イギーは、ジョジョ第3部『スターダストクルセイダース』でエジプトに上陸した承太郎たちに加わる、スタンド使いの犬です。犬種はボストン・テリアで、スタンドは砂を操るザ・フール(愚者)、TVアニメの声優は福圓美里です。
この記事は、イギーの最期を含む第3部の結末の一部に触れます(ネタバレを含みます)。イギーが命を落とすのは第26巻のヴァニラ・アイス戦で、アニメでは第3部第44話です。
初登場の第20巻と後半とで顔つきがかなり違うので、「本当に同じ犬?」と迷いやすいところ。プロフィールから媒体ごとの声優、登場する巻と話、名前の由来まで、根拠の巻数つきでまとめました。
イギーのプロフィール(犬種・身長・好物)
イギーは、血統書付きのボストン・テリアです。公式ポータルサイトでは、「野良犬の帝王」だったところをスピードワゴン財団に保護された、と紹介されています。
原作と公式サイトで分かる範囲を表にまとめました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 登場する部 | 第3部『スターダストクルセイダース』 |
| 犬種 | ボストン・テリア(血統書付き) |
| 年齢 | 記載なし |
| 誕生日 | 記載なし |
| 身長・体重 | 身長33.3cm(体重は記載なし) |
| 血液型 | 記載なし |
| 暮らしていた場所 | ニューヨーク(野良犬のボス格) |
| 立場 | スピードワゴン財団が連れてきた助っ人 |
| 好物 | コーヒー味のガム |
| スタンド | ザ・フール(愚者) |
| 初登場 | 第20巻・アニメ第3部第25話 |
年齢・誕生日・血液型は、公式ポータルサイトの人物紹介にも書かれていません。
イギーはもともと、大金持ちの家の飼い犬でした。人間全般を見下すようになって家を出て、ニューヨークで野良犬のボス格として暮らします。
そこをやっとの思いで捕まえたのがアヴドゥルです。エジプトに上陸した一行のもとへは、スピードワゴン財団のヘリで「助っ人」として届けられました(第20巻)。
本人からすれば、人間の都合で連れてこられただけ。DIOの刺客との戦いにも、はじめは無関心でした。
人間の髪を口でむしり、その最中におならをするという困った趣味もあります。
ジョジョ立ちとイギーのデザイン
腰を極端にひねる独特のポーズの呼び名が「ジョジョ立ち」。荒木飛呂彦は日経クロストレンドのインタビュー(2012年)で、ポージングはイタリア美術を参考にしたと語っています。
犬種を選んだ理由は、『JOJOVELLER完全限定版 STANDS』(2013年)で語られています。主人公一行にペットを入れたいと考え、白と黒で漫画的に表現しやすいボストン・テリアにした、という話です。
北米版の単行本(VIZ Media、第3部第8巻、2018年)では、犬は忠誠と友情の象徴だと述べています。動物を主要な人物にして戦わせるのは初めてで、高橋よしひろの『銀牙 -流れ星 銀-』を参考にしたとも明かしました。
初登場のころのイギーは、実物のボストン・テリアのようなリアルな顔つきでした。話が進むにつれてデフォルメされ、顔が引き締まって表情も豊かになっていきます。
第20巻と後半で別の犬に見えるのは、この描き方の変化のためです。
名前の由来はイギー・ポップ
アメリカのアーティスト、イギー・ポップ(Iggy Pop)から取った名前です。『集英社ジャンプリミックス スターダストクルセイダース vol.6』の132ページに書かれています。
同じ回で戦うンドゥールの名前も、セネガル出身のアーティスト、ユッスー・ンドゥールから来ています。
イギーのスタンド「ザ・フール(愚者)」の能力
ザ・フールは、砂と同化して砂を自在に操るスタンドです。体が砂なので、物理的な攻撃をほぼ受け付けません(『JOJOVELLER完全限定版 STANDS』21頁)。
姿は、後ろ足が車輪になった犬に羽飾りとマスクを付けた形です。画集『JOJO A-GO!GO!』のパラメータは、破壊力B・スピードC・射程距離D・持続力C・精密動作性D・成長性C。
原作でザ・フールが見せた主な使い方を、場面ごとにまとめました。
| 使い方 | 場面 | 原作の巻・アニメ第3部の話 |
|---|---|---|
| 砂で翼を作り、承太郎をぶら下げて滑空 | ンドゥール戦 | 第20巻・第26話 |
| 水中に砂のドームを作って身を隠す | ペット・ショップ戦 | 第24巻・第39話 |
| 鼻で居場所を突き止め、引っかいて倒す | ケニーG戦 | 第26巻 |
| 砂でDIOの姿を作り、油断を誘う | ヴァニラ・アイス戦 | 第26巻・第43話 |
| 砂でポルナレフを引き寄せて救う | ヴァニラ・アイス戦 | 第26巻・第44話 |
隠れる、だます、仲間を運ぶと、同じ砂で何役もこなしているのが分かります。
守りに強い反面、スピードはCの「人間と同じ」にとどまります。承太郎をぶら下げて滑空したときは、高さを長く保てませんでした(第20巻)。
「スタンドを攻撃されても本体が平気なのはなぜ?」の答えも、この砂の体にあります。スタンドの傷が本体に返る決まりと例外は、スタンドの基本ルールで確かめられます。
スタンド名の由来は、タロットの大アルカナ0番(番号なし)のカード「愚者」です。同じ北米版のコメントでは、「世界」を除くと最後に残ったカードで、敵に割り当てることも考えたと語っています。
後ろ足の車輪は、F1のレーシングカーがモチーフ。連載当時の『週刊少年ジャンプ』がF1チームのスポンサーだったためです(函装版『JOJONIUM』第15巻)。
イギーの声優(TVアニメは福圓美里)
イギーの声は、媒体によって担当も付け方も違います。まずは一覧で確かめてください。
| 作品 | 担当 | 声の付け方 |
|---|---|---|
| OVA(1993〜1994年) | 不明 | 鳴き声は犬の音声素材 |
| 対戦型格闘ゲーム(1998年〜) | 不明 | 鳴き声は音声素材。PS版は一部の攻撃で声 |
| オールスターバトル(2013年) | 千葉繁 | 心の声と一部の鳴き声。ほかの鳴き声は音声素材 |
| TVアニメ(第3部) | 福圓美里 | 鳴き声もセリフもすべて |
| オールスターバトル R(2022年) | 福圓美里 | 鳴き声も含めてすべて |
声優の名前が2人出てきて迷うのは、2013年のゲームとTVアニメで担当が違うからです。
格闘ゲームはカプコンの作品で、アーケード版が1998年12月、PS版が1999年10月14日に出ました。PS版で一部の攻撃に付く声も、担当者は明らかになっていません。
『オールスターバトル』は2013年8月29日発売で、イギーは追加配信のキャラクターでした。2022年9月1日発売の『オールスターバトル R』では、最初から使えます。
アプリゲーム『オラオラオーバードライブ』にも、2025年10月16日から「【砂のスタンド使い】イギー」が登場しました。
イギーが登場する巻と話(初登場から最期まで)
イギーが仲間として行動するのは、初登場の第20巻から死亡する第26巻までです。TVアニメでは、第3部第25話から第44話にあたります。
初登場の話の題は、「『愚者(ザ・フール)』のイギーと『ゲブ神』のンドゥール その①」。
主な出来事を、原作の巻とアニメの話数で追えるようにしました。
| 出来事 | 原作の巻 | アニメ第3部の話 |
|---|---|---|
| スピードワゴン財団のヘリで一行に加わる | 第20巻 | 第25話 |
| 鼻でンドゥールの位置を察知し、承太郎と滑空 | 第20巻 | 第26話 |
| 飼い犬を探す少年をペット・ショップから助ける | 第24巻 | 第38話 |
| 左前足を失いながらペット・ショップを倒す | 第24巻 | 第39話 |
| 一行をDIOの館へ案内する | 第24巻 | 第39話 |
| アヴドゥル・ポルナレフと館に突入する | 第26巻 | 第42話 |
| 砂のDIOでヴァニラ・アイスに仕掛け、見破られる | 第26巻 | 第43話 |
| 瀕死のままポルナレフを救い、力尽きる | 第26巻 | 第44話 |
表に出てくる戦いは、ンドゥール戦・ペット・ショップ戦・ヴァニラ・アイス戦の3つ。読み返すなら、第20巻・第24巻・第26巻を押さえておくと早いです。
DIOの館を見つけたのはイギー
カイロで偶然DIOの館を見つけたイギーですが、はじめはジョセフたちに教えるつもりはありませんでした(第24巻)。
ところが、少年を助けたペット・ショップ戦で左前足を失います。この傷に怒って態度を一変させ、一行を館まで案内しました(アニメ第3部第39話)。
ペット・ショップ戦はイギーの視点で進むので、人間の言葉を理解していることがはっきり分かります。
イギーの最後|第26巻のヴァニラ・アイス戦で死亡
最期が描かれるのは第26巻の「亜空の瘴気 ヴァニラ・アイス」で、アニメでは第3部第44話です。
館に突入した3人のうち、まずアヴドゥルが2人をかばい、ヴァニラ・アイスの暗黒空間に飲み込まれます。
イギーはザ・フールで砂のDIOを作り、ヴァニラ・アイスの油断を誘おうとします。しかし見破られ、偽物とはいえDIOを攻撃させられたことにヴァニラ・アイスは激怒しました。
ヴァニラ・アイスはスタンドを使わず、自分の足で何度も蹴りつけ、イギーに致命傷を負わせます。
瀕死のイギーは、最後の力でザ・フールを使い、追い詰められたポルナレフを救い出します(アニメ第44話)。そのまま力尽きました。
ヴァニラ・アイスを倒したポルナレフの前には、アヴドゥルと一緒に幻のように現れ、天に昇っていきます。
第27巻の内容紹介(集英社)の書き出しも、「イギーとアヴドゥルを失いつつも館の中に進んだポルナレフ」です。
第3部で亡くなる仲間と根拠の巻は、ジョジョ死亡キャラ一覧で一度に見られます。
OVAとゲームでの最期の違い
OVAでもイギーはポルナレフの危機を救いますが、クリームに下半身を消し飛ばされてしまいます。ヴァニラ・アイスを倒したポルナレフに看取られて、息を引き取りました。
収録は、Adventure 11「DIOの世界 -亜空の瘴気ヴァニラ・アイス-」(1994年8月9日)です。
カプコンの格闘ゲームでは、イギーのストーリーモードで原作と逆に生還します。スピードワゴン財団のはからいでニューヨークに戻る、ゲームだけの結末です。
原作でイギーが生き返る展開はなく、「イギーは生きてる?」の答えは第26巻での死亡です。
前日譚の小説『野良犬イギー』
乙一の小説で、ニューヨークのマンハッタン島を舞台に、アヴドゥルがイギーを捕まえようとする話です。
『JOJO magazine 2022 SPRING』に載ったあと、JUMP j BOOKSから単行本になりました。2026年10月1日時点で、単行本は2つの版が出ています。
| 版 | 発売日 | 判型と中身 |
|---|---|---|
| 『野良犬イギー』 | 2022年5月19日 | 四六判変型・176ページ・定価1,650円(税込) |
| 『野良犬イギー』新装版 | 2025年7月17日 | 新書判・240ページ。書き下ろし1編を追加 |
新装版の書き下ろし「ボストンテリアと下水道のワニ」は、マンハッタン島の下水道でスタンドを使うワニと戦う話です。この短編は新装版にしか入っていないので、買う前に版を見ておくと迷いません。
「イギーの作者は誰?」と気になったら、キャラクターは荒木飛呂彦、小説は乙一と覚えておいてください。
イギーと関係する人物
- モハメド・アヴドゥル: ニューヨークでイギーを捕まえた人物。DIOの館でポルナレフとイギーをかばって死亡
- ジョセフ・ジョースター: スピードワゴン財団に頼み、イギーを一行に呼び寄せた
- 空条承太郎: ンドゥール戦でザ・フールにつかまって空を飛ぶ
- ジャン=ピエール・ポルナレフ: DIOの館で相棒としてともに戦う
- ペット・ショップ: DIOの館の門番のハヤブサ。イギーは「鳥公」と呼ぶ
- ヴァニラ・アイス: DIOの側近で、スタンドはクリーム。イギーに致命傷を負わせる
- DIO: 館の主で、一行が倒しに向かう相手


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