ジョジョのアニメはひどい? 原作との違いは追加場面と黒塗り

TVアニメ『ジョジョの奇妙な冒険』は、話の筋もセリフも原作どおりが基本です。違いは、アニメで足された場面、話の順番、絵柄や色の演出、テレビ放送でかかった「黒い影」の4つです。

「4部のアニメはひどいって聞くけど、何が変わったの?」「承太郎のタバコが黒いのはなぜ?」と気になっている人へ。第1部から第7部まで、原作と違う場面を話数つきの表にまとめました。

第7部は配信中なので、2026年10月20日時点の公式の発言と配信済みの話までを扱います。この記事は第2・4・6部の最終話と第5部の後半の場面まで触れます(ネタバレを含みます)。

ジョジョのアニメと原作の違い早見表

原作との主な違いを、部ごとに1行でまとめました。話数はシーズンごとの数え方です。

部(シーズン)原作との主な違い目立つ話数
第1部(1st Season)原作44話分を9話に。削った場面は少ない第1〜3話で原作17話まで
第2部(1st Season)「ナチス」を「ドイツ軍」に。最終話のエピローグに場面を追加第26話(最終話)
第3部(2nd Season)オリジナル場面の追加。放送では承太郎の喫煙に黒い影第6・18・25・34〜35話
第4部(3rd Season)話の順番を入れ替え、吉良を第1話から見せる第1・7・39話
第5部(4th Season)暗殺チームとフーゴの場面を追加第7・10・12〜13・28話
第6部(5th Season)ラストシーンの空にF・Fを追加第38話(最終話)
第7部(6th Season)擬音の調整、3DCGの馬、鉄球の波紋の表現1st STAGEほか(配信中)

違いの中心は、アニメで足された場面です。テレビ放送の規制として話題になったのは、第3部で承太郎の喫煙にかかった黒い影でした。

各部の話数と配信日は、ジョジョアニメの話数一覧で確かめられます。

部ごとの変更点(原作とアニメの違い)

各部の表は「場面/原作/アニメ」の3列です。原作の欄が「—」の行は、アニメで丸ごと足された場面や設定を表します。

原作を読んでいない人も、見たことのある部の表から読むと違いをつかみやすくなります。

1部のアニメは原作44話を9話にまとめた

アニメ1話あたりに、原作のほぼ5話分が入る計算です(公式ポータル「プロダクションノート」03)。最初の山場になる原作17話までは、冒頭の3話で一気に描き切りました(同01)。

それでも公式は「エピソードはほとんど割愛していない」と書いています(同03)。

絵柄は、ファンがイメージする原作第3部〜第5部の「中央値」をもとに作られました(同02)。劇画に近い初期の絵よりも、「全体的にマイルドでカジュアルな造形」です。

削られたり変わったりした場面には、たとえば次の3つがあります。

場面原作アニメ
ワンチェンがジョナサンを暗殺しようとする場面あるカット
怪人ドゥービーの最期操られたヘビたちに食われる最初に噛みついたヘビから伝わった波紋で消える
ブラフォードの剣—メアリー・スチュアートから贈られた物という設定

原作と見比べて「場面がない」「話が違う」と感じたら、まずはこの3行が手がかりになります。

2部のアニメは「ナチス」が「ドイツ軍」に

第1部と第2部は、1st Seasonとして続けて放送されました。制作側の当初の希望は、第1部が1クール、第2部が2クールです(プロダクションノート03)。

実際には2つの部をまとめて2クールで放送し、24話に収まらず26話になりました(同03)。

場面原作アニメ
軍の呼び方ナチス「ドイツ軍」
エシディシの技の名前炎の流法熱の流法
ジョセフを捕まえようとする大男ブルート登場する場面ごとカット
最終話(第26話)のエピローグスモーキーとシュトロハイムのその後を記すスモーキーの号泣と成長した姿、戦線に立つシュトロハイム

ゲームでも、呼び方は「ドイツ軍」に統一されています。

第26話のエピローグにあたる部分は、原作にもあります。スモーキーはジョージア初の黒人市長になり、シュトロハイムは1943年のスターリングラード戦線で戦死しました。

アニメは、そこに場面を描き足しています。ジョセフの生存を知ったスモーキーが号泣する場面は、そのひとつです。

3部のアニメはオリジナル場面の追加と放送の黒い影

第3部は全48話。公式は「もっとも原作に近い絵柄」で作られたシーズンと紹介しています(プロダクションノート01)。

そのうえで、「随所にアニメオリジナルのシーンも追加」されました(同03)。

場面原作アニメ
「太陽(サン)」の回2話で終わる短い話第18話の1話にまとめ、半分以上がオリジナル
6人の集合写真第5部で承太郎の机にあるが、撮る場面はない第25話で撮影の場面を追加
家出少女の名前出てこない作者の命名で「アン」
ペット・ショップ回想の鳥は別のオウムポルナレフの回想でDIOの肩に止まる
シェリーの土人形アヴドゥルが壊すポルナレフが自分でとどめを刺す
マニッシュ・ボーイ一行の就寝中に一服喫煙の場面を描かない

公式は、こうした追加でエジプトへ向かう旅の「ロードムービー感」が増したと説明しています(同03)。「太陽(サン)」の回では、冒頭に高級車を買う場面も足されました。

承太郎の喫煙にかかった黒い影は、このあとの見出しで詳しく扱います。アニメの何話が原作の何巻にあたるかは、ジョジョ3部は何話まで?の対応表にまとめています。

4部のアニメは話の順番と絵柄が変わった

キャラクターデザインは、第3部の小美野雅彦から西位輝実に替わりました。シリーズディレクターも、鈴木健一から加藤敏幸に交代しています。

公式の振り返りの見出しは「異色作ゆえ、ガラリと方向転換」です(プロダクションノート01)。同じページには、「シーズンごとにビジュアルコンセプトが一新されていく」ともあります。

絵柄が変わるのは、第4部に限った話ではありません。

構成について、公式は「アニメシリーズを通じてもっとも大胆」と書いています(同03)。原作では後半に登場する吉良吉影を、第1話の冒頭から見せました。

場面原作アニメ
第1話の冒頭吉良吉影は後半で登場杜王町RADIOを背景に吉良の朝食
話の順番掲載順放送順が一部違う
後半の人物後半で初登場序盤にカメオ出演。由花子は第7話に先行登場
MCのカイ原田登場しない(アニメオリジナルのキャラクター)杜王町RADIOのMC。声だけで姿は出ない
小林玉美の背丈長身から回を追うごとに縮む最初から低め
億泰の父がトニオの料理を食べる場面—最終話(第39話)のエピローグに追加

放送順が変わった関係で、辻彩は鈴美のもとにスタンド使いが集まる場面にも顔を出します。

「最終回はアニメオリジナル?」と気になる人もいますが、足されたのはエピローグの場面です。億泰の父は元の体に戻れず、肌がきれいになっただけで終わります。

5部のアニメは暗殺チームとフーゴの場面が足された

第5部の監督は木村泰大と髙橋秀弥、キャラクターデザインは岸田隆宏です(プロダクションノート01)。構成で一番大きいのは「チーム戦であることがより強調されている」点だと、公式は説明しています(同03)。

場面原作アニメ
暗殺チームの顔ぶれ刺客として出た順に分かる第10話で全員の顔が判明。レストランの食事風景も
リゾット仲間が全員死んだあとに登場登場が早まり、リーダーとしての描写が増える
フーゴの過去教授を殴った理由までは語られないイルーゾォ戦(第12〜13話)で詳しく描く
フーゴの離脱ブチャラティについて行かず残る「正しい馬鹿にはなれない」と悔やみながら見送る
ダンスの場面4コマ程度第7話で約40秒
アバッキオが倒れた地面ジョルノが何かする描写はない第28話で一面に花が咲く
表記「GIOGIO」。通貨は単行本では円「JOJO」。通貨は「リラ」

暗殺チームの場面が先に入るので、アニメでは刺客が来る前から相手の顔ぶれが分かります。

約40秒のダンスは、イタリアでの現地取材中に木村監督が頼んだものです(プロダクションノート04)。

第28話「今にも落ちて来そうな空の下で」は、アバッキオの死を描く回です。その場面を、放送の後半(Bパート)まるごとに広げました(同03)。

花を足したのは、絵コンテと演出を担当した髙橋監督です。原作ではジョルノがアバッキオに何もしていないことが、高校生のころから気になっていたと話しています(同03)。

フーゴの離脱と、その後を描いた小説はパンナコッタ・フーゴの記事で追っています。

6部のアニメはラストシーンにF・Fが加わった

第6部の総監督は鈴木健一、キャラクターデザインは筱雅律です。最終話のラストシーンとエピローグの新世界に、原作にない顔ぶれ・名前・場面が加わりました。

場面原作アニメ
ラストシーンの空に並ぶ面々F・Fはいないアナスイとエルメェスの間にF・F
新世界のエルメェスに似た女性名前は出ない「エルディス」と命名
その女性とアイリンともに旅をするすぐ打ち解けて友人になる場面を追加

F・Fは、総監督の鈴木健一が荒木飛呂彦の許可を取って加えたアニメオリジナルです。徐倫役のファイルーズあいも「アニメオリジナルでF・Fを入れてくださった」と話しています(マイナビニュース、2023年)。

どれも、結末の流れそのものを変える追加ではありません。

7部のアニメは擬音・馬・EDが変わった(2026年10月20日時点)

監督は木村泰大と髙橋秀弥、キャラクターデザインは津曲大介です。第7部は配信中なので、木村監督の公式インタビュー(前編・後編)と公式ポータルの発表から分かる違いを扱います。

ジョニィとジャイロの「やり取りやセリフは、できるだけ削らないように」している、と監督は話しています(前編)。

場面原作アニメ
擬音大量に描かれるファンが物足りなくないバランスに調整
鉄球の表現波紋の表現はない1st STAGEで波紋の表現を追加
野営や食事の場面—原作になくてもなるべく入れる
馬手描きの漫画足先まで映るときは3DCGが多い

擬音を調整したのは、アニメでは「大量の擬音はやっぱり浮いてしまう」からです(前編)。馬は全体で5000カット以上を想定していて、すべて手描きにするのは現実的でないと語られています(後編)。

要するに、原作のコマにあった擬音と馬を、アニメの画面に合う量と描き方に置き換えたということです。

鉄球の波紋は、過去のシリーズとのつながりを持たせるために入れたものでした(後編)。

原作との違いではありませんが、エンディング曲にも変化があります。第7部のEDは千葉雄喜「死ぬか生きるか」です(公式ポータル、2026年9月25日)。

第6部までの通常のED7曲は、どれもすでに発表されていた洋楽でした。歴代の曲名はジョジョアニメ主題歌の一覧にまとめています。

承太郎のタバコが黒塗りなのはなぜ?(アニメの黒い影)

原作でもアニメの本編でも、承太郎はタバコを吸っています。黒い影がかかったのはテレビ放送で、Blu-ray&DVDでは外れている巻があります。

「アニメで描き変えられた」のではなく「放送で隠された」というのが、混ざりやすいポイントです。

第3部の承太郎は17歳の高校生です(原作第14巻)。テレビ放送では、未成年の人物がタバコを吸う場面に黒い影を重ねていました。

Kotaku(2015年3月23日)は、承太郎が17歳で、日本の喫煙年齢が20歳だからだと報じています。日本民間放送連盟の放送基準には、こんな一文があります。

(22) 20歳未満の喫煙、飲酒を肯定するような取り扱いはしない。(日本民間放送連盟「放送基準」3章)

同じ回に出てくる大人の喫煙と比べると、扱いの違いがはっきりします。

人物場面テレビ放送での扱い
空条承太郎(17歳)第6話の船上、第34〜35話のダービー戦など口元から顔の下半分に黒い影
水パイプを吸う大人たち承太郎が隠されたのと同じ回隠されない

隠したのはタバコをくわえた顔だけで、煙は隠れていませんでした(Kotaku)。

第3部の表にあるマニッシュ・ボーイ(生後11か月)の一服は、黒い影ではなく場面ごと描かれていません。海外での番組販売の都合です。

黒い影は、17歳の承太郎の喫煙にかかった処理です。作中のタバコを全部消したわけではありません。

ブルーレイなら黒塗りなしで見られる? 放送版とソフト版の違い

エジプト編のBlu-ray&DVD第3巻では、承太郎のタバコが黒い影なしで映っています。第3巻は2015年6月24日発売で、第33〜36話を収めています。

ジョジョの話題だけを扱う情報サイト@JOJOが、届いた実物でダービー戦を確かめました。記事には「承太郎のタバコはハッキリと見ることが出来る」とあります(2015年6月23日)。

ほかの巻や配信の版がどうなっているかは、公式ポータルに説明がありません(2026年10月20日時点)。

版承太郎のタバコ根拠
テレビ放送(2014〜2015年)黒い影で隠すKotaku(2015年)、TRILL(2025年)
Blu-ray&DVD(エジプト編第3巻)映る@JOJO(2015年)
配信公式の説明なし公式ポータル(2026年10月20日時点)

黒い影のない映像を確かめたいなら、手がかりがはっきりしているのはソフト版のほうです。

間違えやすいところ

アニメで原作が変えられたように見えて、実は別の理由がある話を4つまとめました。

2008年の出荷停止はOVA版の話

きっかけは、1993〜2002年に出た旧OVA版でのコーランの扱いです。これが問題とされ、集英社とA.P.P.P.が謝罪しました。

このとき、OVAに加えて原作の一部と画集の出荷も一時停止しています。原作は2009年2月から、該当箇所を直した版で販売が再開されました。

旧OVA版は、2012年に始まったTVアニメとは別の作品です。2つの違いはジョジョOVAとTVアニメ版の違いにまとめています。

「作画崩壊」に見えて、原作の絵どおりのこともある

アニメ第3部第31話のモブの少年たちの顔は、原作第22巻の絵をそのまま写したものです。ジョセフにくっついたタイヤの網目も、原作どおりです。

@JOJO(2015年2月25日)が、アニメと単行本の同じ場面を並べて確かめています。

崩れて見える絵に出会ったら、原作の同じコマと見比べてみてください。

場面ごとに色が変わるのは「シーン特色」

基本の色を決めたうえで、心が大きく揺れる場面や山場で、服や髪の色を変える演出です。公式は「シーン特色」「カット特色」と呼んでいます(プロダクションノート02)。

荒木飛呂彦のカラー原稿でも、同じ人物の色が「ガラリと変化する」ことはよくあります(同02)。この演出は4th Seasonまで受け継がれました。

色が違う場面は、塗り間違いではなく狙って変えた場面です。

ホル・ホースの禁煙パイプは原作での変化

ホル・ホースのくわえタバコは、原作の途中で禁煙パイプに変わっています。テレビ放送で黒い影がかかったのは承太郎の喫煙で、こちらとは別の話です。

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参考

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