マン・イン・ザ・ミラーは、ジョジョ第5部『黄金の風』に登場する暗殺チームのイルーゾォのスタンドです。鏡を出入り口に「鏡の中の世界」をつくり、イルーゾォが「許可」したものだけをそこへ引き込みます。
相手がスタンド使いなら、本体だけを鏡の中へ入れて、スタンドを外に置き去りにできるのが特徴です。ところが最後は、アバッキオに化けたムーディー・ブルースを引き込み、ジョルノが持ち込んだウイルスにも感染して敗れます。
何ができて何ができないのかは、読んでいて混乱しやすいところなので、場面ごとに整理しました。元ネタの曲と、登場する巻と話数(第51〜52巻、アニメ第12〜13話)もあわせて確かめられます。
この記事はイルーゾォの最期(第52巻)まで触れます(ネタバレを含みます)。
マン・イン・ザ・ミラーの基本情報
本体はイルーゾォで、原作の初登場は第51巻第478話です。ステータスと元ネタもあわせて一覧にします。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 本体 | イルーゾォ(暗殺チーム。通称「鏡のイルーゾォ」) |
| 登場する部 | 第5部『黄金の風』(単行本第47〜63巻) |
| 初登場(原作) | 第51巻 第478話 |
| 初登場(アニメ) | 第5部 第12話「ボスからの第二指令」 |
| ステータス | 破壊力C・スピードC・射程距離C(「鏡の中」の世界では数百m(B))・持続力D・精密動作性C・成長性E |
| 本体の声(TVアニメ) | 成田剣 |
| 英語版の名前 | Mirror Man |
| 元ネタ | マイケル・ジャクソンの曲「Man in the Mirror」 |
ステータスでBがつくのは、鏡の中の世界での射程(数百m)だけです。殴り合いの強さより、相手を鏡の中へ引き込む力に寄ったスタンドだと分かります。
マン・イン・ザ・ミラーの能力は「鏡の中の世界」への出し入れ
能力の中心は、鏡の向こうの「鏡の中の世界」に何を入れて何を出すかを、イルーゾォが決めることです。出入り口、許可、中の世界、スタンド自体の力の4つに分けて確かめます。
鏡や小さな破片も出入り口になる
出入り口になるのは、鏡をはじめとする物が映り込む面です。イルーゾォはそこを通って鏡の中に入り、相手を引きずり込みます(第51巻第479話)。
どんなに小さな破片でも出入り口になるので、鏡を割るとかえって入り口が増えます。割られた鏡のかけらから、相手の腕をつかむこともできました(第52巻第482話)。
鏡の中のイルーゾォが見えるのは、これから引き込まれる人だけ。フーゴが鏡の中の人影に気づいて知らせても、ジョルノとアバッキオには見えませんでした(第51巻第478〜479話)。
「鏡を割れば逃げられる」「仲間が鏡を見張っていれば安全」は、どちらもこの能力には通じません。
入れるもの・出すものはイルーゾォが「許可」で選ぶ
イルーゾォの「許可」がなければ、鏡の中の世界には入ることも出ることもできません。入れ方も選べて、体の一部だけを入れることもできます(第52巻第482話)。
スタンド使いを引き込むときは、本体だけを入れてスタンドを締め出せます。フーゴのときも、パープル・ヘイズだけが外に残されました(第51巻第480話)。
外に残ったスタンドも、本体が離れた場所から動かせます。それでも鏡の中の本体は、スタンドの守りがないままです(同話)。
ここは「鏡の中ではスタンドが使えない」と覚えてしまいやすいところです。正しくは「スタンドだけが外に置いていかれる」で、外に残ったパープル・ヘイズがあとで決め手になる流れにもつながります。
鏡の中は左右が逆の「死の世界」
鏡の中の世界では、すべての物が左右反対になっています。生き物のいない「死の世界」で、中の物を動かせるのはイルーゾォの側だけです(第51巻第480話)。
外で物に変化があると、鏡の中でも同じ変化が起きます(第51巻第480話)。
外のパープル・ヘイズが壁を壊すと、その破片は鏡の中にも飛んできました。マン・イン・ザ・ミラーは、それを軽くはじき返しています(第51巻)。
閉じ込められた人の姿と声のほうは、外に届きません(第52巻第483話)。
外の変化は中に映るのに、中の様子は外に伝わらない、という一方通行です。仲間がすぐそばにいても、鏡の中で何が起きているかは分かりません。
スタンド自体の力は強くない
力を集中させているのは、鏡の中の世界をつくって相手を引き込むことのほう。そのぶん、マン・イン・ザ・ミラー自体の戦う力はあまり高くありません。
スタンド同士の殴り合いは苦手で、必要なときは鏡の破片を凶器にします。敵を閉じ込めておく持続力も弱めです。
前提にしているのは、鏡の中で丸腰の人間を相手にすること。スタンドを外に締め出してから本体と戦うので、力負けすることはほとんどありません。
スタンドが一体でも鏡の中に入れば、この前提は崩れます。それが実際に起きたのが、第52巻のムーディー・ブルースの場面です。
マン・イン・ザ・ミラーのできること・できないこと
鏡を使った出入りはほぼ自在ですが、相手の見分けと殴り合いは苦手です。どの場面で確かめられるか、巻と話を添えて一覧にしました。
| 項目 | できる・できない | 根拠(巻・話) |
|---|---|---|
| 鏡を通って自分が鏡の中に入る | できる | 第51巻第479話 |
| 小さな破片を出入り口にする | できる | 第52巻第482話 |
| 鏡を割られても能力を続ける | できる(破片が入り口になる) | 第52巻第482話 |
| 本体だけを入れ、スタンドを外に残す | できる | 第51巻第480話 |
| 体の一部だけを入れる・出す | できる | 第52巻第482話・第484話 |
| 中の物を動かす | イルーゾォの側だけできる | 第51巻第480話 |
| 化けたスタンドを本人と見分ける | できない | 第52巻第482話 |
| 感染した相手を引き込んでも無事でいる | できない(イルーゾォにもうつった) | 第52巻第483〜484話 |
| スタンド同士の殴り合いで優位に立つ | できない(ムーディー・ブルースに押された) | 第52巻第482話 |
| 死んだあとも鏡の世界を残す | できない(中の人は外へ戻る) | 第52巻第485話 |
「できない」の4行のうち3行は、ムーディー・ブルースとウイルスが鏡の中に入った場面のものです。次の節で、この2つの場面を順に見ます。
マン・イン・ザ・ミラーの弱点|ムーディー・ブルースとウイルス
イルーゾォ戦で突かれた弱点は、2つあります。化けたスタンドを本人と見分けられなかったことと、ジョルノが持ち込んだウイルスの感染を防げなかったことです。
「許可したものしか入れないのに、なぜムーディー・ブルースとウイルスは入れたの?」と引っかかりやすいところです。
鏡の中に入った2つを、入り方と巻・話で表にしました。上の表の「できない」の行と見比べてみてください。
| 鏡の中に入ったもの | どうやって入ったか | 根拠(巻・話) |
|---|---|---|
| ムーディー・ブルース | アバッキオに化け、本人として引き込まれた | 第52巻第482話 |
| パープル・ヘイズのウイルス | 自分から感染したジョルノと一緒に入った | 第52巻第483〜484話 |
どちらも、イルーゾォが自分で「入れてよい」と選んだ相手の側に仕掛けがありました。
アバッキオに化けたムーディー・ブルース
「犬の床絵」にある鍵に手を伸ばした「アバッキオ」は、鏡の中へ引き込まれます(第52巻第482話、アニメ第13話)。
ところが正体は本人ではなく、アバッキオのムーディー・ブルースでした。ムーディー・ブルースは、過去にそこにいた人やスタンドの姿になり、行動を再生(リプレイ)するスタンドです。
鏡の中のムーディー・ブルースは、マン・イン・ザ・ミラーの首を絞め、組み合いで押し込みます(第52巻第482話)。
イルーゾォは別の破片を使い、本物のアバッキオを体の半分だけ引き込みました。ムーディー・ブルースのほうは半分だけ締め出して、両方を動けなくしています(同話)。
化けた姿を本人だと思って許可すると、スタンドでも鏡の中に入ってしまいます。ここが1つめの弱点です。
ジョルノの体に入っていたウイルス
ジョルノは、パープル・ヘイズのウイルスに自分から感染したまま、鏡の中へ引き込まれます。その結果、鏡の中のイルーゾォにもウイルスがうつりました(第52巻第483〜484話)。
イルーゾォに引き込まれることまで含めて、ジョルノの作戦どおりでした(第52巻第483話)。1つめと違い、入ってきたのは化けた姿ではなく本物のジョルノです。
本物の相手でも、ウイルスを持ったまま入られると感染は防げませんでした。これが2つめの弱点です。
イルーゾォは感染した腕の部分を切り離し、鏡の外へ逃げ出します。本体が外へ出ると、鏡の中に残された人は閉じ込められたままになります(第52巻第484話)。
マン・イン・ザ・ミラーの元ネタはマイケル・ジャクソンの曲
元ネタは、マイケル・ジャクソン(Michael Jackson)の曲「Man in the Mirror」です。荒木飛呂彦は『JOJOVELLER完全限定版 STANDS』(2013年)のコメントで、そう述べています。
デザインのイメージはヴェネツィアの仮面だということも、同じコメントで明かされました。作者本人が曲名を挙げているので、スタンド名の由来ははっきりしています。
曲は、アルバム『Bad』(1987年)からの4枚目のシングルとして、1988年1月に発売されました。作詞作曲はグレン・バラードとサイーダ・ギャレットで、米ビルボードの Hot 100 で1位になっています。
英語版の単行本やアニメの英語字幕では、曲名とは違う「Mirror Man」という名前です。ほかのスタンドの元ネタは、ジョジョのスタンド元ネタ一覧に、作者の発言の有無とあわせてまとめています。
マン・イン・ザ・ミラーが登場する巻と話数
マン・イン・ザ・ミラーが出てくるのは、第51巻第478話から第52巻第485話までです。アニメでは第5部第12〜13話にあたります。
戦いは2冊にまたがるので、出来事ごとに巻と話を分けました。
| 出来事 | 原作の巻・話 | アニメの話 |
|---|---|---|
| 初登場。フーゴが鏡の中の人影に気づく | 第51巻 第478話 | 第12話 |
| フーゴを引き込み、パープル・ヘイズを外に残す | 第51巻 第479〜481話 | 第12〜13話 |
| アバッキオに化けたムーディー・ブルースを引き込む | 第52巻 第482〜483話 | 第13話 |
| ジョルノを引き込み、ウイルスに感染する | 第52巻 第483〜484話 | 第13話 |
| イルーゾォが死亡し、鏡の世界が消える | 第52巻 第485話 | 第13話 |
第479〜485話の題は、どれも「マン・イン・ザ・ミラーとパープル・ヘイズ」です。その①〜⑦の番号を見れば、戦いのどの段階かが分かります。
第51巻は1997年2月4日、第52巻は1997年4月4日に発売されました。
文庫版で読むなら、第32巻(Parte5 黄金の風 3)の1冊で足ります。第470〜485話が入っていて、イルーゾォ戦が丸ごと収まります。
イルーゾォの最期は第52巻その⑦
イルーゾォが死亡するのは、第52巻第485話「マン・イン・ザ・ミラーとパープル・ヘイズ その⑦」です。
鏡の外へ逃げたイルーゾォの居場所は、ジョルノがレンガから生み出したヘビが追いました(第52巻)。外で待っていたパープル・ヘイズが、イルーゾォを捕まえます。
マン・イン・ザ・ミラーは、パープル・ヘイズの拳を受け止めました。それでもカプセルだけが外れて飛び、壁に当たって割れて、イルーゾォは感染します。
体はウイルスで消え、同時にスタンド能力も解除されました。閉じ込められていた人は、鏡の世界が消えて外へ戻ります(第52巻第485話)。
イルーゾォが外へ逃げただけでは、中の人は閉じ込められたままでした(第52巻第484話)。鏡の世界は本体が生きている間だけ続く、と覚えておくと決着の流れがつかめます。
マン・イン・ザ・ミラーに関連するスタンド・人物
イルーゾォ戦に関わるのは、ポンペイ遺跡へ向かったジョルノ、アバッキオ、フーゴの3人とそのスタンドです。鏡を使う第3部のスタンドも1つ添えました。
| 名前 | 関係 | 根拠の巻・部 |
|---|---|---|
| イルーゾォ | 本体。暗殺チームの一人 | 第51〜52巻 |
| パンナコッタ・フーゴ(パープル・ヘイズ) | 最初に引き込まれる。スタンドが最後にイルーゾォを倒す | 第51〜52巻 |
| レオーネ・アバッキオ(ムーディー・ブルース) | スタンドがアバッキオに化けて鏡の中に入る | 第52巻 |
| ジョルノ・ジョバァーナ(ゴールド・エクスペリエンス) | 感染したまま引き込まれ、ヘビで居場所を追う | 第52巻 |
| J・ガイル(ハングドマン) | 第3部の敵。スタンドが鏡像を攻撃して実体を傷つける | 第3部 |
ハングドマンも鏡に映る像を使います。ただし相手を鏡の中へ引き込むのではなく、映った像を攻撃して実体に同じ傷を負わせる能力です。
本体のイルーゾォには、原作の外で足された情報もあります。ゲームでの声は、『黄金の旋風』が根岸朗、『アイズオブヘブン』が中井和哉です。
TVアニメでは原作にない場面として、ホルマジオのスタンドを「くだらない」と見下す姿も描かれました。小説『恥知らずのパープルヘイズ』では、イルーゾォが過去にシーラEの姉を殺していたことが明かされています。
第5部のほかのスタンドは、ジョジョ5部のスタンド一覧で初登場の巻と一緒に探せます。
参考
- 『ジョジョの奇妙な冒険』第51巻・第52巻(集英社、1997年)
- TVアニメ『ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風』公式サイト STORY 第13話「マン・イン・ザ・ミラーとパープル・ヘイズ」
- 「ジョジョの奇妙な冒険」公式ポータルサイト TVアニメ『黄金の風』イルーゾォ
- Wikipedia「黄金の風」
- Wikipedia「スタンド (ジョジョの奇妙な冒険)」

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