残りがどこへ行ったかも、原作には描かれていません。

プッチがDIOから鏃を受け取るまでの流れは、プッチ神父の過去と双子の弟で詳しく追えます。

よくある疑問

吉良吉影やジョルノの場面で「なぜ?」となりやすい点を中心に、5つの疑問に答えます。

吉良吉影は矢に刺されたのに、なぜレクイエムにならなかったのか

刺さった先が、スタンドではなく本体の左腕だったからです(第45巻)。矢も吉廣の1本で、レクイエムを生んだポルナレフの矢とは別でした。

生まれたのは、キラークイーンの第三の爆弾バイツァ・ダストです。集英社の紹介文の言い方も「再び『矢』に射抜かれた吉良に新しい能力が備わった」で、レクイエムとは呼ばれていません。

「再び」なのは、キラークイーン自体も、吉廣がエンヤ婆から手に入れた弓と矢で得た能力だからです。発現までの流れはバイツァ・ダストの能力と発現の流れで追えます。

ジョルノはポルポの矢でなぜレクイエムにならなかったのか

ポルポの試験の矢は、レクイエムを生んだ矢とは別の1本です。ジョルノのレクイエムが生まれたのは第63巻、自分のゴールド・エクスペリエンスをポルナレフの矢で貫いたときでした。

試験の矢はディアボロが手元に残したもので、ポルポの死とともに壊れます(第49巻)。ジョルノは試験を受ける時点で、すでにゴールド・エクスペリエンスを使っていました(第48巻)。

矢が別だったことが理由かどうかまでは、原作では語られていません。

どんなスタンドでも矢で貫けばレクイエムになるのか

原作でレクイエムになったのは、シルバーチャリオッツとゴールド・エクスペリエンスの2体だけです。ほかのスタンドを矢で貫いたらどうなるかは、原作では明かされていません。

レクイエムになっても使いこなせるとは限らず、ポルナレフのチャリオッツ・レクイエムは暴走しました(第62巻)。

ポルポのブラック・サバスはなぜ矢を使っていたのか

ポルポの入団試験には、矢でスタンド使いを増やすという狙いもあったからです。その矢は、ディアボロが6本のうち組織のために残した1本でした(第61巻)。

ブラック・サバスは、捕まえた人の魂かスタンドを引きずり出し、口の中の矢で突き刺します。素質のない人の魂は、貫かれると死んでしまいます(第48巻)。

アニメ第5部第4話のあらすじでは、康一が「矢」の存在に気づき、試験の狙いがスタンド能力の発現にあると知ります。

矢がなくてもスタンド使いになれるのか

なれます。原作の描写では、スタンドが発現する道筋は矢を含めて5通りあります。

  • 生まれつき、または才能や技術がスタンドになる(第3部から)
  • 血のつながった人のスタンドの影響を受ける(第3部から)
  • 矢で射抜かれる、隕石の加工物で傷つけられる(第4部から)
  • スタンドのDISCを頭に入れられる(第6部から)
  • 「悪魔の手のひら」など土地の力の影響を受ける(第7部から)

第7部『スティール・ボール・ラン』では、「悪魔の手のひら」はかつて隕石が落ちた跡だと説明されます。矢と同じく、隕石と結びついた発現の仕方です。

それぞれの例はスタンドが発現する5つの道筋で確かめてみてください。

根拠となる描写と発言

ここまでの答えを裏づける、集英社の紹介文とアニメ公式サイトのあらすじの言葉を一覧にしました。

描写・発言出典それが示すこと
「謎の弓と矢によって引き出された」アニメ第4部第3話矢が人のスタンドを引き出す
「弓と矢を使って悪のスタンド使いを増やしている者がいる」第30巻(集英社の紹介文)第4部で矢を追う話の始まり
「吉廣の持っていた矢が川尻を突き刺して」アニメ第4部第35話矢がひとりでに動く
「再び『矢』に射抜かれた吉良に新しい能力が備わった」第45巻(集英社の紹介文)本体に刺さると新しい能力
康一が試験の狙いを知るアニメ第5部第4話ポルポの試験は矢でスタンド使いを作る
「『シルバーチャリオッツ』が『矢』に貫かれた」アニメ第5部第34話/第62巻スタンドを貫くとレクイエム
「力のある者が『矢』を使えば」アニメ第5部第35話矢の「先」にある力
「ゴールド・エクスペリエンスを矢で貫いた」アニメ第5部第38話/第63巻2体目のレクイエム
「ペンダントを手にした徐倫に変化が」第6部第1巻(集英社の紹介文)欠片でもスタンドが目覚める

矢とレクイエムの場面をアニメで見るなら、第5部第34〜38話です。原作では第62〜63巻にあたります。

関連する記事

参考

コメント

タイトルとURLをコピーしました