クリームは、ジョジョ第3部『スターダストクルセイダース』に登場するヴァニラ・アイスのスタンドです。口の中の暗黒空間に飲み込んだ物を消し去り、本体ごと口の中に隠れると、この世界から気配が完全に消えます。
「攻撃が届かないのに、なぜ負けたの?」と引っかかっている人へ。実は隠れている間は外が見えず、通った跡も残ります。
この記事では、できること・できないことを第26巻の話数つきで整理し、元ネタのバンドとアニメの話数までまとめました。
この記事は、第26巻のDIOの館での戦いの決着まで触れます(ネタバレを含みます)。
クリームの基本情報(ヴァニラ・アイスのスタンド)
本体や初登場の巻と話、ステータス、元ネタを表にまとめました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 本体 | ヴァニラ・アイス(DIOの側近) |
| 登場する部 | 第3部『スターダストクルセイダース』 |
| 初登場(原作) | 第26巻 第238話 |
| 初登場(TVアニメ) | 第3部第42話 |
| 本体の声(TVアニメ) | 速水奨 |
| 名前が明かされた資料 | 画集『JoJo6251 荒木飛呂彦の世界』(1993年) |
| ステータス | 破壊力B/スピードB/射程距離D/持続力C/精密動作性C/成長性D |
| 姿 | 大きな口と2本の角を持つ骸骨のような像 |
| 元ネタ | イギリスのバンド、クリーム(Cream) |
「ヴァニラ・アイスのスタンドの名前は?」と迷ったことがあるなら、分からなくて当然です。原作の劇中では、スタンド名が出てこないからです。
名前は、表にある画集『JoJo6251』で明かされました。ステータスも、画集『JOJO A-GO!GO!』(2000年)でさかのぼって付けられた値です。
デザインは、死神や中世フランスの死刑執行人のイメージです。荒木飛呂彦が『JOJOVELLER完全限定版 STANDS』(2013年)のコメントで明かしています。
クリームの能力|暗黒空間に飲み込んで消す
使い方は2つ。口の中に「飲み込んで消す」ことと、本体ごと「隠れる」ことです。
TVアニメ公式ポータルの紹介文も、この2点で書かれています。順番に見ていきましょう。
飲み込んだ物は本体とクリーム以外すべて消える
人の体も例外ではありません。最初に飲み込まれたのは、ポルナレフとイギーを突き飛ばしてかばったアヴドゥルです。
あとには両腕だけが残りました(第26巻 第239〜240話)。行方を聞くポルナレフに、ヴァニラ・アイスは「こなみじんになって死んだ」と言い放ちます(第240話)。
飲み込まれた物は、霧のように散って消えてしまいます。口の中がどこに通じているのかは、ヴァニラ・アイス自身も知りません(第240話)。
能力を使うときの擬音は「ガオン」。第4部のザ・ハンドが空間を削るときにも、同じ「ガオン」が出てきます。
本体ごと隠れると気配が消える
隠れるときは、まずクリームが本体を頭から飲み込みます。続けて自分自身を脚のほうから飲み込み、姿を消します(第238話)。
あとに残るのは、球の形をした暗黒空間の入り口だけです。DIOによれば、クリームはこの世界から完全に姿を消します(第238話)。
入り口はスタンド使いにも見えず、空気も動かしません。隠れている間は、音や匂いを含むあらゆる情報が遮断されます。
アヴドゥルの炎の探知機にも、イギーの鼻にもかからなかったのはこのためです(第239〜240話)。
隠れたまま動くと、通り道にある物を削り取りながら進みます。部屋の壁に大穴を開けて出ていき(第238話)、ポルナレフたちがふさいだ扉も破ってきました(第240話)。
逃げるポルナレフとイギーにも追いつきました(第240話)。床下から現れて、ポルナレフの足先を消した場面もあります(第241話)。
外から暗黒空間の球を突いても、傷は負わせられません。シルバーチャリオッツが剣で突くと、剣のほうが消えてしまいます(第243話)。
見えない、探知できない、攻撃も効かない。ここまでだと隙がないように見えますが、次の表の「できない」の行に決着の鍵があります。
クリームのできること・できないこと
できることの中心は「消す」「隠れる」「隠れたまま進む」の3つです。隠れたまま外を見ることと、跡を残さずに進むことはできません。
原作で描かれた場面を、話数つきで表にしました。
| 項目 | できる・できない | 根拠(巻・話) |
|---|---|---|
| 飲み込んだ物(人の体も)を消す | できる | 第26巻 第239話 |
| 本体とクリーム自身は消えずに口の中に入る | できる | 第26巻 第238話 |
| 本体ごと隠れて気配を消す(炎の探知機やイギーの鼻にもかからない) | できる | 第26巻 第239〜240話 |
| 隠れたまま壁・扉・床を削って進む | できる | 第26巻 第238〜241話 |
| スタンドで本体の首を切り落とす | できる | 第26巻 第238話 |
| 隠れている間に剣で突かれても傷を負わない(剣が消える) | できる | 第26巻 第243話 |
| 隠れたまま外の様子を見る | できない | 第26巻 第242〜243話 |
| 物をすり抜けて、跡を残さずに進む | できない | 第26巻 第242話 |
| 顔を出している本体への攻撃を防ぐ | できない | 第26巻 第242話・第244話 |
隠れている間は傷を負わない代わりに、外の様子も分かりません。ポルナレフとの勝負を分けたのは、表の下の3行です。
クリームの弱点|外が見えない・跡が残る・日の光
弱点は、スタンドに2つ、本体に1つあります。どれも原作でポルナレフが実際に突いたものです。
| 弱点 | 原作で起きたこと | 巻・話 |
|---|---|---|
| 隠れている間は外が見えない | 確かめるために顔を出したところを、シルバーチャリオッツに口や額を突かれる | 第26巻 第242話・第244話 |
| 物をすり抜けず、壊しながら進む | ザ・フールの砂を舞い上げられ、砂が消えていく跡で位置を読まれる | 第26巻 第242話 |
| (本体)DIOの血で吸血鬼にされていた | カーテンを切り裂いて入れた日の光で崩れ去る | 第26巻 第245話 |
第242話で口を貫かれても倒れなかったのは、吸血鬼の体だったからです。本人も、自分が吸血鬼にされていたことに気づいていませんでした。
吸血鬼にされたのは、初登場の第238話です。DIOに血を求められたヴァニラ・アイスは、クリームで自分の首を切り落としました。
その血を惜しんだDIOは、逆に自分の血を注いでヴァニラ・アイスを生き返らせます(第238話)。
決着までの流れは、表の弱点のとおりに進みます。外が見えないヴァニラ・アイスは、館の壁を手当たりしだいに削り始めました。
やがて円を描くように部屋を回り、その輪を少しずつ縮めてポルナレフを追い詰めます(第243話)。
そこへ、瀕死のイギーが最後の力でザ・フールを使います。ポルナレフは砂に支えられて天井へ逃れ、暗黒空間をかわしました(第244話)。
仕留めたと思って顔を出したヴァニラ・アイスが、天井を見上げます。そこでイギーが力尽き、落ちてきたポルナレフが額を剣で貫きました(第244話)。
TVアニメ第3部第44話の公式あらすじにも、ポルナレフの剣先が頭を貫いたと書かれています。
それでも、首を折られたヴァニラ・アイスは起き上がってきます。ポルナレフは吸血鬼にされていたと見破り、窓のカーテンを切り裂いて日の光を入れました(第245話)。
挑発されて日の光の中へ飛び込んだヴァニラ・アイスは、跡形もなく崩れ去ります(第245話)。
クリームは無敵? ヴァニラ・アイスの強さ
原作で攻撃が当たったのは、本体かクリームが暗黒空間の外に出ているときだけです。たとえば第242話の口、第244話の額、第245話の日の光がそうです。
TVアニメ公式ポータルのクリームの紹介には、強さの順位や、ほかのスタンドとの比較は書かれていません。
ステータスの破壊力はBです。第3部で破壊力がAなのは、スタープラチナとザ・ワールドの2体だけ。
破壊力の値は、スタンドそのものの力を表すものです。暗黒空間で消す力は固有の能力によるので、Aにはなっていません。
この戦いでは、アヴドゥルとイギーの2人が命を落としました(第239話・第244話)。TVアニメ第3部第43話の公式あらすじも、「長く険しい旅を共にしてきた仲間との、突然の別れ」から始まります。
「無敵なの?」への答えは、「隠れている間は攻撃が届かないが、顔を出した瞬間は無防備」です。ポルナレフは、外が見えないことと跡が残ることの2つを突いて破りました。
クリームの元ネタはイギリスのバンド「クリーム」
由来が載っているのは、集英社のジャンプリミックスです。『スターダストクルセイダースvol.9 亜空の瘴気ヴァニラ・アイス編』の170ページにあります。
同じページの「The Secret of JOJO Characters」には、本体名の由来も書かれています。アメリカのラッパー、ヴァニラ・アイスです。
本体もスタンドも、名前はミュージシャンから取られているわけです。
バンドのクリーム(Cream)は、イングランド出身の3人組のロックバンド。1966年にジャック・ブルース、エリック・クラプトン、ジンジャー・ベイカーが結成し、1968年に解散しました。
バンド名は、3人が「cream of the crop(選りすぐりのもの)」と見なされていたことから付けられています。
第3部のスタンド名の多くは、タロットかエジプト9栄神のカードがもとになっています。クリームは、そのどちらのカードにもよらないスタンドです。
ほかのスタンドの名前のもとは、ジョジョのスタンド元ネタ一覧で確かめられます。
クリームが登場する巻と話数
原作では、第26巻の1冊に主な出番がまとまっています(第238〜245話、1992年4月10日発行)。各話の題は「亜空の瘴気 ヴァニラ・アイス その①」から「その⑧」です。
主な場面を、原作の話とTVアニメの話数で対応させました。
| 出来事 | 原作(巻・話) | TVアニメ(第3部) |
|---|---|---|
| 初登場。首を切って血を捧げ、本体ごと隠れて部屋を出る | 第26巻 第238話 | 第42話 |
| アヴドゥルを飲み込む | 第26巻 第239話 | 第42話 |
| 館を削りながらポルナレフとイギーを追う | 第26巻 第240〜241話 | 第43話 |
| 砂で通り道を読まれ、口を突かれる | 第26巻 第242話 | 第43話 |
| 円を描くように部屋を削る | 第26巻 第243話 | 第43話 |
| 顔を出したところを額から貫かれる | 第26巻 第244話 | 第44話 |
| 日の光で本体が崩れ去る(決着) | 第26巻 第245話 | 第44話 |
アニメで追うなら、第3部第42〜44話の3話です。放送は2015年5月9日・16日・23日でした。
文庫版なら、『Part3 スターダストクルセイダース』第9巻(2002年10月18日)に戦いのすべてが入っています。収録は第235〜250話です。
原作とTVアニメ・OVAの違い
日の光を入れる方法は、原作とTVアニメで違います。原作では窓のカーテンを切り裂きますが(第245話)、TVアニメ第44話では扉を壊して光を入れます。
OVAでこの戦いを描くのは、Adventure 11「DIOの世界 -亜空の瘴気ヴァニラ・アイス-」です。1994年8月9日に発売されました。
OVAのアヴドゥルは、DIOの攻撃を受けたあと、駆け寄ったポルナレフをかばって飲み込まれます。イギーは、クリームに下半身を消し飛ばされてしまいます。
日の当たる中庭での戦いでは、ヴァニラ・アイスはクリームの口の外に出ていません。最期も原作とは違い、イギーの死に激怒したポルナレフの猛攻で頭部を切断されます。
OVAから入った人は、原作の決着が「日の光で崩れ去る」形だと覚えておいてください。
クリームと関係するスタンド・人物
能力を比べられるスタンドと、この戦いに関わった人物をまとめました。
- ザ・ハンド(第4部・虹村億泰): 同じ擬音「ガオン」で空間を消すスタンド。消し方と動き方の違いはザ・ハンドの能力の記事の表で比べています
- シルバーチャリオッツ(ポルナレフ): クリームを破った相手。剣の技やスピードはシルバーチャリオッツの能力にまとめています
- ザ・フール(イギー): 砂のDIOで仕掛け、最後の力でポルナレフを救ったスタンド。砂の使い方はザ・フールの能力で
- モハメド・アヴドゥル(マジシャンズレッド): 炎の探知機にかからなかったクリームに、最初に飲み込まれた人物。最期の場面はモハメド・アヴドゥルの記事で詳しく
- DIO: 血を捧げたヴァニラ・アイスを、自分の血で吸血鬼として生き返らせた主君(第238話)


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