ジョジョ8部 東方家の呪いとは|長男に代々出る岩のようになる病

東方家の呪いとは、ジョジョ8部『ジョジョリオン』の東方家で、長男に代々現れる病のことです。体が岩のようになって、やがて死に至ります。

死を避ける方法として伝わるのは、祠のある土地の力で、病を誰か別の人に移すことでした。

「なぜ長男だけがかかるの?」は、作中で答えが出ているのか迷いやすいところ。始まりとして語られるのはジョニィと理那の伝承(第5巻)までで、長男に出る理由は原作では明かされていません。

この記事では、発病した人と病の行き先、呪いが解ける第27巻までを巻数つきで整理しました。

第27巻(最終巻)までの展開と登場人物の生死に触れるので、ネタバレを避けたい人は注意してください。

ジョジョリオンの東方家とは|家系とスタンド一覧

東方家は、杜王町で「東方ふるうつ屋」と「東方フルーツパーラー」を営む一家です。家長は四代目の東方憲助で、身元の分からない定助を引き取りました(公式ポータルサイトの第8部紹介)。

初代は、第7部『スティール・ボール・ラン』に出てきたノリスケ・ヒガシカタです。四代目の憲助はその曾孫で、跡継ぎは五代目の常敏、六代目のつるぎへと続きます。

初代から六代目までの家長と、ジョースター家とのつながりはジョースター家の家系図の東方家の表にまとめています。

地元では名士として知られる一方、花都の殺人事件や長子の奇病の噂がつきまとう一家です。この「長子の奇病」こそが、東方家の呪いの正体です。

東方家の主な人物と、病との関わりを一覧にしました(年齢は作中の時点)。

人物(続柄・年齢)スタンド呪い(病)との関わり
東方憲助(四代目・家長、59歳)キング・ナッシング11歳で発病し、母・伴子の犠牲で生還
東方花都(憲助の元妻、52歳)スペース・トラッキング常敏とつるぎの病を他人へ移す
東方常敏(長男・五代目、32歳)スピード・キング11歳で発病し、花都の手で生還
東方密葉(常敏の妻、31歳)アウェイキング・IIIリーブスつるぎの母
東方鳩(長女、24歳)ウォーキング・ハート常敏を救った母が逮捕された、9歳のときを覚えている
東方常秀(次男、18歳)ナット・キング・コール—
東方大弥(次女、16歳)カリフォルニア・キング・ベッドちゃん—
東方つるぎ(六代目、9〜10歳)ペーパー・ムーン・キング発病するが、第27巻で完治
東方定助(憲助が引き取った青年)ソフト&ウェット半身の吉良吉影が治し方を見つけていた

定助を除く東方家の人物のスタンド名には、どれも「キング」が入っています。荒木飛呂彦も、Billboard JAPANのインタビュー(2021年)で「キング」で統一したと話しています。

語の終わりに「キング」が隠れた名前もあり、ウォーキング・ハートやスペース・トラッキングがその例です。「キング」を目印にすると、一覧の中から東方家の人のスタンドを見分けられます。

各スタンドが何巻で初めて出てくるかは、ジョジョ8部のスタンド一覧で確かめられます。

東方家の呪いとは|長男がかかる「岩のようになる病」

東方家の病は、記憶が少しずつ抜けるところから始まります。そこから段階を追って進み、最後は体が岩のように固くなります。

症状の進み方と、どんな人が何歳でかかったかを表にしました。

項目内容作中の例
最初の症状記憶が少しずつ抜けていく理那(第5巻)、常敏(第16巻)
進むと皮膚に折り紙のような線が入る理那の顔の折り目(第5巻)
最後は体が岩のように固くなり、死に至る理那は命に関わるほどに(第5巻)
かかる人長男がかかると伝わる。ただし長男に限らない理那、ホリー、野良犬の岩助
発病の年齢描かれた2人はどちらも11歳憲助(第7巻)、常敏(第16巻)

注意したいのが、「長男の病」という言い方です。伝承で最初にかかった理那も、吉良・ホリー・ジョースターも女性でした。

東方家の敷地の周りにいた野良犬の岩助まで、同じ病にかかっていました。「長男がかかると伝わるが、長男に限らない病」と覚えておくと、ホリーの話までつながります。

呪いの始まりとして語られる話|ジョニィと理那(第5巻)

病の始まりとして語られるのは、『ジョジョリオン』第5巻の第22話「杜王町『1901年』」です。ペット屋の老人が定助に聞かせる、杜王町の伝承として出てきます。

老人の話を順に追うと、次のようになります。

  1. ジョニィ・ジョースターの妻・理那が、原因不明の病にかかる。理那は初代東方憲助の娘
  2. ジョニィが第7部の「聖なる遺体」を盗み出し、病を世界のどこかの誰かに引き受けさせようとする
  3. 病を引き受けたのは、ジョニィと理那の長男ジョージ(III世)だった
  4. ジョニィはジョージを救うため、自分で病を引き受ける。1901年11月11日の夕刻に岩による事故に遭い、翌日未明に亡くなる

理那は東方家の娘、ジョージはジョースター家の息子です。伝承の中で、病は東方家からジョースター家へ移っています。

老人自身は、これは伝説だと断っています(第5巻第22話)。話を聞いた定助は、理那も東方家の人だったと気づき、自分と東方家の関わりを疑い始めます。

伝承で分かるのは、病が理那からジョージへ移った経緯までです。なぜその後も長男に出るのかは、ここでも語られません。

ジョニィの1901年の出来事は、ジョニィ・ジョースターの記事で年ごとに追えます。

東方家は病をどう移してきたか|祠の等価交換と花都の事件

東方家の病は、治すものではなく「誰かに移す」ものとして描かれます。発病した人ごとに、病の行き先を追うと次の表になります。

発病した人病の行き先・助かり方描かれる巻
東方理那聖なる遺体で取り除かれ、息子ジョージへ第5巻(伝承)
ジョージ・ジョースターIII世父ジョニィが引き受けて生存第5巻(伝承)
ジョニィ・ジョースター引き受けたあと、岩による事故で死亡第5巻(伝承)
四代目 東方憲助母・伴子の犠牲で生還第7巻(第30話)
東方常敏花都が上級生の命と交換して生還第16巻
東方つるぎ花都が新ロカカカで透龍へ移し、完治第27巻
吉良・ホリー・ジョースター治らないまま入院第4〜27巻

長男が助かった場面には、どれも身代わりになった人がいます。ジョージにはジョニィ、憲助には伴子、常敏には上級生、つるぎには透龍です。

祠の土地・聖なる遺体・新ロカカカでは、交換の仕組みが違います。その違いはロカカカ・新ロカカカ・壁の目の違いで整理しています。

祠で一晩過ごして病を移す言い伝え

東方家に伝わる方法は、発病したときに、二本松の根もとの祠へ行くことです。生贄となる誰かと一晩を過ごし、病をその人に移します。

生贄の役は、代々長男の母親が務める習わしでした。第16巻第64話では、代々の親が身を犠牲にしてきた歴史を、つるぎが語ります。

この土地には、一緒に埋めたもの同士が混ざり合う、等価交換の性質があります。憲助と常敏の病が治ったのも、この土地の力によるものです。

言い伝えどおりに進めば、長男がひとり助かるたびに、その母親がひとり命を差し出すことになります。

四代目 東方憲助は母・伴子の犠牲で助かった

四代目の憲助は、1963年の冬に11歳で発病しました。母の伴子が自分を犠牲にしたことで、生き延びています。

この経緯は、第7巻第30話で憲助自身が語ります。発病の年は、連載時には1971年で、単行本で1963年に直されました。

母に救われた憲助は、孫のつるぎのためなら自分の命を捨てると決めています。伴子と同じ役を、今度は祖父として引き受ける覚悟です。

東方常敏は花都が上級生の命と交換した(第16巻)

常敏の病を引き受けたのは、母の花都ではなく、常敏をいじめていた上級生でした。描かれるのは第16巻第64話「母と子」です。

小学生の常敏は、野外活動で一緒だった男子中学生にいじめられていました。追い詰められた常敏にスピード・キングが目覚め、上級生は瀕死になります。

花都は、11歳で発病していた常敏の病と上級生の命を、土地の力で交換しました。上級生はそのまま亡くなり、遺体は5年後に見つかっています。

伝統どおりなら母の花都が生贄になるところを、他人の子の命で払ったわけです。本人は今でも、殺人は正しいことだったと言い切っています。

罪をすべて被った花都は逮捕され、殺人罪で15年服役しました。出所した花都が初めて姿を見せるのは、第14巻第55話です。

つるぎの代で呪いが解けるまで|ロカカカから第27巻へ

つるぎの病は、第27巻で花都が新ロカカカを使って透龍へ移し、完治します。そこに至るまで、つるぎ本人・憲助・常敏がそれぞれ別の道で治し方を探していました。

つるぎは夜露のロカカカに望みをかけた(第7巻)

まだ発病していなかったつるぎは、いずれ来る病におびえていました。そこにつけこんだのが、建築家の八木山夜露です。

夜露は病を治すことを条件に、つるぎを定助殺しの計画へ引き込みました(第7巻)。つるぎが取引に乗ったのは、同じ病の野良犬・岩助が、夜露のロカカカで生き延びたのを見たからです。

病を治す手がかりがロカカカにあると分かってからは、つるぎは定助に協力する側に回ります。

憲助と常敏は別々の道でつるぎを救おうとした

憲助が定助を引き取ったのは、定助の半身・吉良吉影が、病を治す方法を見つけていたからです。第7巻第27話で、長男の病を克服したいという目的を定助に打ち明けます。

父の常敏は、第8巻第33話で帰国します。ロカカカ密売団の外部協力者として、闇取引の資金洗浄を担っていた人物です。

常敏の狙いは、新ロカカカでつるぎを救い、東方家をさらに栄えさせることでした。憲助は定助を通じて、常敏は密売団を通じて、同じ新ロカカカを追っていたことになります。

新ロカカカの収穫を目前に、つるぎはついに発病して動けなくなります。悪事が憲助に知られた常敏は父と対立し、第24巻で厄災に巻き込まれて死亡しました。

花都がつるぎの病を透龍へ移す(第27巻)

決着をつけたのは花都です。定助のゴー・ビヨンドで致命傷を負った透龍の前に現れ、スペース・トラッキングで動きを止めます(第27巻)。

花都は、能力で挟んで隠していたつるぎを透龍に触れさせ、等価交換を始めます(第107話)。続けて、新ロカカカの接ぎ木から搾った樹液をつるぎに飲ませました(第108話)。

病は透龍へ移り、透龍の体は崩れて死亡します。つるぎは完治し、花都は代償の厄災を受けて、家族に看取られながら亡くなりました。

憲助が第7巻で明かした「長男の病の克服」という目的は、この場面で果たされます。決戦の流れと登場人物のその後は、ジョジョリオンの結末で順に追えます。

「これは『呪い』を解く物語」の意味|第1話と第27巻

「これは『呪い』を解く物語」は、語り手の広瀬康穂が第1話と最終巻で語るナレーションです。作中で「呪いが解けた」と語られるのは、東方つるぎの病が治った場面でした。

第1巻第1話の康穂は、呪いの由来にはいろいろな説があるが、呪いは解かなければならない、と語ります。

最終巻の第27巻は、巻の題も第107話の題も「全ての呪いが解けるとき」です(2021年9月17日発売)。第108話の冒頭では、第1話と同じ言葉がもう一度出てきます。

同じ第108話で、康穂は、つるぎが治って呪いが解けたと語ります。第1話の言葉の答えを探している人は、第27巻第108話を開いてみてください。

ただし、つるぎと同じ病にかかっていたホリーは、治らないまま物語が終わります。題の「全ての」と食い違って見えるので、読み終えて引っかかりやすいところです。

原作に書かれていること・書かれていないこと

第27巻まで読んでも答えが出ない疑問は、長男に出る理由だけではありません。疑問ごとに、原作に書かれている範囲と、明かされていない部分を表で分けました。

疑問原作に書かれていること明かされていないこと
病はいつ始まった?理那の病がジョージへ移った伝承(第5巻)伝承が実際の出来事かどうか
なぜ長男がかかる?長男がかかると伝わり、憲助・常敏・つるぎが発病長男に出る理由
長男以外もかかる?理那・ホリーも発病。ホリーは東方家の血を引く長男以外がかかる条件
呪いは解けた?つるぎの病が透龍へ移って完治(第27巻)つるぎより後の代がどうなるか
ホリーの病は?岩人間の支配からは解放、病は治らない(第27巻)その後に治るかどうか

「明かされていないこと」の列は、第27巻まで読んでも原作に答えがない部分です。「なぜ長男なのか」を探して読み返す前に、ここを確かめておくと迷わずに済みます。

よくある疑問

東方家の第一子(長男)が病気になる理由は作中で説明されている?

説明されていません。原作で語られるのは、第5巻の伝承と、「長男がかかる」という東方家の言い伝えまでです。

伝承で最初にかかった理那は、二代目憲助の妹です。家系図では二代目が1872年、理那が1874年の生まれで、理那は長男でも第一子でもありません。

呪いの原因はジョニィ・ジョースターなの?

原作では、ジョニィが病の原因だとは語られていません。伝承の順番では、理那が病にかかったのが先で、ジョニィが聖なる遺体を使ったのはそのあとです。

遺体の力で、理那の病は息子のジョージへ移りました。伝承はさらに、ジョニィを追って来日した者たちが、遺体を回収して帰国したと続きます。

ジョニィが関わったのは病の「移り先」で、病そのものの始まりではない、というのが伝承の筋です。

つるぎが女の子の格好をしていたのはなぜ?

東方家の掟で、長男を12歳まで娘として育てるからです。病気の魔物を遠ざける魔よけで、つるぎの一人称も「あたし」でした(のちに「僕」に変わります)。

掟そのものは迷信で、病の解決にはつながっていません。

吉良・ホリー・ジョースターの病も東方家の呪い?治ったの?

ホリーの病は、東方家の血を引く者に出る病です。現代医学では治せず、進行を遅らせることしかできません。

ホリーはジョニィと理那の曾孫にあたり、理那からジョージIII世、ジョセフを経て東方家の血を引く人物です。第7巻第27話でも、憲助が、東方家と吉良家は同じ病の運命にあると定助に話しています。

第26〜27巻で定助が院長の本体・透龍を倒し、ホリーは岩人間たちの支配から解放されました。それでも病は治らず、治す材料だった新ロカカカも決戦のあいだに使い切られています。

治らないまま終わったほかの謎は、ジョジョリオンの矛盾と未回収の伏線にまとまっています。

根拠となる描写と発言

この記事で使った原作の場面と作者の発言を、巻と話の順に整理しました。

描写・発言出典それが示すこと
康穂のナレーション「これは『呪い』を解く物語」第1巻第1話(2011年)物語の柱が呪いを解くこと
ペット屋の老人の伝承第5巻第22話理那からジョージ、ジョニィへと病が移った
つるぎが康穂に病のことを話す第6巻第26話代々の長男に出る病が家の中で伝わっている
憲助が定助に目的を明かす第7巻第27話吉良家も同じ病の運命。吉影は治し方を見つけていた
憲助が語る発病と母の犠牲第7巻第30話「キング・ナッシング」1963年冬に11歳で発病し、母の犠牲で生還
花都と常敏の過去第16巻第64話「母と子」常敏の病を上級生の命と交換した
花都がつるぎを透龍に触れさせる第27巻第107話「全ての呪いが解けるとき」新ロカカカでの最後の交換が始まる
呪いが解けたと康穂が語る第27巻第108話つるぎの完治で呪いが解ける
東方家のスタンド名は「キング」で統一荒木飛呂彦の発言(Billboard JAPAN、2021年)東方家のスタンドに共通する名づけ

病の話だけを読み返したいなら、第5巻・第16巻・第27巻の3冊で、始まり・移し方・解けるまでがそろいます。伴子の犠牲まで確かめたい人は、第7巻も足してください。

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参考

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