パンナコッタ・フーゴは、ジョジョ第5部『黄金の風』でブチャラティのチームにいる16歳のギャングです。スタンドはパープル・ヘイズ、TVアニメの声優は榎木淳弥。
第56巻では、ボスを裏切ったブチャラティについて行かず、ひとりだけチームを離れます。原作で死ぬ場面はなく、その後は小説で描かれます。
「なぜ離脱したの?」は、作中の理由と作者の裏話が混ざって語られやすいところ。この記事では原作・アニメ・小説の違いを分けながら、根拠の巻数つきで整理しました。
この記事は第5部の結末と、フーゴのその後を描く小説2冊の結末に触れます(ネタバレを含みます)。
パンナコッタ・フーゴのプロフィール(年齢・身長・IQ)
公式ポータルの紹介では、フーゴはIQ152の頭脳を持ち、ふだんの振る舞いは紳士的。ところが本当は短気で、キレたときの凶暴さは仲間も恐れるほどです。
第49巻では、ナランチャの勉強を見る教育係の顔も見せます。計算の間違いから大げんかになる場面には、紹介にある「短気」がそのまま出ています。
年齢や血液型、初登場の巻は次の表にまとめました。巻数は第1〜5部の通し巻数で書いています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名前 | パンナコッタ・フーゴ(Pannacotta Fugo) |
| 登場する部 | 第5部『黄金の風』(原作は通し第47〜63巻) |
| 年齢 | 16歳(第5部の作中。1985年生まれ) |
| 誕生日 | 公式ポータルに記載なし |
| 身長・体重 | 公式ポータルに記載なし |
| 血液型 | O型 |
| 生まれ | 裕福な家 |
| 立場 | パッショーネの一員/ブチャラティの部下でチームのブレーン |
| 知能 | IQ152。13歳で大学へ |
| スタンド | パープル・ヘイズ |
| 初登場 | 原作は第49巻(第456話「5(ファイブ)プラス1(ワン)」) |
誕生日や身長の数字を書いたページを見かけたら、どの資料に載っているのかを確かめてみてください。
13歳で大学へ|原作で分かるフーゴの過去
原作で過去に触れるのは、第51巻のイルーゾォ戦の場面です(第479話)。13歳で大学に入ったものの、教授への暴行事件で道を外れ、ギャングになりました。
チームでは古株で、ナランチャが入るきっかけを作ったのもフーゴです。第50巻の回想では、行き場をなくしたナランチャをレストランに招き入れます。
教授を殴った理由までは、原作では語られません。そこはアニメと小説が、それぞれ別の形で描いています(次の節)。
教授を殴った理由は原作・アニメ・小説で違う
ここが一番混ざりやすいところで、事件の理由や前後の事情は作品ごとに別々に描かれています。
| 作品 | 描かれた過去 | 巻・話・刊行年 |
|---|---|---|
| 原作 | 理由の詳しい説明はない | 第51巻 |
| TVアニメ | 両親の重圧。教授に不適切な関係を迫られ、分厚い本で殴る | 第12〜13話(イルーゾォ戦) |
| 小説『ゴールデンハート/ゴールデンリング』 | 事件後も暴れ、厄介者になりかけたところをブチャラティに拾われる | 2001年 |
| 小説『恥知らずのパープルヘイズ』 | 亡くなった祖母を教授に罵倒され、激怒する | 2011年 |
アニメ版では、事件のあと一族から勘当され、路上で暮らしていたところをブチャラティに誘われます。
アニメで見た過去が原作に見当たらないときは、この表で出どころを見比べてみてください。
スタンドはパープル・ヘイズ(殺人ウイルス)
フーゴのスタンドは、拳のカプセルから殺人ウイルスをまくパープル・ヘイズです。感染した生き物は、およそ30秒で全身が腐って死にます。
ウイルスは光に弱く、本体のフーゴも感染すれば助かりません。本人にも完全には制御しきれないため、原作で使われるのはイルーゾォ戦(第51〜52巻)の一度きりです。
アニメでは第13話で、鏡の中に引きずり込まれたフーゴがパープル・ヘイズを出します。小説『恥知らずのパープルヘイズ』では、「パープル・ヘイズ・ディストーション」に進化します。
能力の仕組みとできないこと、小説での進化の中身はパープル・ヘイズの能力にまとめました。
声優は榎木淳弥(アニメとゲーム)
TVアニメ『黄金の風』(2018〜2019年、全39話)でフーゴを演じたのは榎木淳弥です。アニメ公式サイトのSTAFF/CASTと公式ポータルの両方に名前が載っています。
ゲームでは作品によって担当が違うので、年の順に表にしました。
| 作品 | 年 | フーゴの声 |
|---|---|---|
| ゲーム『黄金の旋風』(PS2) | 2002年 | 三浦祥朗 |
| ゲーム『オールスターバトル』 | 2013年 | 小田久史 |
| ゲーム『アイズオブヘブン』 | 2015年 | 小田久史 |
| TVアニメ『黄金の風』 | 2018〜2019年 | 榎木淳弥 |
| ゲーム『オールスターバトル R』 | 2022年 | 榎木淳弥 |
アニメのあとに出た『オールスターバトル R』から、ゲームでもアニメと同じ声になりました。
パープル・ヘイズにも声がつく作品があります。『オールスターバトル』と『アイズオブヘブン』は江川央生、『オールスターバトル R』とTVアニメは榎木淳弥です。
登場する巻と話
原作で初めて出てくるのは第49巻です。アニメでは第5話「ポルポの遺産を狙え!」で、入団したジョルノと出会います。
アニメで見た場面が何巻にあたるかも、次の表でたどれます。
| 出来事 | 原作の巻(通し) | アニメの話 |
|---|---|---|
| ジョルノと出会う(原作の初登場) | 第49巻 | 第5話 |
| ナランチャの回想で、ナランチャを助ける | 第50巻 | 第11話 |
| ポンペイ遺跡でイルーゾォと戦う | 第51〜52巻 | 第12〜13話 |
| 反逆について行かず、チームを離れる | 第56巻 | 第21話 |
| エピローグ「眠れる奴隷」に出てくる | 第63巻 | 第39話 |
原作で物語の「今」に出てくるのは、第56巻の離脱まで。それより後は、回想やエピローグに限られます。
エピローグは、ジョルノがチームに出会う前の話です(アニメ第39話の公式あらすじ)。ブチャラティが生きていたころなので、フーゴもまだチームの一員として出てきます。
フーゴはなぜ離脱した?理由は作中と作者の2つ
作中のフーゴは、ボスを裏切るブチャラティについて行かず、自分の判断で組織に残ります。これとは別に、作者は文庫版のあとがきで、フーゴを退場させた裏話を明かしています。
原作・アニメ・あとがきのどこに出てくる話なのかを、表で分けました。
| 描写・発言 | 出典 | 区分 |
|---|---|---|
| 反逆について行かず、組織に残る | 第56巻(第523話) | 作中の理由 |
| 「正しい馬鹿にはなれない」と悔やみながら見送る | アニメ第21話 | アニメで足された心情 |
| 4人の誰かが裏切る設定を描けず、フーゴに消えてもらった | 文庫版第39巻(2005年) | 作者側の事情 |
作者の話は、なぜこの別れの場面を描くことになったかという物語の外側の事情です。作中でフーゴが残った理由とは別の話、と覚えておくと混乱しません。
原作の離脱は第56巻のサン・ジョルジョ・マッジョーレ島
ボスの本当の狙いは、自分の正体を消し去るために娘のトリッシュを始末することでした(第56巻、アニメ第21話)。それに気づいたブチャラティは、ボスを裏切ります。
ついて来るかどうかは、部下がひとりずつ自分で決めることになりました。アバッキオとミスタがボートに乗り、迷っていたナランチャも最後は泳いで追いかけます。
フーゴは、理想だけではこの世界を生き抜けないと主張し、ひとり島に残りました。この話の題は「キング・クリムゾンの謎 その⑥」(第523話)です。
アニメ第21話で足されたセリフ「正しい馬鹿にはなれない」
「正しい馬鹿にはなれない」は、原作の第56巻を開いても見つかりません。TVアニメ第21話「キング・クリムゾンの謎」で足されたセリフだからです。
アニメのフーゴは、ブチャラティの行動が正しいと分かったうえで、組織に残ると決めます。自分の判断を悔やみながら仲間を見送る場面に変わりました。
作者が文庫版のあとがきで明かした裏話
荒木飛呂彦は、文庫版第39巻(集英社文庫、2005年)のあとがきで離脱の裏話を書いています。第5部の文庫では最後の巻にあたります。
もとの構想では、ミスタ・ナランチャ・フーゴ・アバッキオの4人の誰かがボスのスパイでした。ジョルノとブチャラティを「裏切る」という設定です。
裏切り者の候補について、荒木飛呂彦はこう書いています。
感覚の中ではたぶん、フーゴが「裏切り者」なんだろうなと思って描こうとしたら、これがどーしても描く事が出来ませんでした。
描けなかった理由は、話がますます暗くなりそうだったこと。ブチャラティたちの気持ちを考えると気の毒だった、とも書いています。
そうして生まれたのが、サン・ジョルジョ・マッジョーレの船着き場での別れの場面です。あとがきには「フーゴに消えてもらった」とあります。
あとがきは、小説版でフーゴが組織の中で陰ながらみんなを助ける話を書いてもらった、と続きます。この小説版が、2001年の『ゴールデンハート/ゴールデンリング』です。
「強すぎたから」「スパイだった」は本当?
「強すぎて退場」は作者の言葉になく、「本当はスパイ」は描かれなかった構想の話です。
あとがきが挙げている理由は、裏切りの話を描けなかったこと。パープル・ヘイズの強さには触れていません。
パープル・ヘイズが原作で一度しか使われないのは、フーゴ本人にも制御しきれないスタンドだから。これは能力の設定で、作者が退場の理由として語った話とは別です。
スパイの話は構想の段階で止まり、原作のフーゴはスパイとして描かれていません。
フーゴのその後|死亡せず、小説で描かれる
離脱のあとのフーゴを描くのは、2001年と2011年に出た2冊の小説です。
原作では死亡していない
原作には、フーゴが死ぬ場面はありません。第5部で死亡するチームの仲間は、ブチャラティ・アバッキオ・ナランチャの3人です。
第5部で誰が生き残ったかは、ジョジョ死亡キャラ一覧と生き残りで確かめられます。
離反の直後を描く『ゴールデンハート/ゴールデンリング』(2001年)
『ジョジョの奇妙な冒険 2 ゴールデンハート/ゴールデンリング』は、宮昌太朗と大塚ギチの共作です。集英社から2001年5月28日に発売されました。
舞台は、チームが組織から離反した直後のヴェネツィアです。原作の時間軸では、4月2日前後にあたります。
組織に残ったフーゴは、チームを狙う刺客のひとりとして、幹部ソリョラ・ロペスの下に付きます。ところが「ジョルノにはパープル・ヘイズのウイルスが効かない」ことを、ロペスに伝えませんでした。
この情報を伏せたことで、ロペスの計画は失敗に終わります。作者のあとがきにある「陰ながらみんなを助ける」裏話が、この小説で描かれています。
ウイルスが本体のフーゴには影響しない点も、この小説だけの設定です。
半年後を描く『恥知らずのパープルヘイズ』(2011年)
『恥知らずのパープルヘイズ』は、上遠野浩平が書いた第5部の後日談です。2011年9月16日に集英社から発売されました。
舞台は2001年、パッショーネの抗争から半年後のイタリア。17歳になったフーゴは組織での信用を失い、半年ほどバーでピアノを弾いて暮らしていました。
そこへ副長のミスタから呼び出しがかかり、麻薬チームの始末を命じられます。できなければ殺す、という条件つきです。
追跡の仲間は、ボス親衛隊のシーラEと情報チームのカンノーロ・ムーロロ。麻薬チームのマッシモ・ヴォルペとの戦いで、スタンドはディストーションへ進化します。
任務のあと、ボスになったジョルノが命令の本当の目的を明かします。フーゴの死後にパープル・ヘイズが暴走しないよう、精神を成長させて制御できるようにすることでした。
フーゴはジョルノに忠誠を誓い、組織の一員として認められます。
ちなみに英語の題は Purple Haze Feedback。「パープルヘイズ・フィードバック」という名前で紹介されていても、別の続編ではなく同じ小説です。
2冊の違いを表にしました。
| 小説 | いつの話 | フーゴの立場 |
|---|---|---|
| 『ゴールデンハート/ゴールデンリング』(2001年) | 離反の直後(ヴェネツィア) | 刺客のひとり。裏で情報を伏せる |
| 『恥知らずのパープルヘイズ』(2011年) | 半年後(2001年、主にシチリア) | 主人公。最後にジョルノに忠誠を誓う |
作中の時期は『ゴールデンハート/ゴールデンリング』のほうが先です。ただし2冊は互いに関係しない別々の物語なので、片方の設定をもう片方に持ち込まずに読んでください。
小説のほかの版や、アニメ化されたかどうかは、スタンドの節で紹介したパープル・ヘイズの記事にまとめています。
フーゴと関係の深い人物
チームの仲間と、戦った相手のイルーゾォを、関係が描かれる巻とあわせて表にしました。
| 人物 | フーゴとの関係 | 巻 |
|---|---|---|
| ブローノ・ブチャラティ | 上司。反逆を決め、フーゴと別れる | 第49〜56巻 |
| ナランチャ・ギルガ | フーゴが入団のきっかけを作る。勉強の教育係も | 第49〜50巻 |
| ジョルノ・ジョバァーナ | 新入り。小説で忠誠を誓う相手 | 第49巻・小説 |
| グイード・ミスタ | 小説でフーゴを呼び出す副長 | 小説 |
| レオーネ・アバッキオ | ポンペイでイルーゾォ戦をともに戦う | 第51〜52巻 |
| イルーゾォ | パープル・ヘイズで倒した相手 | 第51〜52巻 |
上司ブチャラティの最期は、ブローノ・ブチャラティの記事にまとめています。ナランチャがチームに入るまでの話は、ナランチャ・ギルガの記事で読めます。
小説でフーゴを呼び出す副長ミスタのことは、グイード・ミスタの記事で。


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